お金がほしい

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2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

凪のあすから 第19話「まいごの迷子の...」感想

アニメ初鑑賞。原作コミック未読。
素人がテキトーなことを書いているので、訂正や批判等あったらぜひにコメントお願いします。

 

前回までに残った謎

・うろこ様の正体(一応)
・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容
・紡くんが13話にて海に落とされた(設定上の)理由
・海から帰ってきた光(と要)が裸になっていた理由
・美海がエナを獲得したときに聞いた音(美海にだけ聞こえる理由)←まなかのエナが剥がれる音?
・18話にてまなかを連れ去ったときにうろこ様が物憂げな表情をしていた理由

 

↓前回の記事↓

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以下ネタバレあり。

 

 

冒頭は、幼少時代のちさきが光を好きになったきっかけとなるエピソードの回想からスタート。

思えば、光がまなかを好きになった経緯も、要がちさきに惚れた理由も、紡くんがちさきと過ごした5年間でさえ、僕たちはほとんど知らされていなかった。

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数多もの幼女をメス顔にさせる男、先島光

 

OP終わり、お医者さんによるまなかの触診。

光は念願だったまなかをようやく見つけることができて、晃と一緒におおはしゃぎ。
絵に描いたような欣喜雀躍ぶりにあかりや美海らは呆れ顔。

 

先生「賑やかでいい。これなら、彼女もおちおち寝てられないでしょう」
あかり「お恥ずかしい限りです」
美海「ホントに」
ちさき「光、まなかが見つかってホントに嬉しいのね」

 

眠っているまなかに視線を落とす美海。

 


直後、先生のお見送りシーン。

 

先生「比良平くん、実習日誌は明日の朝までに出しておいてくれれば良いから」

 

そう言い残して車を出した先生。

本来、このシーンは物語の本筋から外れているというか、先生がいなくなれば視聴者は「帰ったんだな」と分かるはず。
そこをあえて見せたということは、このシーンが必要だったから。

本話では珍しくちさきがモノローグを担当していることから、ちさきが主役の回。
ストーリー展開もちさきの行動が主軸となっており、海村カルテットで唯一自分だけ大きくなってしまった彼女にスポットが当てられている。
いまの彼女は、光たちよりも5歳年上で、専門学校に通っていて、着実に大人に近づいている。ただでさえ思い悩むことが多い年ごろに、微妙な立ち位置の彼女は何を思うのか。


お見送りを済ませた彼女が先島家に戻ると、美海を発見。
美海は、眠り姫に語りかける光を障子の隙間から覗いていた。

 

光「あのとき、どんだけ伸ばしても全然お前に届かなかった。でも、もう二度と、お前が嫌だっても、ぜってぇ離さねぇから」

 

前話では、美海自身が恋敵であるまなかを見つけ出した。
それは光のためとはいえ、美海にとっては欺瞞である。

けっきょく光はまなかが好きで、それを分かったうえで行動した手前、誰にも八つ当たりはできない。
そもそもさゆ以外には知られていない気持ちなのだから、押し殺すほかない。

「何かが現れるとき、何かが失われる。さすれば、足し引き同じになるというわけじゃ」
前話におけるうろこ様のセリフである。

美海はエナを得た代わりに、近づけたと思った光からまた遠のいてしまった。

そんな折、ちさきにその姿を見られてしまった。しかも、すべてを悟ったような目で。
たまらずその場から逃げだす美海。

 


ちさきはその後、勇さんのいる病院へ向かう。

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「そっか、美海ちゃんも光のことが好きなんだ」

この「も」というのがだれを指すのか。
もちろんちさき自身のことであるが、いつの時点の彼女であるか。

冒頭シーンで助け出されたときなのか、5年前なのか、それとも今なのか。

「ずっと子どもだって思ってたけど、もう、そうだよね。あの頃の私たちと同い年なんだもんね」

このセリフから察するに、5年前時点のちさきかな?

一方の自分は、自分があの頃の(結婚を考えていた)あかりと同い年になりつつある現状に気づく。


勇さんはまなかのエナが消失したことを知り、海神様とおじょし様の話の続きをはじめた。。。

 

 

場面変わり、地獄パートへ。

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やだも~、こわーい。

 

「ねぇ紡、それって何か事情があるんじゃないの?」
「もう、いつも言葉が足りないのよね、紡は。ねぇ要、分かってあげてくれないかな?なんか、あるのよね、色々」

 

基本的に紡くんを擁護するスタンスのちさき。
これまで要は理性的というか、感情を発露させない役回りであったのに対して、この場ではかなり感情的。

要は(個人的感情もあり)紡くんや教授が研究と名声のことしか考えていないと断定し、自分たちが実験の道具として扱われていることに苛立ちを隠しきれない。

一方のちさきは、紡くんがあの日の出来事や異常気象を解明するために研究を始めたことを知っている。
もちろんその裏には紡くん自身の様々な思いもあるのだが、光や要たちを単なる被験者として扱ってなどいないことは、要だって知っているはず。


だがそれ以上に要が気にいらなかったのは、ちさきが紡くんを全面擁護したこと。

要には、自分がちさきの一番の理解者であるという自負があった。
それは、ちさきがいつも光のことを考えていて、そのことを要自身も知っていたから。

しかし5年間という時間の隔たりが、その立場をひっくり返してしまった。
17話では2人のツーカーぶり(古いか)を目の当たりにし、今回もちさきは紡くんをかばった。

「分かってあげてくれないかな?」というセリフは、紡くん側にちさきがつくことを意味している。
そのことが、要にとってどれほどのショックだったかというのは次のセリフからも明らか。

「大人だね、ちさきは」

要なりの精いっぱいの暴言である。
ちさきの性格上、彼女は自分だけ5歳年上になってしまったことを気にしていると、要は理解していただろう。
だからこそ彼女の心に一番刺さるトゲを向けてしまう。

好きな女の子の気持ちがわからなくなって、それに戸惑ってつい当たってしまう。

14歳と19歳の対比を痛いくらいに表現しているのは本当にすげーと感じる。
あれほどクールに思えた要も、5歳年上に宥められる姿は、まるで駄々をこねる子どものようであった。



Bパート。

案の定「大人」という言葉が引っかかっていたちさきだったが、波路中学校の制服を見つけてテンションMAX!
そのまま豪快に着替えに入ってゆくぅ!

これはキッズには刺激が強すぎる!R指定なしで良いのだろうか。

 

そして何より絶対にパンツを見せないという徹底ぶり。
謎の光にお世話になってたまるか!というスタッフの熱意を感じる。

恒例のお約束のあとは、文字通りコスプレにしか見えない自分の姿を鏡で見て、時の流れの残酷さを噛みしめるちさき。


「大人」なちさきは、何かに抵抗するようにヤケ酒に走ろうとしていた。

そんな姿を紡くんに見られるも「なんだ、紡かぁ。もう、脅かさないでよ!」と動じない。
ちさきにとって紡くんは家族(と自分に言い聞かせている)なので、素の自分を見せられる存在。それは紡くんが恋愛対象外ということでもあり、だから紡くんからも一歩を踏み出そうとはしない。


まさかのロックを一気飲み!かと思いきや、「梅ジュース 焼酎無」ときっちり明記。時代だなぁ。
プラシーボ効果もありすっかり気持ちよくなってしまったちさきは、紡くんの前で無防備に、、、というか誘ってないか?これ。
紡くんが思わずそっぽを向くのがちょっと面白い。

 

ちさき「今日ね、光、眠ったままのまなかに一生懸命話しかけてたの。それはあんまりショックじゃなかったんだ」

 

ちさきがショックだったのは、自分が美海のようにまっすぐ誰かに恋できなくなってしまったかもしれないということ。
それはつまり、ちさきがまっすぐ光に恋できなくなったということ。

 

「身体は勝手に膨らんで(どこがとは言わない)、なのにいっぱい零れ落ちて(どこがとは言わない)。大人になるって、色んなもの失くしてくこと?」
「たぶん、いっぱい失くす。でも、失くした分は新しいもので満たせば良い」

 

もはや事実上の告白を聞き逃すちさき。
ちさきは海村カルテットと過ごすはずだった5年間を失ったが、代わりに紡くんと過ごす5年間を得た。

 

「お前と一緒のこの5年は、俺にとってはそういう時間だった」

 

紡くんがようやくちさきへの気持ちを表出してきましたね。


そこに要が登場。

 

紡「あそこで見過ごせるような奴だったら、絶対にちさきは渡さない」
要「言ったね?」

 

ようやくちさきが好きだと要に伝えた紡くん。
まぁ、見過ごされていたら死んでたけどね。

 

紡「でも、お前たちが戻ってくれて本当に感謝している。ずっと宙ぶらりんだったからな。俺もちさきもこれで、やっと前へ進める」

 

このセリフ地味に最低じゃないですか?(笑)
無事でよかった、とか安心した、とかなら分かるのだが、これじゃ本当に自分とちさきと研究のことしか考えていないように捉えられてしまう。

たしかに、残された側は苦痛に満ちた5年間だったかもしれないけど、これは心の内に留めておくべき言葉だったでしょう。

 

 

翌朝。
大人になった自分と向き合うため、海に潜ることを決意したちさき。

しかし強い潮流に捕まって身動きが取れなくなってしまう。
そのとき現れたのは、光であった。

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光に身体を触られても、頬を赤らめることなく戸惑うちさき

 

「光にとっては、おふねひきもついこの間のことなんだもんね」
「まぁな。でもお前だって変わってねぇ。普通にちさきだよな」
「そうかな?自分では、変わったつもりなんだけど」

 

これまでのちさきだったら「そうだよね」と返していただろう。
でも今のちさきは、いくら光が「変わらない」と言っても、どうしようもなく変わってしまった(光たちとは違う)ことを自覚している。


光はまなかのエナ消失の手がかりを探しに来たと聞き、ちさきは勇さんから聞いた話を伝える。

 

「引き換えに、あるものを奪って」

 

これがエナではないかと推測するちさき。

ただ、個人的には別の何かではないかと睨んでいる。
というのも、勇さんは「悲しい結末」と話しているからだ。エナがなくなったところで、おじょし様は地上の男と仲良く暮らしました、めでたしめでたし。で終わるだろうし、悲しい結末とは言いがたい。

であるならば、たとえば浦島太郎よろしく地上に戻ると想い人がすでに死んでいたとか、別の要因が働くのではないかと。

 


この話を聞いた光は、うろこ様を探しに行く!と決意。賢明な判断ですね。

 

光「でもさ、つくづく勝手だよな、海神の野郎は。人間作って言うこと聞かないとエナを奪ったり、逆に与えてみたり。子どもかよ!」
ちさき「そうかも。何百年何千年生きてもそうそう変わらないのかもね」


ここで一旦整理すると、ちさきの思う「変わる」には「身体的特徴」と「精神的構造」の2つがあって、前者では波路中学の制服を着るシーンで、後者は美海の恋心を知るシーンで描かれている。

 

「立場とか歳とか、そんなんよか気持ちだろ」

 

光のこの言葉を聞き、「気持ち」という単語に引っかかったちさき。

 

「あぁ、そっか。やっぱり私、好きなんだ、光のこと」

 

これは額面どおりに受け取ると、ちさきがキャンディーズよろしくネイビーブルーのTシャツを着た5歳年下の男の子に恋しているという意味になるわけだけど。

どちらかというと、自分にもまだ美海と同じようにまっすぐな恋心を抱けることへの安堵だったり、幼少時代と変わらない気持ちが残っていることの喜びであったり、そういう意味合いが強いと思う。

だからここまで紡くんルート進めておいて「また光かよ!」というのは多分なくて、あのころ光に抱いていたまっすぐな恋心を、では今後誰に向けるか。
それは紡くんしかいないと思うんですけどねぇ。

これで次回以降も、ちさきが光を好きだと思い込もうとしていたら正直コイツなんやねん感がすごいので、まぁそこも含めて次話お楽しみに。。。

 

 

残っている謎

・うろこ様の正体(一応)
・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容
・紡くんが13話にて海に落とされた(設定上の)理由
・海から帰ってきた光(と要)が裸になっていた理由
・美海がエナを獲得したときに聞いた音(美海にだけ聞こえる理由)←まなかのエナが剥がれる音?
・18話にてまなかを連れ去ったときにうろこ様が物憂げな表情をしていた理由
・海神様とおじょし様の悲しい結末とは

 

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