凪のあすから 第13話「届かぬゆびさき」感想
アニメ初鑑賞。原作コミック未読。
素人がテキトーなことを書いているので、訂正や批判等あったらぜひにコメントお願いします。
前回までに残った謎
・うろこ様の正体
・5話冒頭のうろこ様の発言「地上と海との境を完全にするべし」の理由
・うろこ様が海村カルテットの通学を許可した本当の目的
・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容
↓前回の記事↓
以下ネタバレあり。
「悪かったな。梅干し入っているから」
冒頭は、1話を繰り返すようにまなかを網で引き揚げた紡くんの謝罪からスタート。
紡「なんで泣いてる?」
ま「太陽だから。紡くんが太陽だから」
身体が温まるようにと梅干しを入れた彼の優しさと同時に、彼自身の象徴でもある太陽のイメージ。
いやいくらなんでも梅干し=太陽はちょっと、、、と思われるかもしれないが、いいんだよ。ほら、日の丸弁当で梅干しは太陽の役割果たしているでしょ。
そして、ここにきてようやくまなかの地上に対する憧れが彼女自身の口から語られる。
「眩しくて、照らされて、熱くなって、ドキドキして、でも・・・」
はかなくも伸ばした手は、紡くんには届かない。
でも・・・その気持ちが何なのか、何と呼ぶのかがわからず、そんなときに光から告白されてしまい。
紡くんに向いていた気持ちが何かを理解してしまったまなかは、自分が今どこにいるのかにようやく気付く。
有名なギリシャ神話に「イカロスの翼」がある。
父の忠告を破り太陽に近づきすぎた彼は、羽を溶かされてしまい落ちて死んだ。
まなかにとって、紡くんは太陽であった。
すぐ近くにあるのに、背の低いまなかは手を伸ばそうとも決して届かない。
ちょっとやめろよ!そんなこと言うと、光がお手頃でお手軽な男みたいじゃないか!
OP明け、何でも教えてくれる光のモノローグ。
そのあたりはもうちょっと情景描写とかでごまかしてくれても、視聴者はちゃんと理解してくれると思いますよ。。。
みんなが必死に舵を切って、頑張って進もうとしていることに気付いた光は、自身も自らの力で一歩踏み出そうと決意し、まなかに会いに向かった。
光「あ、そんでお前のほう、さっき言いかけてたことは」
ま「おふねひき、終わったら言うね」
ま「ひーくん、旗振ってね。いっぱい振ってね。そしたらきっと、みんな迷わない!」
まなか、なんてことを・・・!
こんな盛大なフラグを立てて、これ以上視聴者の胃を痛めてどうするんだ!
翌朝。ついに迎えたおふねひき当日。
それは同時に、冬眠の日でもある。
光は亡き母にきちんと向き合い、まなかは恐れていた冬眠を受け入れるように両親に布団を掛け、ちさきは両親との蟠りを解消し。
そして要はひとりぼっち。
両親と大喧嘩し、口では「最後は何とかなったよ」と言うものの、完全に心の靄が消えているわけではないだろう。
3人が心のザワザワを少しだけ解消して本番を迎えるなか、要だけが唯一過去をひきずっている。
そんな個人の不安要素なんて気にしていられないとばかりに、(光たち当人にとっては)敵対していたうろこ様と親父さんのゴーサインが出て、いよいよ後に引けなくなってゆく。
4人が地上に上がると、おふねひきの準備が着々と進んでおり、光は「海の男」として着替えることに。
一方、美海はあかりを「おかあさん」と呼ぶ練習中。かわええ。
美海も彼女なりに過去ときちんと向き合い、それを乗り越えようとしているということなのでしょう。
本話は10個ぐらいフラグを乱立して、それをすべて回収しきるという色々な意味で怒涛の展開で、正直後半の超展開には吃驚するしかなかった。
ここで次回以降の展開を予想するのも面白いかもしれないが、それはリアルタイム視聴勢の醍醐味であり、7年前のアニメを一から視聴している人間がするものではない。
おふねひきにて、振り落とされた人間は3名。あかりと紡くんと要である。
光とちさき、それからまなかは、彼らを助けるために自ら海に飛び込んだため除外。
落とされる人間は、設定上、あるいは物語上その必要性があったからである。
順に見てゆくと、あかりが一番わかりやすい。
これはあかりという人物の設定上、海神様に嫁ぐ役割を果たしているため、そりゃ落とされるよねと。
うろこ様はこうなることを予見しておふねひきの実行を許可した節があるようなので、やはりあかりを海に戻すことがメインの目的だったか。
このあたりは10話の感想記事にて詳細に記述しているつもりなので、よろしければご参考に。
紡くんに関しては、あかりと同じ舟に乗っていたという設定上、という側面も大いにあるだろう。
だがそれは理由というより意味付けであって、本当の理由については現段階では不明と表現するのが一番正しいかもしれない。
もしかしたら、物語をきちんと追ってゆけば理由がつかめるのかもしれないし、洞察に優れた方であればとっくに気付いているかもわからない。
可能性としては5つくらいある。ちさき→紡という構図を見せるためだったり、それを要が認識するためだったり、要の心をへし折って海に落とすための理由付けだったり(なにそれヒドい)、あるいは紡くん自身の生い立ちに関わってくる問題であったり。
何れにしても、結果だけを見るならば紡くんは念願だった海村を見つつも陸に引き揚げられ、どうにか一命を取り留めた。
そしてこうなって、
こうなって、
こうなった。
要が振り落とされたのは、橋脚が折れたように、要の心も折れてしまったからでしょう。
ちさき→光という構図を陰ながら見守ってきて、今度は紡くんという新キャラにちさきの心を取られてしまった。
そんな展開についていけるほどの気力が、振り落とされないほどの握力が、彼にはなかった。
なかなか悲惨な落ち方ではあったが、光もまなかも海に飲み込まれている以上、要だって死んでしまったわけではないだろう。
次回の展開だけが読めない。おふねひきの後日談として、陸や海がどう描かれていくのか。
2クール作品で本話が折り返し地点と考えれば、海村の人間が冬眠から目覚め始めた数年後の世界を描く可能性もあるだろう。
そんなことは来週になればわかるので(いますぐ次話を見ればわかるが(笑))、あまり深堀りはしないでおく。的外れな予想をしても恥ずかしいだけだし。
それよりも重要なのは、まなかがあかりの代わりに生贄となったことである。
「誰かを好きになる気持ちを、無理やり引き離さないで!」
まなかは身代わりになろうと決意する直前、こう言っていた。
これは自身と紡くんとのことも含まれているはず。
まなかが紡くんに手を伸ばしても届かなかったのは、冬眠という問題が心の壁を作ってしまったからという理由もある。
今紡くんに憧れていた気持ちを伝えても、どうせ冬眠して無理やりに引き離されてしまう。
そんな気持ちが声になって、そして「どうせ届かないのならば」と身代わりになる決意につながったのだろう。あれ、光への気持ちはいったいどこへ?
まなかが結構な勢いで海底に叩きつけられると(あれ大丈夫?)、渦潮はピタリと止み海村にはエナのような膜が張られた。
そうして海村は眠りにつき、残された地上は?という疑問が残ったところで次回に続く!
うーん、気になる!
- 謎についての整理
おそらく本話にて物語の前半部分が終了したため、残っている謎をおさらい。
・うろこ様の正体
・5話冒頭のうろこ様の発言「地上と海との境を完全にするべし」の理由
・うろこ様が海村カルテットの通学を許可した本当の目的
・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容
うろこ様の正体は、今後しっかりと明かされるのだろうか。なんとなく、彼は海神様の一部(うろこ)であり、神仏的な存在として崇められているところまでは分かっているが。
一応、残しておきましょうかね。
5話冒頭のうろこ様の発言「地上と海との境を完全にするべし」の理由については、もういいですかね。冬眠せざるを得なくなるほど寒冷化しているというのが一番の理由で、その最たる要因は海神様への信仰心の減少。
本話では首の皮一枚で海と地上を繋いでいた橋脚までもがぶっ壊され、見事なまでに地上と海が二分された。あるいは、過去が清算されたと表現しても良いかもしれない。
うろこ様が海村カルテットの通学を許可した本当の目的についても、あかりを海に取り戻すためだろう。結果としては取り逃がした代わりにまなかを得ることになってしまったわけだが。
それでうろこ様が、海神様が満足するのかは次回以降に分かること。
9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容は、後半部分の根幹になるであろう主軸であるため継続。おそらく明かされるのは最終話近くのことになるだろうが、それでも間違いなく回収されるとは思うので残しておく。
よって、残った謎は以下の通り。
・うろこ様の正体(一応)
・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容
・紡くんが13話にて海に落とされた(設定上の)理由
次回が楽しみです。それでは。