凪のあすから 第9話「知らないぬくもり」感想
アニメ初鑑賞。原作コミック未読。
素人がテキトーなことを書いているので、訂正や批判等あったらぜひにコメントお願いします。
前回までに残った謎
・うろこ様の正体
・1話ラスト付近のまなかの発言「おうたの練習」とは
・5話冒頭のうろこ様の発言「地上と海との境を完全にするべし」の理由←自然災害かなにかの可能性が大きい
・8話で紡くんが街に出かけた理由
↓前回の記事↓
以下ネタバレあり。
冒頭、地上に降ったぬくみ雪についてあれこれ語らう光とあかりからスタート。
光はいまだ相容れぬ地上と海の大人たちに辟易しているようで、恨み節たっぷりに唾棄するも。
「言い伝えみたいに、この先は凍えてくばっかなのかよ...」
「俺たちは、海神様を忘れたりはしちゃいねえ」
「だがなぁ、その御霊火の減りが最近速いと思わねぇか?」
海村の大人は存外にこの現象を重く受け止めていた。
もちろん異常気象だからというのもあるが、どうやら海村に伝わる「言い伝え」に覚えがあるそうで。
これはあくまで予想だが、この会話から察するに御霊火というのは海神様の力そのものであると思う。
信仰のされない神が消滅したり力を失ったりという設定は耳にしたことがあると思うが、つまり神様の力とは信仰の強さや絶対数に比例する。
海神様の正体、ましてやうろこ様の正体についても詳らかになっていない状況では、それがどのような意味と結果をもたらすのか明らかでないが、今後も御霊火は節目節目に登場すると思われるので、そのたびに考えをアップデートしてゆきたい。
さて、場面は中学校。
光を除く3人は「大事な会合があるから」と朝早くに家を追い出されたらしい。
光「大人ってのはいっつもそうだ。子供には何でも隠しときゃいいって思ってる」
直後のまなか。
脈絡なくそう言ったまなか。
直前の話と噛み合っていないこともないが、それにしても唐突である。
これは考えすぎだと良いのだが、まなかがおじょし様になる(=海神様への生贄になる)という伏線かもしれない。
まなかは教室に入る前「海神様怒ってるのかなぁ」と発言していたし、直面している異常気象(うろこ様曰く禍つごと)もある。
古来のおふねひきを実施しようとしている現在、その催事において生贄が必要になる可能性がないとは言い切れない。
その後、サヤマートに出かけたまなかとの会話であかりが発した言葉。
「お互い思い合ってるのに、うまくいかないなぁ」
まさしく本作品のテーマである。
光と親父さん、光とまなか、地上と海、前話まではあかりと美海。
紡くんハウスに戻ったまなかはおじいさんとの会話によって、彼が9歳のときに街にいる親と離れて鴛大師に来たと知る。
前回彼が街を訪問した理由は、親に会うためといったところでしょう。
直後、さゆからの豆知識。
喫茶トライアングルは逢引きの場所らしい。うん、なんとなく知ってた。
まじか。要さんまじか。
場面は、ちさきを海に連れていった紡くん御一行。
紡「まだ、ウミウシ必要か?」
ち「ううん、必要ない。私にはもう、必要ないの」
紡「それって光を諦めるってこと?なんで?」
ち「なんでって...ちゃんと変わっていかなくちゃだから」
紡「あんたの変わるってそういうこと?」
ち「だって、大人になるってそうでしょ?自分の気持ちばっかじゃいけなくて、ちゃんと前に進まなきゃダメで」
紡「それで無しにするんだ、自分の。今の自分が許せないからか?」
ち「紡くんには何も...何もわからない...」
紡「俺は今のあんた、嫌いじゃない」
紡くんなかなか鬼畜ですね(笑)
ちさきはこれまで相当自分の気持ちを押し殺してきたはずで、紡くんもそれを知っているのに(だからこそ)無理やりこじ開ける強硬手段。
前話のラスト、ちさきはあかりの言った「ちゃんとしたい」の「ちゃんと」に反応しており、出した答えが「前に進むため、光を諦める」ことだった。
でもそれは方便で、自分の気持ちを押し殺すというこれまでと何ら変わらない選択である。前に進むどころか後退している。
紡くんの発言はちさきの本心そのものであり、言うなれば自問自答に近い。
それでも最後は「あなたには何もわからないでしょ」と突き放す(=本心を見て見ないフリをした)ちさきだったが、そこに来て紡くんは「今のあんた、嫌いじゃない」と返す。
紡くんの思う「ちゃんと」は自分の気持ちに向き合い、自分の気持ちを尊重し、自分の気持ちを表出させること。つまり光への告白である。
だから最後のセリフは完全に煽りにしか思えない(笑) ちさきが怒っちゃうくらい。
直後、要が慌ててやって来たのは、誰かからちさきが紡くんに連れられていったと聞かされたからでしょうね。
エナが乾いてフラつくというのはよくある事象だと思われるので、要が危惧したのはちさきの体調よりも紡くんと2人きりという状況のほう。
これは彼を恋敵として見ているということなのかな。
ちさきと要が村に帰ると、何やら一帯が物々しい雰囲気に包まれており。。。
場面は紡ハウスに戻る。
紡くんは先刻のやり取りに思うところがあるようで、心ここにあらず。
まなかを諦めようとしている光は、彼女との会話で恋の炎が再び灯ってしまう(笑)
まぁ、もともと消えていなかったけど。
翌朝、光が学校に行くと海村トリオが学校に来ていないことを知る。
海に飛び込んだ光は、村に戻ってから最初にまなかの部屋を確認しに行く。かわゆい。
直後、光に海村の状況を伝えようとしたまなかが現れ、一緒に波路中学に逃げる。
光「お互いに思い合っていても、まなかのそれと、俺のとは違っていて、けど、やっぱり俺は・・・」
リビドーマックス状態の光はまなかに抱きついてしまう。この変態め!
突然抱き着かれたまなかは、「いやっ!」と思わず光を突き放す。
それはまなか自身も光の気持ちと自分の気持ちが違うと気づいたからでしょう。
まなかの気持ちは愛であって、まごころ。光の気持ちは恋であって、したごころ。なんちゃって。
本話のサブタイトル「知らないぬくもり」は、光と親父さんに象徴されるようにそれぞれが思い合っていてもお互いそれに気づかないという意味と、まなかが「恋」という感情をはじめて知るというダブルミーニングでもあるらしい。
考えた人すげぇな。
- ウミウシについて
お腹の赤いウミウシは3話にて初登場し、以降も折に触れてたびたびその名前を耳にする。
ただし本話は特に「ウミウシ」という存在がキーとして展開する場面も多かったように思う。
冒頭、美海がぬくみ雪を使って「雪ウミウシ」なるものを制作したシーンや、紡くんがちさきに向かって「まだ、ウミウシ必要か?」と問いかけるシーンなど。
ただ正直、この先の展開が読めない箇所があるので下手なことを言いたくない(笑)
違っていたら恥ずかしいし。
冒頭のシーンは、美海が(「なんだそれ、カマボコ?」と頓珍漢な思い違いをしてしまう)光のウミウシになる(=正しい方向に導く)暗示であったり、あるいは異常気象自体がウミウシであるということ。
前者であれば、あかりがその手助けをするというところまで含まれているのだろう。
雪が降ったら子供は雪だるまを作るのがセオリーなので、それを逸してウミウシを作ったというのは、何かしらの暗示であることは間違いないはず。
それが上のいずれか、あるいは気付いていない別のものか。
紡くんとちさきのシーンでは、ちさきの「必要ない」発言に対して、彼自身が鏡となりちさきの本心をズバズバ突いてゆくという鬼畜ぶり。
結局のところ紡くんは頼まれなくてもちさきのウミウシだったわけで、それは紡→ちさきという関係性の布石たりうる。かもね。
- 残った謎
・5話冒頭のうろこ様の発言「地上と海との境を完全にするべし」の理由について。
これは海村のおっちゃんが言っていたように、寒冷化が進んでいくからでしょう。ただし寒冷化はあくまで現象であって、それを防ぐために境を完全にしなくてはいけないとのこと。その理由が分かるまでは残しておくことにする。
・8話で紡くんが街に出かけた理由
これはあくまで想像に過ぎないが、おそらく街にいる両親に会いに行ったのだろう。前話で街を訪問する場面が描かれ、本話で両親が街にいるという事実が開示されるということは、間違いなくつながりがあるということ。たぶん。
というわけで、これまでに残った謎は以下の通り。
・うろこ様の正体
・1話ラスト付近のまなかの発言「おうたの練習」とは
・5話冒頭のうろこ様の発言「地上と海との境を完全にするべし」の理由