お金がほしい

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2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

凪のあすから 第24話「デトリタス」感想

アニメ初鑑賞。原作コミック未読。
素人がテキトーなことを書いているので、訂正や批判等あったらぜひにコメントお願いします。

 

前回までに残った謎

・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容
・紡くんが13話にて海に落とされた(設定上の)理由
・海から帰ってきた光(と要)が裸になっていた理由
・18話にてまなかを連れ去ったときにうろこ様が物憂げな表情をしていた理由
・紡くんがエナを獲得した理由(エナを獲得する条件)

 

↓前回の記事↓

ex-finprethe.hateblo.jp

 

以下ネタバレあり。

 

 

冒頭。
まなかに向かって「なんかちょっと顔色・・・」と言いかけた美海が気になるが、それ以上に前回ラストの告白シーンの続きが気になる。


紡「そう、感じてたんだ。お前の気持ち、今は俺にあるって。それ、俺の勘違いだったのか?」

 

そう言ってちさきを抱き寄せる紡くん。
このアニメではこれまで中学生の恋愛模様しか描いていなかったので、こういった何気ないシーンでも妙に生々しく感じてしまう。

 

「私は紡のことなんて、好きじゃない!」

 

言葉の上では否定しているが、ちさきが好き嫌いをはっきり述べること自体がおかしい。

自身の中にある色々な思いが混じりあって、逃げただけでしょうね。

とはいえ、形式上は振られてしまった紡くん。
想い人に思いっきり突き放され、走り去った直後のセリフがこちら。

 

「・・・気持ちが、漂ってる」

 

いやいやいやいや、鋼の精神力かよ。
ポエム詠んでる場合じゃないでしょうに。

 

 

OP終了後、逃げ出したちさきは木原家に戻ってきていた。
その場所に残っている思い出は、自身が紡くんを意識しているのだと、そう証言しているかのよう。

「たった5年。紡と過ごした時間はたった5年。光たちとは、生まれたころからずっと一緒にいたのに・・・」

紡くんに暴かれたように、ちさきは彼への恋慕を自覚している。
しかし、それを認めるわけにはいかない。

 

「紡のことは好きになっちゃいけない。そう、光以外の人を好きになったりしたら、眠り続けてるみんなを、時間を止めたままのみんなを裏切ることになるって思って」

 

ようやくちさきが本心をきちんと口にしたことで、自分の考察が若干ずれていることが判明。

てっきりちさきは「変わりたくない=あの頃の4人の関係性を壊したくない」という思いが先行して自分の心に蓋をしていたのだと思っていたが、実際は「自分だけ変わってしまうことで3人を裏切りたくなかったから」とのこと。

ちさきがちょっとくらい変わったところで誰も「裏切った」とは思わないでしょうが、ちさきにとっては「まなかのことが好きな光を好きな自分」で居続けることが最優先になっていた。
そうすることで、自身の時間もピタリと止めたのだ。

だから当然紡くんとの関係は進展しないし、ちさきを想う紡くんの心も停頓させられていた。

 

しかし、そんな枷とは裏腹に、心とは変化するもの。
認めたくないのに自分の気持ちは紡くんに大きく傾きはじめ、そんなちさきは5年ぶりに光と出会い「変わっちゃってごめん」と言った。

しかし光は「お前全然変わんなくて安心した」と返している。


この言葉にちさきが救われたのは、「自分は5年間、きちんと光を好きなままでいられ続けたのだ」と思えたから。
もちろん光の言う「変わらない」は別の意味なのだが、ちさきは5年越しの課題をクリアしたのだと、その安堵は大きかったに違いない。

 

それからもう1つ。
ちさきが光を好きなまま(正確には紡くんを好きだと認められなかった)理由としては、まなかという存在がある。

たとえばまなかの「好き」が戻らないうちに紡くんと自分が付き合ったりすれば、それこそ大きな裏切りである。
そんなことをちさきが許容できるわけがなかった。

だから要の言葉は足枷の1つを外すことにはつながったものの、まだ足りない。
まなかの問題が解消されない限り、ちさきは自らの足で前に進むことはしないでしょう。

 

であれば、そこは紡くんが無理やりにでも引っ張るのか。
あるいは(おそらく最終話で)まなかの問題を解消した後に動き出すか。

それは次回以降の展開によるので、楽しみな点ではある。


しかしこのときの要さんは切ないなぁ。
自ら斬られに行くのは潔いし、かっこいいとも思う。
実際、要はちさきの前で決して弱さを見せないよう努めているだろうし、これが一番スマートな振られ方だろう。

だからこそ、この後のシーンが対比をなすように燃えるわけでして・・・。

 

 

シーン変わり、美海と光。

光はまなかのために自分を犠牲にしている。
だから、そんな光を好きな美海は、こう思う。

「まなかさんを想う光に、せめて私ができること。光にこの気持ち、気付かれないようにすること」

と言いつつ、美海が光を見つめる目は誤魔化しがきかないレベル。
これはフラグとしか思えないのだが。。。

 


翌日。
ちさきは病院に行き、勇さんからおじょし様の話の続きを聞く。

 

「愛する男は死んでいた。消えたおじょし様を探し、海に入っておぼれ死んだと。地上に戻ったおじょし様を待っている者は誰もいなかった」

 

・・・え。本当にこれだけかよ。
なぜこんなオチのない話が語り継がれているのか謎でしかないが、いや、オチがないから語り継がれていないのか。

しかしさんざん引き伸ばしておいてコレはない。
ので、きっとあと2話で本当の結末みたいなものが明かされることを願う。


次のシーンからは、ようやく最終話に向けて物語が動き始める。

「おふねひき。おじょし様を捧げれば、また地上の終わりは緩やかになるんじゃないかと。それに向井戸の気持ちも、元に戻るかもしれない」

なるほど。
1期のラストがおふねひきで終わったように、物語のラストもおふねひきで締めると。
たしかに「何かが起きる」ことは間違いない。

 

それにしても、そこへの持っていき方がやや強引か。


「あのペンダント。あれに向井戸の気持ちが込められているなら、木のおじょし様につけることで、向井戸の代わりにならないか?」
「向井戸が戻ってきたと海神の思いが勘違いすれば、奪われた向井戸の気持ちも元に戻るかもしれない」

 

木のおじょし様にまなかのペンダントをつけるのは悪くない案だと思う。
だが、それによってまなかの「好き」が戻る必然性はない。光が言うように「めちゃくちゃ」であるとも思う。

でもまぁ、そこは一旦置いておこうじゃないか。
紡くんが説明するから理屈ぽく聞こえるだけで、1期の頃だって「めちゃくちゃ」な理由で始まって、「めちゃくちゃ」な結末を迎えたじゃないか。

そういった、あらゆる「どうしようもないこと」に抗う物語が凪のあすからだとしたら、とても人間的な働きで良いと思います。


てなわけで、地上ではおふねひきの準備がはじまった。

 

ちさき「まなかは私が地上にいる間、5年間もずっとおじょし様の代わりになっててくれたんだよね。そうしたら、今度は私が・・・」
紡くん「ちさき!」

 

「ずっと蚊帳の外」の要は、5年前よりも後退して、二人の様子に聞き耳を立てるだけ。
傷心の要に「サボり」と後をつけてきたのは、そのさらに後ろを歩くさゆであった。

 

踏切での告白シーンは良いですね。

このブログで散々触れてきたのでもうやめるけれども、これまで届くことのなかった気持ち(遮断機が下りて道が分断される)が言葉として届き(電車が通過)、そして遮断機が上がる。

映像やその動きもかなり凝っていて(振り返るような姿勢だった要がきちんと向き合うところなど)、製作者の熱意を感じる。

だが、それよりも個人的に注目したいのは要という一人の男の子。
初めて年頃の男の子らしさを見せたというか、誰かの前で弱さを見せるのはかなりレアなんじゃないかと。

 

「さゆちゃんのこと、これからちゃんと見てみる。ちっちゃな女の子じゃなくて、同じ歳の、ひとりの女の子として。そこからとりあえず考えても良いかな、さゆちゃんとの今後」

 

失恋したての要にとってはこれが精いっぱいで、最大限でしょう。
そして次話以降のメインストリームは光とまなか(と美海)になると思われるので、これ以上の進展はないはず。
だが、これで良い。

要が抱えていたのは恋愛的なディスアドバンテージだけでなく、もっと大きな人間としての存在意義が薄いという問題。
前者は木端微塵に砕かれたものの、後者はさゆに救われたことでだいぶ楽になったはず。

ずっと報われない役回りであったため、個人的には良かったなと思っています。

 


というわけで今回はここまで。
まなかの問題に進展はないものの、ラスト2話に向けて少しずつ外堀を埋めてゆく意味合いで
・ちさきと紡くん
・さゆと要
恋愛模様は一旦区切りがついたと思われる。

正確にはちさきがまだヨロヨロしているが、そこは紡が引っ張っていただいて。ね。

 

残っている謎

・9話ラストでまなかが赤ウミウシに告げた内容
・紡くんが13話にて海に落とされた(設定上の)理由
・海から帰ってきた光(と要)が裸になっていた理由
・18話にてまなかを連れ去ったときにうろこ様が物憂げな表情をしていた理由
・紡くんがエナを獲得した理由(エナを獲得する条件)

 

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