お金がほしい

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2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

凪のあすから 第15話「笑顔の守り人」感想

アニメ初鑑賞。原作コミック未読。
素人がテキトーなことを書いているので、訂正や批判等あったらぜひにコメントお願いします。

 

前回までに残った謎

・うろこ様の正体(一応)
・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容
・紡くんが13話にて海に落とされた(設定上の)理由
・海から帰ってきた光が裸になっていた理由

 

↓前回の記事↓

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以下ネタバレあり。

 

 

冒頭、ちさきが看護師の勉強をしていると紡くんが帰宅。

 

「帰ってきたよ、あいつ。光が帰ってきた。あいつ、変わってなかった。5年前のまま、変わってなかった」

 

そう言いながら、やや不満げな表情。

紡くんはちさきが好きで、そしてちさきは光が好きなことを知っている。だから彼にとって、光の帰還は恋敵の再来を意味する。
だが、それは5年前のこと。今のちさきの気持ちがどうなのか、紡くんは分かっていない。

一方のちさきは、報せを聞いて思わず後退ってしまう。
何よりも「変化」を恐れていた彼女だ。喜びよりも恐怖を抱いてしまうのも無理はない。

彼女にとって変化の基準点は波路中学で過ごしていた頃の4人。姿かたちや、それぞれの立場、そして関係性。

しかしちさきは変わってしまった。容姿も、そして想い人にいたっても。

 

OP明けて、潮留家。
扉の隙間から光の部屋を覗く晃をたしなめた直後、やっぱり気になって自分も覗いてしまう美海。

それもそのはず、想い人と5年ぶりの再会だ。
5年前はお兄さんだったが、今では同い年になって同じ土俵に立つことができる。

絶対に手が届かないと思っていたものがいきなり目の前に現れたら、そりゃ誰だって浮かれてしまう。

あ「なに、目おかしい?」
光「なんかチカチカして眩しいんだよな」

光にとっておふねひきは昨日のできごと。
それから5年が経ってしまった世界は、あかりに子どもがいて、美海が同い年になっていて、ずいぶんと眩しく見えることだろう。

自分だけ世界から隔離されているような、時間の流れに置いていかれる感覚がどれほど彼にとってキツいものであったか。
その思いは紡くんに向かって吐き出されるまで鬱積してゆくことに。

 


翌朝。
ちさきは逃げるようにして家を飛び出した。

そんな様子に怪訝な目を向ける教授の「割と冷たいんだな、ちさきさんて」発言にブチ切れの紡くん。

教授はちさきの考えも、ましてや紡くんの気持ちにも無頓着なのでこういう発言ができてしまう。

バスに映った自分の姿を見てうずくまってしまうほど変化というものに過敏なちさきが、そう易々と光に会えるはずもなかった。


光は光で、晃と戯れつつもちさきと会うのは気が引けるようで、あかりの「今日はちさき、忙しいんだって」発言にホッと胸をなでおろしている。


そんな中、狭山とさゆが潮留家を訪問。
男同士のアツい抱擁で人物を認識したのに対して、さゆに対しては「なんだよお前」となかなかにヒドい。

光は前話でも、紡くんはすぐに認識できたが美海には「お前、誰だ」と発言しており、このあたりに心の距離が投影されている気がしてならない。
美海、がんばれ。


美海の「夢みたい」発言に苛立ちを隠せないさゆ。
自分の想い人である要は帰ってきていないのに、光だけは戻ってきた。そのことにやや嫉妬している。

というか公道で荷台に人を乗せちゃってるけど大丈夫かしら(笑)
別のアニメで荷台に乗るシーンでは「ここからはうちの私有地だから」というセリフを付け加えていたくらいなので、ここ数年でコンプラがかなり物を言う時代になったということでしょうね。
そういえば何年か前からカーアクション映画でもシートベルトを着用するよう義務づけられたとか。フツーに映画内で逆走してるけどね。

 


一方の光は変わってしまった現実を突きつけられ、車中では思わず目を閉じてしまう。

漁協ではおふねひきの旗を見せられるも、光にとっては一昨日の話。

それを昔話のように、さも心の整理がついているかのように語られるのは相当しんどいはず。
まなかも要も親父さんも、どこにいるのかさえ分かっていないのに。


怒涛の変化量に追いつかなくなった光を家に送り届けるため、美海らは車を降りた。

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5年前、小学生の自分は光たちの輪に入ろうとしても、それができなかった。
どうしようもない歯がゆさを抱いていた過去の自分と今の光が重なっている。


美海と光の間には、まだ窓ガラスのような越えられない薄膜がある。
年齢という壁もなくなり、人工呼吸という名目のキスもしたのに。。。

 

 

その頃、紡くんとちさきの住む木原家ではラッキースケベが起こっていたっ!!!!

なんと羨ましいけしからん!!

他のアニメだったら間違いなく飛んできたハサミが紡くんの脳天を直撃していたことだろう。
命拾いしたな、紡くん。それはそうと、夜道に気を付けろよ。

 

 

「そうだな。変わったよ、お前。綺麗になった。ずっと綺麗になった。あの頃よりも」

さすが紡くん。文字起こしするだけで勇気のいるセリフを平然と言ってのける。そこに(


ここで僕は、はじめて紡くんの戸惑いを目にした気がする。
紡くんは、ちさきが変わった=綺麗になったことを良い方向に捉えている。それでいいじゃないか、それだけじゃダメなのかと。

でもちさきは変わることに対してとても後ろ向きで、現実を受け止めきれていない。
これまで光たちの消息が不明だったことから、変化について考えるのを後回しにして、5年もの歳月が経過してしまった。

この蟠りを解消させるには、けっきょく光と会うしか方法はないのだが。

 

 

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太陽と灯台と光

すべて光であり旗でもあるが、今は光が一番ちっぽけで役割を果たせていない。


ちさきはというと、ちょうど同じころ用事を終えてバスから降りる。

 

そしておふねひきの歌につられるように、階段を上る光とちさき。

 

逢魔が時
冒頭、光は「バケモノ見たような顔しやがって」と美海に言っていたが、ここで光とちさきは5年ぶりの再会を果たす。

 

「みんな俺らのこと考えてくれてたんだな、ずっと」

 

この「俺ら」にちさきは含まれていないだろう。
5年間冬眠したのが海の人間だとしたら、ちさきは地上の人間。
おふねひきは海と地上の絆の象徴みたいなもので、その歌につられた彼らは海と地上の人間のペア。

 

「光...あの、私、変わっちゃってごめん」

 

だからこそ、この言葉に光は驚く。
光は紡くんに心中を吐露したように、自分だけが取り残されたような感覚を味わって疲弊していた。

だから紡くんに「なんでちさきに会いに来ないんだ」と聞かれたときも「なんでこっちから行かなきゃいけねぇんだよ」と返している。

でもそれは間違いだった。
ちさきも同じように思い悩み、自分と会うことに躊躇っていたことを知る。


そう、ちさきは地上の人間じゃなかった。
5年間という時間の隔たりはあるものの、光と同じ思いを持っていて、同じ言葉を使っている。

ちさきにとって「お前全然変わんなくて安心した」という言葉は、それが光から発せられたことで救いになっただろう。
同時に、何もかも変わってしまった世界で、昔からずっと一緒だったちさきだけは変わらなかったという事実は光の救いでもある。文字通り安心したことでしょう。


変わってしまった世界を見るのは疲れるとこぼしていた光も、変わらないものを見つけて折り合いがついた。
そんな光を待っていたのは旗を振る美海で、これから光が道に迷いそうになった時に支える役割を果たすことになるのだろう。

だが、よろけた美海をさりげなく支える動作からは邪念が感じられないため、今後美海を恋愛対象として見る可能性は限りなく低い。
おそらく、美海は自分の気持ちを押し殺して、あくまで家族として光を支えることになるのでしょう。。。

 


一方、ちさきも木原家に帰宅する。
いくら光が「変わらない」と言ってくれても、変わったものはある。

帰る家や、待っている人や、そして好きな人も。

そんな事実が一瞬脳を掠め、ドアを掴むのを躊躇ってしまう。

 

そこへ現れたのは紡くん。
冒頭では、勉強していたちさきが紡くんの気配を感じて外まで迎えに行った。
そしてラスト。今度は紡くんがちさきの気配を感じてドアを開ける。

これはもう完全に両想いですねーはい。
光は完全に吹っ切れたようですが、ちさきのモヤモヤはもうしばらく続きそう。。。

 

・・・ところで、要はどこへ?

 

残った謎は以下のとおり。

・うろこ様の正体(一応)
・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容
・紡くんが13話にて海に落とされた(設定上の)理由
・海から帰ってきた光が裸になっていた理由

 

 

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