凪のあすから 第20話「ねむりひめ」感想
アニメ初鑑賞。原作コミック未読。
素人がテキトーなことを書いているので、訂正や批判等あったらぜひにコメントお願いします。
前回までに残った謎
・うろこ様の正体(一応)
・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容
・紡くんが13話にて海に落とされた(設定上の)理由
・海から帰ってきた光(と要)が裸になっていた理由
・美海がエナを獲得したときに聞いた音(美海にだけ聞こえる理由)←まなかのエナが剥がれる音?
・18話にてまなかを連れ去ったときにうろこ様が物憂げな表情をしていた理由
・海神様とおじょし様の悲しい結末とは
↓前回の記事↓
以下ネタバレあり。
光たちがおじょし様の墓場からまなかを連れ去って、早2週間。
それでもいまだ目覚めないというのは、どうにも物語的な意味合いを感じざるを得ない。
20話では、光や美海のすれ違う心が描かれている。
そして2人の心を覆っていた黒い靄が晴れたラストシーンにて、ようやくまなかが目覚めたのだった。
つまり、それまでの2週間はまなかが目覚めるための準備が整っていなかったということになる。
その準備とは何か。
光に関しては、まなかのウミウシになるための準備であると思う。
本話にて光は、まなかばかりに気を取られ、美海やさゆなんかを放ったらかしにしている。
あかり「起きた?すごい熱だったんだけどね、今は下がってる。美海に感謝しなよ、さっきまでずっと見てくれてたんだから」
光「まなかは?」
あかり「変わりないよ」
この会話からも分かるように、光はまるで美海のことなんて考えていない。
これまでの彼だったら「そっか、あとで礼言っとかねぇとな」くらいは言えていたはず。
まぁ、それほどまでまなかに対して真っ直ぐだったという証でもあるので、光らしいと言えばそうなのだが。
しかし彼も熱によって(物理的に)頭を冷やし、ようやく周囲に支えられていたことを知った。
(ちなみに美海は光のウミウシ役を引き受けているので、ここでの役割も間接的ながら光を正しい方向に導いている。)
光に関しては、そうしたマインドセットの再構築が、まなかの目覚めの前に必要な作業であったということだろう。
おそらく最終話にかけてまなかに関するひと悶着が起きると思われるので、その解決のため光が周囲と協力しながら動き出すはずである。
そういった物語展開のためには、あきらかにテンションのおかしかった光を一旦冷静にさせる必要があった。
一方の美海に関しては、言い方はヒドくなるが、個人的に「ヒロインの入れ替え」準備ではないのかなと。
これまでもたびたびまなかと美海の物語的な立ち位置が類似していると述べてきたが、まなかさんの目覚めによっていよいよもって美海さんがお役御免になってしまうのでは!?なんて。
本話において、泣いている美海を紡くんが優しく慰めるシーンがあった。
これは第6話「巴日のむこう」にて、ちさきと喧嘩して泣いているまなかを、紡くんが海まで送り届ける場面とよく似ている。
そういった、いわば凪あすメインヒロインの通過儀礼を終えた美海さんは、今後どういった立ち位置になるのだろうか。
上に書いた「ヒロインのお役御免」は仮説のひとつでしかなく、しかも何の根拠もないので、今後の立ち位置には注目したい。
ともあれ、美海は2クール目のヒロイン担当としての役目を全うし、まなかにバトンタッチする準備が整ったわけだ。
きっと皆さんも、本話ラストシーンでは画面の前で「「うぇ?」じゃねぇーよっ!!」と盛大にツッコんだだろうが、まなかは再び目を覚ました。
次回以降、どういった話の展開になるのか楽しみである。
さて、前置きが長くなったが本話の流れと感想。
冒頭は眠り続けるまなかを見つめる美海からスタート。
「今ここでコイツを殺れば、光とくっつくのは私のはず...」みたいな表情をしていた気がするけど、気のせいですね。
OP明けて、放課後。
光と要はうろこ様探しの旅に出るため、授業が終わるやすぐに教室を後にした。
普通なら、直近うろこ様と会った美海も連れて行くのが賢明だと思うのだが、このときの光にはまだ周りが見えていない。
「まっすぐで一生懸命」と言えば聞こえは良かろうが、猪突猛進なだけで終いには風邪をひいてしまうのだから世話がない。
一方の美海は、健気にもまなかの分もノートを取っているよう。
こうした善意がのちに「偽善なのかもしれない」とか、「まなかのためではなく光のため、ひいては自分のため」と気づき、自己嫌悪に陥るきっかけとなってしまう。
光たちはうろこ様探しに難航しているよう。そして要が指摘するように、確実に海水温度は低下しているらしい。
あかりの家出から始まり、まなかの略奪によって寒さが増したことに鑑みると、やはり寒冷化の原因は海村から女の子が消えたことかな?
というか、寒冷化を乗り切るために冬眠に入ったはずの彼らが、未解決の(むしろ悪化した)状態で目覚めてしまって問題なかったのか?このあたりも最終話までに解説があると嬉しいのだけど。
さ「美海は光たちとシシオに行かなくていいの?」
美「シシオのことは、光たちに任せようって」
光に対して「周りが見えていない」と上述したが、美海からもあえて協力を持ちかけないスタンスでいるようだ。
光はうろこ様探しを「まなかのこと」と捉えて行動しているが、美海はあくまで「シシオのこと」と発言している。
こうした地味な矛盾から、ジワジワ綻びが生まれてゆくのだが。
美海は家に戻ると、まなかを目覚めさせるための方策をメモにまとめはじめる。
しかし、同じことを思いついた光たちがすでに行動を開始している事実を知り、メモを消してしまう。
と、ここで光が帰宅。
かなり落ち込んでいるようだが、美海の前で(周囲に対して)は気丈に振舞っている。
美海はそんな光に「そうだ。今日出た宿題、量多かったし一緒にやろ」と誘った。
普通は、おふねひきの唄のことについて聞いたり、さゆが提案した「五感を刺激する」について光に話したりするはず。
そこをあえてスルーしたのは、彼女(さゆ)の行動理念が「海村カルテットの輪に入りたい」という想いに支えられていることに起因する。
光たちはもう動き出しており、美海らはまた彼らの輪に入るきっかけを失ってしまった。だから、美海はそこに触れられない。
反対に、光が必死に考えないようにしている「このままもし目覚めなかったら・・・」という言葉をぶつけてしまい、後悔することに。
美海は美海で光に対してまっすぐなので、彼への危惧が思わず漏れてしまったといったところだろう。
「わたし、あのままで良かったんだよ。私がいなくなっちゃったから、地上も海も、どんどん凍えて。私も・・・」
美海の言葉により、心の奥底に仕舞っていた不安が夢になって表出した光。
「私も・・・」のあとが気になる。
演出から考えればエナがなくなったことを指すのだろうが、光たちがまなかを見つける前から剥がれ始めていたので、やはり別の何かでしょうね。
しかもマイク内蔵型とはなかなかレアな気が。幼少期はCDからカセットテープに録音するという時代錯誤なこともよくやっていたなぁ、懐かしい。
でも直径8センチのミニCDは車で聴けなかったので、やむを得ずという・・・どうでも良いですね、すみません。
一方、美海はさゆの「まなかさんのこと、ホントは目覚めてほしくないみたい!」発言をきっかけに自己嫌悪スタート。
彼女の場合、光というフィルターを通してまなかを心配しているので、たしかに屈折しているかもしれないが、そこまで自責の念に駆られなくても、とは思うのだが。
翌朝、無理がたたって熱が出た光を介抱するため、美海は仮病を使い学校を休んだ。
学校にて、さゆと要。
さ「あの、要は大丈夫なの?光と一緒に冷たい海に入ってるんでしょ?」
要「うん、平気」
さ「そっか、良かった」
この2人だけのシーンって、実は初めてではないのか?
今後にも期待しています。ぐへへ。
仮病の美海はというと、光たちの看病をしながらもまなかへの気持ちに整理がつかず、自己嫌悪も相まって泣いてしまう。
タイミングよく電話していた紡くんは、そんな美海を見かねて波止場で落ちあうことに。
紡くんはジュースを飲みながら、ちさきへの気持ちや光が戻ってくることへの不安と安堵など、これまでにないくらい自身の感情を赤裸々に語った。
それは彼も美海も、地上の人間でありながら海の人間に恋をし、そして5年前から時間が止まっている。おまけに恋をした時点で片想いが確定しているという、なかなかにヘビーな境遇を共有していたからこそだろう。
紡くんは美海より少しだけ先に、同じような体験をしている。
そして想い人へのラブと、恋敵へのライクは共存できることを示した。それは美海にとって代えがたい希望となったはずだ。
(色々な意味で)熱の下がった光は、美海や要たちが自分を支えていたことに気づき、穏やかさを取り戻していた。
美海との小さな衝突もなくなり、満を持してまなかさんのご起床である。
残った謎
・うろこ様の正体(一応)
・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容
・紡くんが13話にて海に落とされた(設定上の)理由
・海から帰ってきた光(と要)が裸になっていた理由
・美海がエナを獲得したときに聞いた音(美海にだけ聞こえる理由)←まなかのエナが剥がれる音?
・18話にてまなかを連れ去ったときにうろこ様が物憂げな表情をしていた理由
・海神様とおじょし様の悲しい結末とは
- おまけ
ゆるキャラだけはやめたほうが良いと思いますよ、至さん!
あと「おしおっしー」が若干ふなっしーっぽい見た目なのもさすがにやめ(