お金がほしい

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2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

凪のあすから 第22話「失くしたもの」感想

アニメ初鑑賞。原作コミック未読。
素人がテキトーなことを書いているので、訂正や批判等あったらぜひにコメントお願いします。

 

前回までに残った謎

・うろこ様の正体(一応)
・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容
・紡くんが13話にて海に落とされた(設定上の)理由
・海から帰ってきた光(と要)が裸になっていた理由
・美海がエナを獲得したときに聞いた音(美海にだけ聞こえる理由)←まなかのエナが剥がれる音?
・18話にてまなかを連れ去ったときにうろこ様が物憂げな表情をしていた理由
・海神様とおじょし様の悲しい結末とは(⇒地上に帰す代わりに恋心を奪った?)

 

↓前回の記事↓

ex-finprethe.hateblo.jp

 

以下ネタバレあり。

 

冒頭は、まなかの調理シーンから。
第1話や2話にてうろこ様に献上した煮物と同じものを作っている模様。どうやらうろこ様をおびき寄せる作戦の一つらしい。

そんなまなかにいまだどう接すればよいのか分からない美海。
逃げるようにお風呂に向かい「ダメだなぁ」と一言。

僕はロリコンじゃないので中学生女子の入浴シーンについて触れるつもりは1ミリもないのだが、伏線があったため仕方なく言及しよう。まったくしょうがないなぁ。

美海がずり落ちるようにしてゆっくり顔まで湯船に浸かると、不意に例のイメージが湧いてきた。

貝殻が擦れるような音。
これは美海が光を発見したときに聞いた音であり、エナを獲得する直前に聞いた音であり、海村、そしてまなかの元にに辿りつくまでに聞いた音である。

いずれにしても、あれが何のイメージなのかが不明。
まなかから剥がれたエナなのか、海神様のうろこなのか、ぬくみ雪なのか。

 

OP終わり、うろこ様をエロ本と煮物で釣る作戦が開始。

 

「きっしょ」とか言いながらしれっと団地妻特集のページを開いて設置するさゆ。

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釣れるのはうろこ様ではなくて要か紡くんでは・・・。

 

一方のまなかは煮物をセット。
「タケノコと人参と鶏、ちゃんと別々に炊いたんだよ」
このセリフは第1話にて聞いた。まなかのおばあちゃんによる煮物の作り方そのものである。

そういった細かいことはきちんと覚えているまなか。
でも確実に忘れている記憶はあり・・・。

 

そうこうしていると、ぬくみ雪が降りはじめた。

「このところぬくみ雪はよく降るようになり、テレビのニュースによれば、海から遠く離れた町や都会でも降り始めているということでした」

地上はじわじわ寒冷化の影響が強まっているらしい。

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なにこの未亡人感

 

その後御一行は木原家で落ち合い、うろこ様探しの計画を再勘案。

 

この後のストーリー展開がとても秀逸で、たった数分だけのシーンに現在の人間関係と心象とフラグを織り交ぜている。
まず、自然な流れで
①光・まなか・美海
②ちさき・要
③紡くん・さゆ
に分ける展開が見事と言うほかない。

①では、まなかが一部の記憶を失っていることに不安や失望を抱く光と、そんな彼を見てやっぱり落ち込む美海。
②と③は片想いずつの関係性に対して連続性を持たせたままカメラを切り替えることで、どちらの感情であったり立ち位置であったりを明確に示している。

「僕ももう一度、告白しなおそうかな」
要は最後尾を歩いているようで、恋愛沙汰においては切り込み隊長らしい。

とはいえ、ちさきのあの反応見ましたか。これで要×ちさきルートは完全に潰えた。

ひと呼吸置いた「冗談」という言葉は、その雰囲気を本人も察してのことでしょうね。

 

場面変わり、教授のお見送り。
紡くんはもう少しオシオオシに残るらしい。まぁ、腕に魚面相の呪いをかけられたまま大学に戻るのもちょっとねぇ。

「残るのはちさきのため?」
「あぁ」
「てっきり、調査のためとかって言うと思ってた」
「そんな必要ないだろ。いい加減答えを出したいし」
「そうだね」

紡くんはオレンジジュースと無糖珈琲を買い、後者を要に差し出した。

この場面ちょっと面白くって。
要は間違いなくオレンジジュースを渡されると思っていただろう。

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これは色々な解釈ができるだろうけど、まずBREAKの文字。
今の曖昧な関係性を断ち切るぞという紡くんの意思。そして無糖珈琲。「甘くないぞ」という彼なりの果たし状か、あるいは要を子供ではなくちゃんと大人=ライバルとみなしているという表明か。

 


翌日。
光とまなかがうろこ様に向けた罠の仕掛けスポットを訪れると、エロ本も煮物も無くなっていた。

そのまま学校に向かった2人は、空っぽのプールを前にして語り合う。

紡くんと光が競争をしたあの日は、水が満ちていたプール。
今のプールはまなかの「人を好きになる心」が空っぽという隠喩でしょうね。

恋や愛なんかに関係するエピソードをまったく覚えていないことにショックを隠しきれなかった光は、ついぞまなかの前から走り去ってしまう。
しかし光の行動が理解できないまなかは「ひーくん...?」と怪訝な表情を浮かべるだけで、追いかけることはしない。

そんな光を見かねた美海は、さゆを置いて彼を追いかけることに。
見知らぬ土地に辿りついた二人は、そこでついにうろこ様と遭遇する。


ここからは怒涛の伏線回収。
やはりうろこ様は光をはじめ、海村カルテットを手助けしてくれる立場のよう。


ここで回収された謎
①まなかがおじょし様の墓場で見つかった理由⇒おじょし様になっていたから
②おじょし様を地上に帰したとき、引き換えに海神様が奪ったもの⇒人を好きになる心
③うろこ様の正体⇒海神様が亡くなったときに剥がれ落ちた鱗の1枚(いまいちピンと来ないが)
④御霊火とは⇒海神様の意識のようなもの
⑤おふねひきで渦潮が発生した理由⇒海神様の想いのかけらが勝手な行動をとった結果
⑥地上の寒冷化が落ち着いていた(ここ数日で加速した)理由⇒まなかがおじょし様となったことで御霊火と海に散らばる海神様の意識が一体化し、均衡がとれていたため
⑦まなかのエナが剥がれ落ちた理由⇒まなかの中にあった一部の気持ちが生贄であることを良しとせず、外に出ようとしたため
⑧突如現れた海村に通じる謎の潮流⇒まなかからあふれ出た気持ち
⑨美海が聞いた音⇒まなかから剥がれ落ちたエナの粒がぶつかる音

さすがうろこ様。
まさか1話にて、というかたった数分でここまで謎を明らかにしてくれるとは。

 

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「まなかはもう、誰も愛することができんのじゃ」

うぅ...目にハイライトがないまなか怖いよぅ...。
直前のカメラでは普通にハイライトがあったので、前話同様にこれは光の視点でしょうね。

目に光がないだけに、その目は光を見ることはできない、と?


・・・というわけで本編はここまで。

正直今回はかなり面白かった。
伏線が回収され、そして解決すべき問題が明確になった。

残り4話という短さではあるが、まなかの恋心を取り戻すために動くのが最終章になるでしょう。

前回の記事でも書いたが、OP映像的には美海がおじょし様になる未来が予想される。
けれども美海がおじょし様になることでまなかに人を好きになる気持ちが戻ったところで、それでは美海が生贄のままである。

光がそれを良しとするはずがないので、別の結末が用意されているのでしょう。
そこはとても楽しみ。


それから、今回はあまりスポットライトを当てられなかった紡くん。
彼に魚面相ができたのは、もちろんうろこ様が地上にいる証拠としての機能もあるでしょうが、それだけではないはず。

ちさきとの関係性や、魚面相がいなくなるまでのひと悶着なんかも次回以降は期待される。

 


◎おまけ

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光はどうせ脈ナシだし、もうコイツで妥協しよっかな


残された謎


・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容
・紡くんが13話にて海に落とされた(設定上の)理由
・海から帰ってきた光(と要)が裸になっていた理由
・18話にてまなかを連れ去ったときにうろこ様が物憂げな表情をしていた理由

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