お金がほしい

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2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

凪のあすから 第4話「友達なんだから」感想

アニメ初鑑賞。原作コミック未読。
素人がテキトーなことを書いているので、訂正や批判等あったらぜひにコメントお願いします。


前回までに残った謎は以下のとおり。

・ガム文字を残した少女2人組の正体
・うろこ様の正体
・1話ラスト付近のまなかの発言「おうたの練習」とは
・あかりのお相手の正体(あかりとの馴れ初め・妻の存在)

 

↓前回の記事↓

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以下ネタバレあり

 

もう3年ほど前(!)にもなるが、新海誠監督の「秒速5センチメートル」についての所感を述べたとき、女性の髪形が性格や心境を象徴的に示していることに気が付いた。

 

たとえば三つ編みが幼く見える理由の解釈の一つとして、誰かの庇護下にあるという印象を受けるから、と考える。

三つ編みにしたくって母や姉に手伝ってもらう少女の姿。それは誰かに保護され、所有されているようなイメージと重なる。そもそも髪を結う≒縛るという行為自体、不自由さの比喩であるようにも感じられる。

 

それを踏まえ、まなか。まなかは子供っぽい描かれ方(光たちに守られる役割)をしているのに、髪をいっさい結わず、常にシュシュを腕に巻いている。

そういうところから、まなかという人物像の変化が窺える。というか、これまで守られてばかりだった存在が、その殻を脱ぎ捨てて進んでゆくという、まさしくまなかの成長を描くアニメ。あれ、主人公誰だっけ。

1話でうろこ様はまなかをして「発情期じゃ」と言った。
光は地上(やそこに住む紡くん)に憧れるまなかにつっけんどんな態度をとってしまった。

つまり、光たちの気持ちが追い付かないうちから、まなかの心は地上に傾いていた。
2話における要の発言。「意外だったな、まなかがこの場所からの一歩を最初に踏み出すなんてね」

同じく2話にて、うろこ様。「お前は今まで、いっつも誰かに守られてきた。光やちさきや要や、お前はその後ろをちょんちょろちょんちょろ付いていれば良かったじゃろ?それが、皆に守られないところに行こうとしている。自分を守るためにはな、多少の嘘も必要になってくる」

まなかは海村カルテットの誰よりも先に地上にあこがれを抱き、そして近づこうとしている。もはや誰かの後ろをくっついて歩くだけの、か弱い女の子ではない。

 


にしてもこの発言。飄々としているうろこ様らしさ全開というか、実に思わせぶりである。
本話にて、うろこ様はあかりに向かって「呪い、かけてやってもいいんじゃぞ?」と発言している。

これはかなり好意的に捉えているかもしれないが、うろこ様のバックボーンというか行動指針として、海村の人々の幸せを第一に考えていると思う。
「幸せ」というのはずいぶんと定義があいまいで、可変的かつ即物的に捉えられる点において微妙な表現だが、彼の言動をたどってゆくと、たぶん「幸せ」に行き着くと思う。

まなかは1話でぎょめんそうの呪いをかけられたが、それが奏功して紡くん(地上)と近づくことができた。
その後、まなかは再度呪ってほしいと懇願するも、あえなく却下。それはまなかのためにならないどころか、本人の成長を阻害する行為である。
なにより、うろこ様が2話で上の発言をしているとき、妙にうれしそうな表情をしていたのが印象深い。

 

一方のあかり。現状、彼女が幸せになるルートは2つ。
①地上の男(「至さん」と言うらしい)をきれいさっぱり忘れて、海村で暮らす。
②誰にも後ろ指をさされることなく、認められ祝福されながら至さんと地上で暮らす。

彼には神の使という役目があるから「承知いたしておりますよ、海神様。海の人間を、今地上にやってはならない」というセリフに象徴されるように、表向きあかりが地上に出ていく行為を認めるわけにはいかない。

 

ただ、うろこ様は海村の人間の味方であると思う。いまだ正体不明のうろこ様に全幅の信頼を置いてもよいのかは疑問だが。
おそらく彼はあかりが拒否することを分かったうえで上の提案をしたと思うが、それはつまりあかりが至さんとくっつく未来しか残されていないということ。

よって、物語としてはあかりが地上に出る方向に進むのであろうが、正直なところ展開の予測が全くできない。
あかりの地上進出を、海神様の使いであるうろこ様が許可し、海村の人間が祝福している未来。そんなあかりと視聴者にとって都合の良い未来は来るのでしょうか。

 

4話時点で一つ言えることとしては、上のセリフ「承知いたして~」の「今」がいつまでを示しているのか。こういった曖昧な部分が伏線として敷かれていることで、物語が思わぬ展開に動く可能性を秘めていることくらいだろうか。

 


ここからやっと本編へ。
といっても前置きで疲れたので今回はだいぶ端折りますが。

 

冒頭。負けん気の強いさゆと光の会話で、印象的なシーンがある。

 

光「俺もお前のおやじのこと気に食わねぇ。子供がいるのに若い女に手ぇ出すなんて、あかりに、姉貴にふさわしいとは思えねぇよ」
さ「お前んちのお姉さんがたぶらかしたんだろうが!」

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少し見づらいが、さゆが上のセリフを言ったとき、美海はさゆの前に腕を出している。

 

4話中盤以降に分かることだが、美海とあかりは元々仲が良かった。本心では今でもあかりのことが好きなのだろう。

だから他人にあかりの悪口を言われたくない。自身の母になろうとしていることは気に入らないが、人格否定となると話は別というところか。僕も自分が住んでいた田舎の悪口は散々言うが、余所者がわが故郷をコケにした日には末代まで呪いたくなるので彼女の気持ちはよく分かる。違うか。

 

光「お前、美海みたいな卑怯なやり口は、俺嫌いだ」

 

美海は、あかりから月島家の(母が他界しているという)事情を聞いていたのかもしれない。だから光は自分と同じような境遇にあって、唯一協力してもらえる≒自分の行動を肯定してくれると確信していたはず。

たぶん美海は本来めっさ良い子で、わがままを言うことも少なかったのだろう。
そんな彼女が幼くして母を亡くし、お姉さんと思っていた人が、その後釜に入ろうとしている。そんな現実を拒絶しないほうがおかしい。

けれども拒絶の仕方がわからない彼女は、友達であるさゆの方式に従った。
さゆは年の割に小難しい言葉をよく用いるが、それは弱い自分を隠すための盾であり、また自分の言葉ではうまく語れないことも示している。口よりも先に手が出るタイプとでも言おうか。

真正面から「いやだ」と言えない美海にとって、さゆの陰湿で直接的でない攻撃はずいぶんと手軽で気軽なものだったろう。
しかしそんな行為を光に一刀両断されてしまった。しかも自分に向かって直接「嫌いだ」と。

 

ここから卑怯な手をやめた美海。おじょし様破壊の件を光に伝えたのも、当事者である光に直接伝えるべきだという心境の変化か。
にしても、おじょし様を破壊したさゆに向かって美海が吐いたセリフ「そういう卑怯なやり口は、私大嫌いだ!」は、まんま光の受け売りですよね。笑

 

本当に光は名前のごとく、誰かの進むべき方向を示す灯台のような立ち位置になっている気がする。

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光と、背景に映る灯台

 

このシーンの後、光はまなかの頭をなでようとして手を伸ばすが、思いとどまる。

もはや目の前にいるのは自分が守るべき対象ではない。

 

ヒーローがピンチに陥った時、誰がそのヒーローを助けるのか。みたいな問いがあるが、まなかにとっての光がそうであるように、光にとってのまなかも自分の道を示す存在になっていた。
それに気づいた光は、自分と対等の立場にいる(むしろ自分よりも先を進む)彼女に向かい「ありがとな」と告げている。

 


翌日。光は地上のクラスメイトに謝罪し、心の壁を(物理的に)取っ払うことに成功。

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黒板に書かれた三目並べの形跡が細かい。どちらもおあいこなのだ。

 

さて。地上の連中と和解し、要に諭されたさゆが謝罪して大団円のハッピーエンド!・・・というわけにもいかないのがこのアニメ。ラストのちさきがダークサイドに堕ちそう。

 

ち「光をかばいたかった...だけど」

 

だけど、その必要はなかった。光は光のやり方で、誠心誠意正面から謝罪して、クラスメイトとのわだかまりを解消した。
自分がやろうとしたことは間違いだったのだろうか。波路中学ではなくなり、みんな少しずつ変わっていって、自分だけが過去にとらわれているような、そんな居たたまれなさを感じ始めている。

 

地上のクラスメイトにちらし寿司をわざとこぼされ、大好きなまなかがひどい目にあった直後でさえ「ねぇ、もうちょっと仲良くしたほうがいいんじゃない?」と言えるのがちさきだった。
ちさきの「仲良くする」というのは光の考える仲良しとは多分違って「波風立てず、うまくやっていこうよ」ということ。

 

ちさきが事実を隠匿しようとした行為は、光の言う卑怯で嫌いなやり方だろう。そんなこと、ちさきが一番分かっているはずである。

じわりじわりとちさきの心が荒んでゆく。。。がんばれ。

 


にしても、ちさきがはじめて感情を露わにした直後の紡くんのセリフ「俺、海が好きだ。シシオのヤツも」がとてもかっこ良い。
海は荒れることもあれば凪ぐこともある。そういう様々な側面を許容するのが「海が好き」という一言。

紡くん自身、おそらく今後も感情を爆発させることはないと思うが、だからこそ複数の顔を持つ(=感情的な)海村の人間にあこがれを抱いているのかもしれない。

 

というわけで今回は以上。

次回に進むにあたり、ちさきの精神状態が不安でならないが、どう対処していくのか。

 

また、前回までに残った謎として挙げていた

  • ガム文字を残した少女2人組の正体

は解消されたと言って良いでしょう。

全貌は明らかになっていないものの、美海は(あかりが思いを寄せる)至さんの娘で、さゆはその友達。
彼女らの過去エピソードも簡単に紹介されたことで、十分に自己紹介は済んだと判断します。

 

さらに

  • あかりのお相手の正体(あかりとの馴れ初め・妻の存在)

こちらもある程度は把握できたので次回以降は除外。みおりさんという海村出身の女性と親交のあったあかりが、その家族である潮留家の人たちと知り合うのは自然な流れである。

 


そして以下が、いまだ明らかになっていない謎

・うろこ様の正体
・1話ラスト付近のまなかの発言「おうたの練習」とは

謎はだいぶすっきりしたが、心のモヤモヤは蓄積していくような。そんな人間臭さがこの作品の魅力かと。4話で作品を語るな、って感じですよね。

それではまた次週。

 

 

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凪のあすから 第3話「海のいいつたえ」感想

アニメ初鑑賞。原作コミック未読。
素人がテキトーなことを書いているので、訂正や批判等あったらぜひにコメントお願いします。


前回までに残った謎は以下のとおり。

・御霊火とは
・ガム文字を残した少女2人組の正体
・うろこ様の正体
・1話ラスト付近のまなかの発言「おうたの練習」とは
・あかりのお相手は誰か

御霊火については、第2話の紡くんの質問により概要はつかめたので、今後外しておくことにする。


↓前回の記事↓

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僕の性分として、こういったストーリー展開のある話を視聴するばあい、可能であれば一気見したいのである。続きが気になるというのもそうだが、なにより1週間も空くと前話の記憶がすっ飛んでしまう。
とはいえ、結末まで視聴してから書くのも面白くないし、結末を知った状態では次回の展開予測なんてただの予定調和になる。

そういうわけで、どうにか次話に伸びる手(正確には指)を抑えつつ、無事に3回目を迎えました。
同時期に視聴してくれる仲間がほしいと思うんだけど、その実現のためには今期アニメをリアタイ視聴して記事にするしかないのかな。

こうやって2013年のアニメを1話からあれこれ予想している記事なんて、今日日探してもそうそうないでしょうし。


以下ネタバレあり。

 

名栓自性という四字熟語がある。名前がその人やモノの性質を表しているという意味である。

まなかはなんとなく4人の中心にいる。
光は先陣を切って何かをすることが多く、暗夜の灯のような立ち位置。ラピュタでいうと飛行石。
要は理知的なので、ブレーン的存在。
紡くんは今後おそらく、地上と海村とを繋ぐ役割を果たすことになろう。ちさきは・・・よくわからんが。

 

本編スタート。

 

前回のラストで、あかりが地上の男とデきていたことが露呈してしまった。そのことに関してうろこ様とあかり、父親で鼎談をしている。

それを覗き見する二つの影。光とまなかである。

ま「今うろこ様おならしなかった?」
光「なんで屁の音だけ聞こえんだよ!」

まなかの発言は、屁のような音のするぎょめんそうの遺恨か。


直後、ちさきと要が噂を聞いて駆けつける。
正直要はグレーだと思うのだが、ここで登場したということはやはり、表向き光と対立する気はないらしい。


OP終了後、廃校となった懐かしの波路中学に戻ってきた4人。
彼らとっては作戦部屋というか、秘密基地的な立ち位置なのだろう。

 

あかりの恋人?についてあれこれ語らう4人。

ち「でも優しそうな人だったよ?」
光「ちさき、男の趣味悪いな」
要「それは言えてる」

笑った。即答の要さん、光に同意しているようで同調していないのがとても面白い。光とまなかには知る由もないが。

 

光はまなかと紡くんのこともあり、地上と海の人間の恋愛には拒絶反応を示している。
というより、地上の人間が諸悪の根源であると言わんばかり。純粋に地上の男がいけ好かないだけでは。

 


男性陣の作戦会議の傍ら、なぜか木琴(マリンバ?)のドの音を鳴らし続けるまなか。木原くんだから木琴...てのは考えすぎか。何でもかんでも恋愛に結びつけてしまうのは良くない癖である。
廃校になる前に黒板に一瞬映し出された曲の練習をしていた、とかそんなところだろう。あとはもちろん、心音の役割も果たしているとは思うが。

 

なにかを見つけたまなか。

ま「ちぃちゃん、ウミウシ!」
ち「あぁ、すごい!お腹赤いの!」
ま「お腹の赤いウミウシに、誰にも言えない気持ちを伝えると教えてくれるんだよね、これから先のこと」
ち「うん。口から黒い石を吐いたら、その気持ちは間違っていて、綺麗な石を吐いたら」
ま「その気持ちは宝石みたいに、永遠に輝き続ける」

 

ここでいう「綺麗な石」というのが少々引っかかる。黒い石というのは明確で判別の付きやすい表現だが、綺麗の定義は人それぞれ。夢見がちな乙女心のフィルターによる発言なのか、あえてなのか。
あるいは伝言ゲームよろしく伝承特有の尾ひれがついたパターンか。いずれにしても眉唾ものではある。

紡くんを木原くんと言い直したり、「エッチだと思った?」とちさきに問うたりと、ずいぶん光の発言を気にしているご様子のまなか。

 

光はまなかの複雑な胸中を知り、家に戻る。

光「地上の人間と、海の人間の・・・」

地上の人間と海の人間の恋物語。それは1話でも紹介されたように、はるか昔、海神様とおじょし様が子をなした伝説がある。
そして現在、まなかと紡くん、あかりと漁協の男。
光は、あかりには幸せになってもらいたいと思っている。しかしそれは地上の人間と結ばれるのを是とすることと同義であり、まなかと紡くんの恋模様を否定できなくなる自己矛盾が生じる。

布団をかぶった光は、今後どう行動するのか。

 


翌朝。ガバガバ作戦が失敗になり「卑怯者!」と叫び自転車を盗む光。

2話でも黒板に書かれていたが、地上はオシオオシ(鴛大師)と言うらしい。
海中がシオシシオで地上がオシオオシ。ややこしいな。


車を追いかけた光たちが到着したのは幸か不幸か、奇しくも紡くんの家だった。

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まなかはこれで隠れているつもりなのか。紡くんの家と分かり、様々な感情が入り混じっているのは分かるが。

 

そしてこの直後、光に放ったおじいさんのセリフが気になる。
「この眼、コイツは嵐だ」
この言葉は今後の展開の暗示か、あるいは布石か。


「地上の人間と海の人間がひとつになるのは、並大抵なことじゃない」
光の突撃に混乱する男性。それに比べておじいさんの察しのよさよ。

 

そして紡くんのありがたいご説明。

エナは胎児が包まれている羊膜と似た組織で、地上の人間はこれを破って生まれてくる。だけど、海の人間は肌と一体化した状態で生まれてくる。まるで、魚のうろこみたいに。海の人間が水中で呼吸ができるのは、エナがあるからこそ。海の人間と地上の人間との間に生まれた子供は、エナを持たないんだ。

もうひとつ。乾燥した場所では、エナが水分を吸って溜め込むという特性も明らかになった。

この特性についてはこれまでも別に気にならなかったわけじゃないが、たとえば「どうやって海中で肉じゃがを作るのか」なんてことを考えてもキリがない。創作物の良いところは、都合の悪い設定を「所詮、アニメなので」と一蹴できる点にあると思っている。

ということで不問にしていたが、一応理にかなった説明がされたのは満足。

 

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2話より抜粋。見返してみると、黒板には「少子高齢化」の文字が。人口減少に歯止めをかけるため、海村が追放という重い処罰を設けている理由がうかがえる。

 

目を覚ました光がお礼を言ったとき、おじいさんは海村出身であることが判明。
紡くんは海村に関する知識をおじいさんから聞いたのだろう。そして先刻のひと悶着で「地上の人間と海の人間がひとつになるのは、並大抵なことじゃない」と発したのは、おそらく実体験によるものに違いない。
紡くんがエナを持たない地上の人間であることからも、おじいさんは地上の女性と結婚し、子孫を残したといったところか。

では、どうして紡くんはエナの特性である保水機能を知らなかったのだろう。おじいさんと一緒に暮らしていて、あれほど海村に詳しいのならば知っていても不思議ではない。むしろ知らないほうが不自然である。
人間の肌と同じで、年齢とともに水の吸収力が減退するとか?

 

翌朝。紡くんに一歩近づいた光。昨晩の葛藤を経て、心境に変化が生じた結果である。
あと、はじめてまなかが要と呼んでいるところを見た気がする。

というか、これ。
光→ひーくん
ちさき→ちーちゃん
要→要
・・・おかしくない?普通「かーくん」じゃね。なに苦手なの?

 

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紡くん以外の地上の人間は、このやりとりと奇怪な目で見ている。


教室に着き、ちさきと会話する光。

光「なんかうちの姉ちゃんみてぇ」
ち「ご、ごめん。また大人ぶった・・・よね?」
光「いつも悪いな、心配かけちまって。俺もちょっとは大人になるように、頑張るからさ」
ち「光・・・?」

ちさきが大人ぶっているのではなく、自分が子供であったと自認した光。
しかし「姉みたい」という発言から、光はちさきを1ミリも異性として見ていない様子がうかがえる。かなしいなぁ。


放課後、おじょし様制作のシーン。
ラーメンを生徒におごりたい先生が良い。気持ちがわからんでもないが。

そして紡くん発案の池が完成したらしい。

ここで紡くんの感情がようやくお目見え。友達関係の成立が目に見える演出はとても良い。光の感情も爆発。海と地上の溝が深いぶん感動もひとしお。
なにこのまぶしい青春。友達と水の掛け合いをしたい人生でした。

 


帰路。一人だけサヤマートに向かう光。背後から襲った犯人は、ガム文字の少女。

ちなみに少量のクロロホルムを染み込ませても人体への影響はほとんどないらしい。
名探偵コナンのように一瞬で気絶するのは致死量を染み込ませた場合なので、真実はひとつじゃありませんでしたね。

 

ラストのセリフ。
「あの、協力して。パパと女が別れるの、協力して」

 

光が殴り込みをかけた先日、男性が「あかりと結婚するつもりなのか?」という質問の答えにまごついたのは、そういう理由だったか。
にしても男の年齢が読めない。あかりは20歳くらいだと思っていたのだが、小学生の娘がいるということは同年代ではないだろう。青春群像劇で不倫問題が取り沙汰されることはないと思うが、だとすればバツイチか。

今のところあかりと男性の接点というか繋がりが見えないし、どちらかというとあかりが男性に惚れている描写が多いので、その背後関係については次話以降明らかになることを期待したい。
もしかしたら、あかりの母が早くに亡くなったように、男性の妻も早世したのかもしれない。そういう共通点を抱えている可能性は大いにあり得るだろう。

 

 

次回以降に向けての整理。

明らかに不自然な流れで登場したウミウシだが、今回のサブタイトル「海のいいつたえ」には十分合致しているし、まなかはおそらく持って帰ったので今後再登場する機会が設けられるだろう。
それ以前に、なぜヒトデとかハマグリなどではなくウミウシなのか。そして「お腹の赤いウミウシ」というのが何を暗示しているのか。
まなかのイメージカラーは赤なので(髪の色とか)、彼女自身赤いウミウシと親和性が高い可能性、もしくはウミウシの習性がまなかの役回りを示している、など。
いずれにしても今後物語の転換点、とまではいかなくとも重要な場面で登場することは間違いない。

 

  • 美海という名のガム文字ガールズの一人

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実はこの子今後かなり重要な立ち位置になるんじゃないかと踏んでいまして。というのも、本作品の女性キャラクターは全員名前が平仮名なのに、彼女だけ漢字。しかも地上の人間ながら美海というネームセンス。
次回以降、ひと癖もふた癖もある絡み方をするに違いない。年の割に妙に大人びているのも気になるし。

 

  • 橋脚の謎

一話からしばしば登場してきたが、本話でその登場回数を更新した橋脚。
以前の記事で、海と地上を繋ぐ役割を果たしていないという暗喩ではないかと推測こそすれ、本当のところが気になる。OP映像でも不自然なほど象徴的に描かれているので、その役割の重さは否が応でも気づくはずだ。話を追うごとに完成されていったりなんてするのでしょうか。

 


毎回恒例、残った謎は次の通り。

・ガム文字を残した少女2人組の正体
・うろこ様の正体
・1話ラスト付近のまなかの発言「おうたの練習」とは
・あかりのお相手の正体(あかりとの馴れ初め・妻の存在)

 

今回は第2話までの怒涛の展開の整理という側面が大きかったので、そこまで話は進まなかった。次回はどうなることやら。

 

 

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凪のあすから 第2話「ひやっこい薄膜」感想

アニメ初鑑賞。原作コミック未読。
素人がテキトーなことを書いているので、訂正や批判等あったらぜひにコメントお願いします。


前回までに残った謎は以下のとおり。

・御霊火とは
・ガム文字を残した少女2人組の正体
・うろこ様の正体
・ラスト付近のまなかの発言「おうたの練習」とは

↓前回の記事↓

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以下ネタバレあり。

 


冒頭、まなかの膝から魚がログアウト。正式には「ぎょめんそう」と言うらしい。
魚は「またね」と発して、少しだけ空いている窓から外に出てゆく。

窓が中途半端に開いている描写からは、まなかの内(海中)と外(地上)に対する立場が変化しつつある様子がうかがえる。

そんな曖昧な立ち位置のまなかだからこそ、真っ先に紡くんの言葉を思い出して意気消沈。
あれほど嫌がっていた「ぎょめんそう」は、いまや彼女にとって紡くんと自分を結ぶキーであったからだ。

その後馬鹿のひとつ覚えのように、うろこ様に煮物を投げつけて呪われそうと試みるも失敗。
うろこ様。煮物は食うが、食えない男である。

 

OP終了後、まなかと紡くんの会話に割って入る光。

「今のうちに言っておく。地上の奴らが海の村に関わるな」

純粋に受け取れば「まなかにちょっかいかけるな」と牽制する言い回しである。
が、それならば「地上の奴が海村の人間に関わるな」と言うほうが自然ではないだろうか。駆け引きを知らない光の性格であれば、なおのこと。

光はその後のまなかとの口論で「地上の奴らのせい」「連帯責任」と表現している。紡くんはなにひとつ悪いことをしてないと光も分かっているので、そう表現せざるを得なかったといったところか。
2話のサブタイトル「ひやっこい薄膜」は当初エナのことだと思っていたが、地上と海の確執についての含意が有力になってきた。


にしてもこの学校、青を基調にしているとは思っていたが火災報知器まで青いとは。
なにかの暗喩でなければ、御霊火しかりこの世界の火のイメージは青色ということかしら。

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まなかを慰めるちさきの言葉。
「光は怒っているわけじゃないから、まなかも怖がらないであげて。余計ムキになっちゃうから」
「そんなの、小っちゃいときからずっと見てきたもん。まなかのことも、光のことも」

 

そしてついにガム文字を残した少女2人組が登場。

威勢よく啖呵を切った少女は、言葉とは裏腹に体が震えている。
一方の、一見か弱そうに見える少女はずいぶんと肝が据わっているようだ。さては影の首謀者だな。

海村の4人でいるシーンでは、光とまなかは子供っぽい演出を施されることが多い。
しかし本当の子供が出てくると光は大人の対応。カチンと来そうなものだが、いたって冷静だった点は正直驚いた。

そして結局今回も2人組の正体は明かされなかったわけだが、ヒントは得たので所感や今後の予想は後述する。


ずいぶんと年季の入った防災無線の描写。
(千葉県のとある地方ではパンザマストと呼ばれているらしい)

 

その後場面は授業のシーンに移る。

セリフやモノローグに留まらず、黒板のようにこの世界の情報を提示してくれるのはありがたい。

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どうやら海村の名前は「汐鹿生村(シオシシオ)」というらしい。読みづらいし書きづらいから今後も「海村」と書き続けようかしら。


もうひとつの新出単語「おじょし様」はおふねひきで乗せる人形のことらしい。

先生の説明
「元々のおふねひきは生贄の女性を乗せて海の神様に捧げたのが始まりだけど、今は本物の女性の代わりにおじょし様と呼ばれる木彫りの人形を乗せるんだ」

 

今年は執り行われないらしいおふねひきの有志をクラス内で募るも、学級大反対。と思いきや立候補者が。

ここで手を挙げた順番が興味深い。
紡くん→まなか→光→ちさき→要


紡くんは漁師の家庭と言うだけあり、海村に造詣が深い。
「うろこ様」のことも「ぬくみ雪」のことも「御霊火」のことも知っているとは。いや待って、ぬくみ雪って私知らないんですが。

塩が雪みたいに降ってくる現象をそう呼ぶらしい。


シーン変わって帰路につく4人組。
偶然(光の姉である)あかりのキスシーンを目撃してしまう。それだけならば何の問題もないのだが、光が気に食わない点は、相手が地上の男だったこと。

それに追い打ちをかけるように、要から告げられた事実。
「地上の人間と結ばれたら、村から追放されちゃうんだ」

どうやら要とちさきは以前から知っていたらしい。
初耳の光とまなかは寝耳に水。


とはいえ光にとっては好都合な情報だったはずである。もし光が打算的な人間ならば、その話を聞いて即座に口元が緩むであろう。光はまなかに惚れているので、その彼女が憎からず思っている紡くんへのルートが絶たれるのであれば、思ってもみない幸運である。
しかしその事実に真っ先に反発する光という存在は、まっすぐな人間なんでしょうね。総括するならば、猪突猛進と言ったところか。


ま「や、やだ、エッチなこと言うひーくんは嫌いだよ!」
光「俺だって、エッチなこと言うまなかは嫌いだっての!」
ま「私、言ってないよ!」
光「言ってる! なんか最近、気持ち悪いんだよお前!」

ち「気持ちは分かるけど、あれじゃまなか可哀そうだよ」
光「分かるってなんだよ。なんだよお前、いっつも大人ぶってさ、何でも知ったふうで、お前に俺の何が分かるんだよ!」
要「今のはダメだね、八つ当たり。まなかについては、さすがにイラっと来るのは分かるけどさ」

またしても口論。というよりは衝突か。

ちさきは先刻まなかに対して「光の気持ちが分かる」と言っていたが、それを本人から否定されてしまう。
面白いのが、要も存外まなかに対して怒っていたこと。ちさきへの気持ちがある手前、4人の範疇から逸脱しようとするまなかを面白く思わないのは理解できる。

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ここで3人と仲たがいした光と心を隔てるように、全員ポールの向こう側から海に戻る演出が細かい。


廃校になった汐鹿生村立波路中学校にて語らう要とちさき。

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立て看には「6月末日をもって廃校」と記載されていたが、どうしてそんな中途半端な時期に廃校になったのかは謎。

 

ち「私は地上の人を嫌いとかってないけど、やっぱりずっと海にいたい。まなかと要と、光と一緒に」
要「この場所に居たいのは、そのほうが楽だからだよね。別の場所に少しでもあこがれを持ってしまえば、辛くなるから」

 

要さん。これ強烈にブーメラン刺さってないですか大丈夫ですか。

ブランコというメタファーは、悩みを抱えている人間が心の揺れ模様を表現する際によく用いられる手法である。
この場合はちさきが悩んでいたはずだったのだが、ちさきは停頓している。つまり彼女の心はいまだ波路中学校にあって、過去を引きずっているだけのこと。ちょうどぬくみ雪が積もったまま放置されているこの場所のように。
一方の要はなまじ適応能力が高い分、ちさきのいる波路中学校(これまでの自分)とそうじゃない場所(新しい自分)との間で葛藤がある。要するに、ちさきとの関係性の葛藤でしょう。

 


光のモノローグに関連して。

話が前後して申し訳ない限りだが、本話のサブタイトル「ひやっこい薄膜」について。

当初は安直に薄膜=エナと考えていたが、「ひやっこい」という表現が引っかかった。
光はモノローグで「エナみたいにあいつを守りたかった」と言っている。それに「ぬくみ雪」という単語からも海に関連するワードには温かさがこもっている。

つまり「薄膜」は心の隔たり。光と、まなか・ちさき・要。それから地上と海。と考えたほうが自然であろう。


場面は「おじょし様」制作に移る。
正直な話、2話にしてちさきのメンタル大丈夫かしらとかなり心配していた僕だったが、杞憂だったらしい。
ゴミ捨て場で自分の考えを整理している描写があるということはつまり、自分の思いや悩みをきちんと消化(≒焼却)できている証。


そこへ紡くんもログイン。このあとの発言は審議ですね。

紡「あの、目のまんまるい子」
ち「...まなかですか?」
紡「あの子の魚も、喜んでくれるといいけど」

今世紀最大の衝撃。
おじいさんに「あの汐鹿生の娘っ子はどうした?」と聞かれたとき、「元気だよ(ぎょめんそうの真似)」とまなかのイミテーションで返した紡くん。
「彼はボケに回ることもあるのか」なんて悠長に構えていた僕だったが、その実まなかとの会話で唯一憶えていたセリフを返答していただけであった。

そして今回の「あの、目のまんまるい子」発言。まなかの名前を憶えていないどころか、こいつマジで魚にしか興味がないらしい。マジか...紡くんマジか。
思い返せば「1話の風呂シーン(いかがわしくない)」で紡くんは「綺麗だ、あんたも」と言っていたが、それは「綺麗だ、あんた(のエナ)も」ということだった。マジか...紡くんマジか。

2話冒頭におけるまなかの回想シーンでは、エナについて語る紡くんの記憶は完全に抹消されているのがつらい。え、なにこの誰も報われない世界。

 

1話終了の段階で、まなかと紡くんがくっついて光の立ち位置がどう変化するか、みたいなストーリー展開をするのかと想像していたが、ここまで爽快にフラグを折られたらその展開はまずあり得ないでしょうねぇ。


などと考えていたら物語は急展開。呪ってほしいまなかとうろこ様のもとに、あかりと父親が登場。例のキスの相手との関係が露呈してしまったらしい。

海村の一人が「見た奴がいたんだよ」と発言している。見た奴とはもちろん光たち4人。
ではそれを告げ口したのは?と考えると、消去法で要になるわけだが、別の場面を別の誰かが目撃した可能性もあるのでそこは何とも。

仮に要がバラしたとして、その事実が光に伝わった瞬間におそらく友達関係は破綻である。2話の段階で胃に悪い展開が続いているので、そういう展開も今後はあるかもしれない。ないことを望む。

というわけで場面を追っての所感は以上。

 

次回に向けての整理だが、まずはガム文字2人組。

肝の据わった女の子(美海というらしい)が「あの女と知り合い?」と訊いていたように、彼女らはあかりに対して不満を持っているらしい。
そして今回の最後の一件。果たしてこれら2つがどう繋がるのかは謎だが、2話ラストの引きからして次回はおそらくあかりにフォーカスを当てた話になるはずなので、彼女らの登場も当然期待される。

 

次に要。

ブランコのシーンで葛藤していた彼であるが、その後そういう立ち位置になるのかはぜひとも気にしておきたいところである。
もし「別の場所に少しでもあこがれを持ってしまえば、辛くなるから」という考えを振り切って、ちさきと結ばれるための布石としてあかりの一件を密告したのであれば、なかなかに最低野郎である。そういうの僕は好きだけどね。


最後にあかり。

正直主人公のきょうだいがここまでフォーカスされるとは思っていなかった。すでにドロドロの4人に加え、あかりの禁じられた恋愛までもが取り上げられるとさすがにしんどい。
ところで、光以外の4人に兄弟姉妹はいるのだろうか。2話の段階で判明していないだけかもしれないが、ちさきなんて弟がいてもおかしくなさそう。そういう角度の話が今後あるのでしょうか。

 

残った謎

・御霊火とは→多分海の中で燃える特殊な火。もうネットで調べたほうが早い気がしてきた。
・ガム文字を残した少女2人組の正体
・うろこ様の正体
・1話ラスト付近のまなかの発言「おうたの練習」とは
・あかりのお相手は誰か

 

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