お金がほしい

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2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

凪のあすから 第11話「変わりゆくとき」感想

アニメ初鑑賞。原作コミック未読。
素人がテキトーなことを書いているので、訂正や批判等あったらぜひにコメントお願いします。

 

前回までに残った謎。

・うろこ様の正体
・1話ラスト付近のまなかの発言「おうたの練習」とは
・5話冒頭のうろこ様の発言「地上と海との境を完全にするべし」の理由
・うろこ様が海村カルテットの通学を許可した本当の目的
・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容

 

↓前回の記事↓

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以下ネタバレあり。

 

冒頭は、前回のハイライトでもある要の告白シーンからスタート。

髪を結ぼうとしていたちさきは、驚きのあまりリボンを落とす。
こういう演出は、いかに要の告白がちさきにとって突拍子もないものであったかを効果的に見せるとともに、ちさきが他人の気持ちを背負う運命にあること、つまり「変わりゆくとき」であることも示している。

詳しい説明は前回記事のラストあたりをご参照いただければと。

 


OP明けて、ちゃっかりご両親にまで挨拶を済ませる要(笑)

要「別に、答えがほしいわけじゃないんだ。ささやかな抵抗みたいなものだから」
ち「抵抗?」

要は紡くんという存在をだいぶ警戒しているご様子。
要はちさきの「変わらないままでいたい」という気持ちを尊重し、表立って彼女に好意を示すような言動は控えてきた。

だが、環境というものは彼ら彼女らの意思に関係なく変化してゆく。
そのひとつが陸の学校への転入。そして紡くんとの出会い。
もうひとつはぬくみ雪が前兆となっている寒冷化現象と、それに付随する冬眠の問題。

要がわざわざご両親の眼前で告白に踏み切った背景は、やはり紡くんに対する先制攻撃という側面が大きそう。
とはいえ、このタイミングで切り出したのは冬眠問題の影響もあるでしょう。

 

「冬眠の後には、地上はおろか僕ら4人でさえこのままではいられない。僕らが同じ時間を過ごせるって保証されているのは、今だけなんだ。刹那的な気分にもなるよね」

 

要だって年相応に今後の展開に恐怖を抱いているのではないだろうか。
大人ぶっているけどまだ14歳である。ちさきが自分のことを単に「幼馴染の1人」と認識したまま離別してしまう可能性も考えただろう。

人間はそういった恐怖に陥ると、本能的に子孫を残そうとするらしい。
まぁ彼らに限って言えば、その3ステップくらい手前をぐるぐる回っているので健全なこと極まりないのだが(笑)

そういうわけで、月並みな表現だが要も「自分が生きた証」みたいなものを他人に植え付けようとしたのではないだろうか。
登校前にそれを言ってしまうと、ギクシャクしてしまうのは分かっていたことだろうに、理性的な彼がそれを実行してしまうほど。
もちろん彼が「ささやかな抵抗」をしているのは紡くんとちさきに対してであり、彼自身にも及びのつかない気持ちであるとは思うが。

 


それからやや日が経ち、ぬくみ雪が降り積もった海村は真っ白な世界へと姿を変えていた。

海村の人間は食を断ったことでエナが厚くなり、そのままいけば21日後に眠りにつくそう。
くしくも21日後とは、おふねひき本番の日。

海村の青年会では、相変わらず地上の人間に対する不満が噴出している。
海と地上の和睦こそが解決の糸口になるのであれば、やはり彼らは眠るしかないらしい。

 

一方の地上。

現実に、海村の人間の消費が減ったり漁獲量が減ったりという問題が生じ始めて「何とかしなくては」という機運が高まっていた。

とはいえそれは姑息的治療みたいなものであり、食いつなぐための模索でしかなく、海村との和平であったり仲直りみたいな意味合いは含まれていないだろう。
だからあかりの「虫のいい話」というのはごもっとも。

だが、実情はどうあれ彼らは光に頭を下げた。ようやくスタートラインに並んだ瞬間である。


そんな彼らに対して光は「俺に任せろ!」と息巻いてうろこ様のもとへ向かうも「おふねひきに意味はない」と告げられる。
まぁ、そりゃそうでしょうね。意味があるなら真っ先にやっているだろうし。

その事実に落胆する光の横で、あかりはとある決意をする。

 

「おふねひきと、私たちの結婚式を、一緒にやっていただけないでしょうか?」

 

うろこ様の言う「意味のないおふねひき」とは、木彫りの人形を船に乗せて流す催しのこと。
そこにあかりが乗ることで、意味が生まれる。

だが、もしあかりが地上に出たことが原因で寒冷化が進んでいるのであれば、その儀式はかなりマズいことになりそう。。。

 

「何もしないで、みんなと別れるの嫌だから」

 

あかりの言葉に、光たちは光明を見出す。
特にちさきはあかりの発する言葉に敏感なようで、本編ラストにはある決意を口にするようになる。

とはいえ、その決断の後押しとなっているのは要の告白によるものだろう。
自分の告白がきっかけでちさきが光に思いを告げるようになるとは、彼もなんとも報われない限りだが。

 

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窓枠に囚われている要

数話前まではちさきだけが過去を生きていたが、よく考えれば要はその思いを尊重しているので一番最後尾を歩いている。
そういったしがらみに最もとらわれてしまっているのは要である。

そんな要を恋い慕うさゆが一番辛かったりして。。。

 

  • 光とまなか

光「思ったんだけどさ、夜同時に寝たって起きる時間は人それぞれだろ。だったら俺たち、ちゃんと同時に目覚めるのかなって」
このセリフは、言葉の端々こそ多少違えど、まなかが前話口にしたものと同じである。

そしてまなか自身もそれに気づき、光と自分が同じ気持ちを持っていることを知る。
直後、池に葉が落ちて水面が揺れる様子が描かれている。心の揺らぎと、何かが落ちる動き。いったい何の暗喩なんでしょうかねぇ(笑)

 

そのあと「俺、食う!」と走り出した光を追いかけたまなか。
カメラは木の中から、まるで二人だけの空間であるかのように映し出し、鳥が飛ぶ記号的な要素も描かれる。新海誠監督がよくやる手法ですね。

光は告白しようとするも黒歴史(笑)が脳裏をよぎり、すんでのところで思い留まる。

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そしてこのエフェクト。

なにこれ少女漫画かよ。光√確定みたいな?違うそれはギャルゲー。

 

  • おまけ

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ギャグマンガ並みの涙の大きさ

 

残った謎。

・うろこ様の正体
・1話ラスト付近のまなかの発言「おうたの練習」とは
・5話冒頭のうろこ様の発言「地上と海との境を完全にするべし」の理由
・うろこ様が海村カルテットの通学を許可した本当の目的
・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容



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