凪のあすから 第8話「たゆたう想いのさき」感想
アニメ初鑑賞。原作コミック未読。
素人がテキトーなことを書いているので、訂正や批判等あったらぜひにコメントお願いします。
前回までに残った謎
・うろこ様の正体
・1話ラスト付近のまなかの発言「おうたの練習」とは
・5話冒頭のうろこ様の発言「地上と海との境を完全にするべし」の理由←自然災害かなにかの可能性が大きい
↓前回の記事↓
以下ネタバレあり。
命からがら海を抜け出してきた光とあかりから物語はスタート。
光はムキになっている(というよりはヤケになっている)ので、あかりの「ねぇ光、やっぱりあんたは(海に戻ったほうが良いんじゃない?)」という発言にも耳を貸さない。
光「俺はぜってぇ諦めねぇ!親父のこともおふねひきのことも、あかりのことも・・・」
本来であれば、最後に入るはずの名前は「まなか」だった。これは完全なる現実逃避。フロイト的に言うと...分からん。
OP明けて、4人(とみをりさん)の食卓。
至「光くん、これすごく美味しいよ」
光「焼いただけっすから、それ」
至「でも、かっこいいフォルムだよな、このタコ」
美「足が4本しかない」
あ「タコは8本足だもんね!」
・・・なにこの気まずさMAXの食卓。
僕なら耐えられずに「ちょっとトイレ」とか言ってエスケープしちゃうレベル。
その後の展開でも3人がそれぞれ気を遣ったため、光と至さんが一緒に寝るという誰も幸せにならない結果となったはずが。
最終的にはどうやら全員一緒に寝ることになったらしい。
寝れない美海は、光が慣れない地上生活で苦労していることを知り・・・
翌朝。
美「足縮んだの?」
要「へぇ、それがいわゆる“彼シャツ”ってやつ?」
光を煽るふたり。特に要はひどい。
彼シャツと言えば、恋人関係にある彼女が彼氏のシャツを着て生地が余ってしま...チッ、気分が悪くなったのでやめよう。
要のニュアンスからすると「枯れシャツ」のほうが近いかも。笑
制作陣の遊び心も見えたところで、街へと出発。
何の因果か紡くんと一緒に行くことになった御一行。
遠足におかしは定番だが、まなかが都こんぶを差し出した時はさすがに笑った。
OPの映像と繋がっているかと思ったが別だった模様。
そして、ここから物語が少しずつ動き出す。
光「なぁ紡、街に詳しいんだったら用事のついでに案内頼めねぇ?」
紡「いいけど...」
ま「えっ、いいの!?」
光「頼りにしてっから」
これは言葉で説明するのがとても難しい(面倒くさいだけ)ので、図を用いることとする。
なんだか余計に分かりにくくなった気が・・・
ベクトルとかデータベースとかのイメージで見ていただけるとありがたい。
補足すると、これはあくまで光目線の図。
光にとって、まなかは「自分の後をついてくるだけの存在」であった。しかし今のまなかの気持ちは紡くんに向いている。
その気持ちを尊重すべく、自分が紡くんを頼りにしているところを見せることで、まなかの寄生先を自分から紡くんに移転させてあげようという光なりの計らいである。
まなか→光→紡を正規化すると、まなか→紡となる。
直後に映し出されるのは、そんな思惑に納得できないちさきと、その心中にあえて気づかないふりをしている要。
それぞれの思いを乗せて電車は進み、ようやく街に到着。
光のために塩水を用意していた美海(ホントええ子や)は「塩水あります」の表記に少しがっかり。
個人的には、美海が最初にその表記に気付くもあえて気づかないふりをして、その後別の誰かが気づき、「これで干物になる心配はないな!」みたいな会話を聞いて美海が落ち込む演出のほうが好み。
せっかく頑張って塩水を用意した美海だからこそ、光には「塩水あります」の表記を知られたくなかったはずである。
その後、光とちさき、まなかと要が二人きりになる展開に。まなか&要のサシは初めて見るので大興奮。
要「優しいよね、誰にでも。あいつのこと、まなかはどう思ってるの?」
ま「えっと、紡くんはね、私に気づけないものが見えてるの。それがたくさんすごいなって、そう思う。うん、そう思ってる」
要「そっか。まなか、はっきり言えるようになったね」
要はまなかに先制攻撃を仕掛けたつもりだったのだろう。
自分の気持ちを自覚させ(というよりはこの気持ちが恋であると気づかせ)、まなか→紡くんの構図を進めようとした。
けれどもまなかから返ってきた答えは想定外のもので、要の「違う違う、そうじゃ、そうじゃな~い」という表情が秀逸。これが無自覚系ヒロインの恐ろしいところか。
一方の光&ちさき。
「色んなまなか見てきて、あかりのこともあってさ、だったら俺はまなかのこと、笑顔にしてやりてぇって、そう思った」
「でも、だからって光の気持ちは無しにしなくても良いと思う。光は、ずっと変わらないで良いじゃない。光が決めたことなら、私は応援したい。だけど、光はそのままでいいって思う」
「お前ってホントいいやつだな。ありがとな」
「...違うよ」
・・・重すぎる。
ちさきはずっと変わらない光が好きなので「変わらなくて良い」と言ったのだが、光は「自分の気持ちを大切にして」という意味で受け取る。
自分のを心配してくれていると思った光は礼を言うが、ちさきは自分のためにしか発言しておらず、礼を言われ自己嫌悪に陥ってしまう。
「ううん。応援代、ゴリゴリ君リッチ10本ね!」と気丈に振る舞うちさきが痛々しい。
その後は美海があかりを家族として受け入れるまでの地球にやさしい展開なので割愛。
こんな汚いブログに載せようもんなら塩水で即座に浄化されてしまうだろう。
そして、プレゼントをもらったあかりが至さんに語りかける。
「私、ちゃんとしたい。一緒にいるだけじゃない。ちゃんと」
この発言に、ちさきが物思わしい表情を浮かべる。
これで終わりかと思いきや、ラスト地上にぬくみ雪が降ってくる。
うろこ様の「ぬくみ雪はすべての前兆」という言葉もあり、着実に地上では何かが変わろうとしていた・・・
というわけで本話はここまで。
前話は空気だった美海が再びメインに返り咲き、彼女の行動を端緒にそれぞれの思いが交錯したり明るみになったり。
着実に物語が進んでいて、次回の展開が楽しみなラストであった。
- それでもやっぱり気になる浸透圧
これまでの記事で、「アニメに現実性を求めるのは間違っている」みたいなことを書いた。
正確にはそこまで大仰なことは言っておらず、物語の本筋と外れたところは「どうせアニメだから」とリアルさを放擲できるのが良さであると表現した。
たとえばワンピースではルフィの歯がしょっちゅう欠けるが、次の展開に移るとひょっこり元通りになっていたりする。
歯が抜けるのは、顔面に強力な打撃を受けたことを見せるための演出のひとつである。だから、その戦いが終わってしまえばその事実などどうでも良くなる。
そうした現象に対して「歯が即座に生え変わるなんてあり得ない」とか「チョッパーに歯の治療を依頼するコマがあっても良いはず」なんて意見はお門違いも甚だしく、(元も子もないが)「だって創作物でしょ?」の一声で論破できてしまう。
それは漫画やアニメの良いところである。
ドラマや実写映画で歯が欠けた演出をして、直後それが元に戻っていると強烈な違和感があるだろう。
だが、アニメではそうした演出方法はきわめて一般的で、もはや誰も気にしていないし、気にするのもアホらしい。
「なぜルフィの歯は即座に生え変わるのか」という考察をしている人もいるかもしれないが、要するに「一人の少年が仲間と一緒に海賊王を目指す」という大筋と無関係だからである。
一方、彼が海賊になると決意したとき自らの顔面に刻んだ刃の跡はいまだに残っている。それは物語に不可欠な傷だからである。
と前置きが長くなってしまったが、翻って「凪のあすから」の舞台設定は海の人間と陸の人間が共存している世界であり、そこに生じる生活の不自由さや違いは最低限描かれなければならない。
例を挙げるならば、海の人間が水陸どちらでも呼吸できる原理だったり、定期的に海水に浸からないといけないことだったり。
物語の性質上、そうした劃然たる違いが浮き彫りになっていれば良いのであって、「どうして海中で肉じゃがが作れるのか」とか「海中の布団はなぜ地面に固定できているのか」といったところはどうでも良い。
どうでも良いのだが、しかし気になってしまう!ちくしょうなんと無駄な思考であろうか!
今回、光は「寝てる間に干物になりたくはねぇしな」と肌(エナ)に塩水を染み込ませていたが、人間的な感覚からすると「むしろ塩水を塗るほうが干物リスクを高めているのでは?」なんて考えてしまう。
もし海の人間が海水魚と同じ原理であるならば、この行為は理解できる。しかし、だとすれば光たちにとって学校のプールは大変危険な場所であり、下手したら死にかねない。短時間だから良いとかそういう次元じゃない。
ならば、ウナギやサケのような広塩性魚と同じ原理であると考えたほうが筋が通るだろうか。しかし、それならば海水を塗る必要がまるで分からない。寝る前に十分な水分補給をすれば良いだけの話ではないのか。
マヌケなことを言っているかもしれないという自覚はあるので、誰か生物に詳しい方がいたら教えてほしいです(笑)
残った謎
・うろこ様の正体
・1話ラスト付近のまなかの発言「おうたの練習」とは
・5話冒頭のうろこ様の発言「地上と海との境を完全にするべし」の理由←自然災害かなにかの可能性が大きい
・8話で紡くんが街に出かけた理由