凪のあすから 第14話「約束の日」感想
アニメ初鑑賞。原作コミック未読。
素人がテキトーなことを書いているので、訂正や批判等あったらぜひにコメントお願いします。
前回までに残った謎
・うろこ様の正体(一応)
・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容
・紡くんが13話にて海に落とされた(設定上の)理由
↓前回の記事↓
以下ネタバレあり。
冒頭。
坂を上るちさき。
その足は降り積もったぬくみ雪を踏みしめ、ゆっくりと、着実に病院へとつながる道を進む。
振り返ると、海が見えた。
でもそれはかつての海ではない。ぬくみ雪に覆われて一面が白く輝く、冬の海だった。凪であった。
本話は2クール目における第1話の立ち位置と表現してよかろう。
13話から、つまりはあの事故から5年が経過した世界。
ちさきは18か19歳になり、看護師を目指して看護学校で勉強中らしい。
海村で唯一(あかりは例外)地上に取り残されてしまった彼女は、勇さん(紡くんのおじいさん)の勧めもあり木原家に身を寄せることとなった。
皮肉なことに、第1部で最も「変わりたくない」という思いを強く抱いていたちさきだけが5年もの歳月を長く過ごしてしまう。
療養中の勇さんは、味の薄い病院食が気に入らないようで、あまり食が進んでいない。
そんなおじいさんに、ちさきは手慣れた様子で体を拭いた。これが今の彼女の「日常」らしい。
「今日は巴日だな」
勇さんがボソッと呟く。
巴日には、海村カルテットとの思い出が詰まっている。
それこそ、「みんなで見なければ意味がない」と断言してしまうほどに。
第6話で仲違いしていたまなかと一緒に巴日を見て「変わりたくない」とつぶやいたちさき。
今のちさきにとって、巴日は、海村の3人は、どういう存在なのか。。。
病院から帰る途中、ちさきは狭山と遭遇。
「江川、結婚するってよ」
こういった自然な流れで状況説明してくれるのはとてもありがたい。
ちさきの想いとは裏腹に、確実に世間は5年前から変化している。
ち「みんな、変わったね。たった5年なのに」
狭「お前が一番変わったんじゃね。なんつーか、団地妻っぽいって噂だぞ、お前。妙にエロいって」
ちさきの発した「たった5年」、これはちさきが相変わらず「変わる」ことに対して過敏であることの証拠。
たった5年。だからなにも変わっていないし、変わるはずがない。そう思い込んでいることの現れ。
普通、5年もあればそれなりに状況は変わるものである。現に周囲では、同級生が結婚したりあかりに子供ができていたり、狭山からは「お前が一番変わったんじゃね」と言われたり。
一方のあかりは、光たちがどうなっているのかわからない状況で子供を産むことにかなりの抵抗があった様子。
そりゃまぁ、自分と至さんのために「ちゃんとしなきゃ」と決心しておふねひきに臨んだ結果、光やまなか達が海に飲み込まれて自分だけ助かってしまった。
その罪悪感が拭いきれず、自分だけ幸せになってよいのかと葛藤する気持ちがあったのだろう。
「男、か・・・」
お腹にいる子供の性別に対して、あかりは意味深に、ちょっと愁いを帯びた声音でつぶやいた。
そういえば、あかりは第2話で「私も子ども産むなら女の子がいい」と言っていたっけ。
けれども美海が「弟ができるの嬉しい」と言ってくれた。あかりにとっても光という弟は大切な存在である。
それだけで子供を産む決心をする理由としては十分だったようで、今では浣腸がブームのいたずら好きの男の子に成長した。
そんな晃のお姉ちゃんこと美海は、ここ5年でずいぶんと髪が伸びた。おそらく5年前から切ってないのではなかろうか。
髪を切らない=過去を引きずっているということなので、美海はまだ光が好き。
「光はまなかが好き」と、あかりから暴露されたからといって、想いが変わらなかったほどに。
さゆは表面上強がっているものの、それは想い人がいないからこその現実逃避で、要が今後戻ってきたらどうなることやら(笑)
場面変わり、ちさきがサヤマートから帰路につくと、教授と研究に勤しむ紡くんを発見。
お互いの呼び方が「紡」「ちさき」と変化している。当然の流れではあるのだろうが、これも変化。要が知ったら悲しむぞ。
勇さんの言いつけを守って都会風の料理にしたつもりが、どうやら教授の印象は真逆だったよう。
紡くんは大学の研究室で海洋学の研究をおこなっているらしい。
誰がため、という理由はたくさんあるだろう。行方不明の光たちのため、それを心配するちさきのため、勇さんをはじめとした地上の人間のため、そして過去を引きずるちさきをどうにかしたいと思う自分のため。
紡「あいつには、ずっと前から好きな男がいるんで」
紡くんはちさきが好きなのでしょうね。
そして、ちさきも本当は紡くんが好きなのだろう。
けれども突如目の前からいなくなった光や要、まなかという存在が、その思いを押し殺してしまっている。
その枷を外すには、ちさき自身が過去、つまり光と向き合う必要がある。
ちさきは木原家を「もう一つの家族」と呼ぶ。
紡くんにはそれが気に入らない。だってそれは、彼女が自ら「紡くんを恋愛対象と見てはいけない」と律している証拠でもあるから。
そして夜。
美海たちは月バージョンの巴日観賞をするため浜辺にいた。
凪の海。
時の流れが停頓しているように、あれから美海の気持ちは何一つとして変わっていない。
ただ時間だけは過ぎているから図体は大きくなり、確実に変化している部分はある。
「無理だ。ずっと好きだったんだ、小学校の時から。無理だ、諦めるなんて」
美海が男を振ると(ざまぁ)、未練がましくそう続ける男。もうやめろよ、見苦しいぞ。美海さん困ってるだろ。
でも、その思いは美海も一緒。
小学校のときからずっと好きで、諦めるなんて無理。だとしたら、光がずっと前から想い続けているまなかを諦めるのも、きっと無理。
美海は5年前の月の輝く夜、光に抱かれて恋心の萌芽を自覚した。
そしてこの日も月が輝く。上空で煌めく3つの光として。
そのとき、レーダーに突如現れた謎の「流れ」にピンと来た紡くんは、その場所に向かって走り出す。
その場所には、なぜか美海も駆けつけていた。
二人を包むようなまばゆい光が一閃。
直後、紡くんは光が裸で倒れている姿を発見した。
「海の人間に人工呼吸は・・・」
効かないはずの人工呼吸(というかキス)で目を覚ました光。
キスで目覚めるなんてロマンチックじゃないですか。まぁ、普通男女逆だけど。
そんな些細なことは良い、釜爺も言っていた。「分からんか。愛だ、愛」と。
そうして飛び起きた光が真っ先に口にしたのは「まなか」
もう泣かないと決めた美海は目に涙を浮かべている。
「お前、誰だ」
そんな美海にそう言い放った光の目には、何もかも変わってしまった光景だけが映っていた。
- 美海という人物について
美海はやはり裏の主人公というか、今後も人物像を掘り下げる展開になりそう。
というのも、彼女はレーダーではなく脳内のイメージだけで光を発見している。
それに晃がお腹の中にいるときから「男の子」だと分かったり、まだまだ謎は多い。
美海は地上と海のハーフで、紡くんもおそらく勇さんの血があるのでクォーターくらいかな?
その2人が光の第一発見者になるのは偶然ではないだろうし、今後地上と海の架け橋となる存在がキーパーソンとなっていくのは容易に想像がつく。
だとすれば、晃もハーフなので同じようにキーとなる可能性もあるが。さすがに荷が重いかな?(笑)
残った謎は以下のとおり。
・うろこ様の正体(一応)
・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容
・紡くんが13話にて海に落とされた(設定上の)理由
・海から帰ってきた光が裸になっていた理由