お金がほしい

お金がほしい

2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

学習塾の実態とススメ

さて、なんだか硬派なテイストのタイトルになってしまったが、今回は「ウチの子、最近成績落ちてきちゃったけど塾に通わせたほうがいいのかしら」なんていうマダムのために、僕が知る学習塾の実態とやらを曝していく所感である。
僕の蓄積された知識が、今夜すべて開放されます。


というのも、以前書いたがこれでも僕には学習塾での講師経験があるのだ。
それも、なんと驚くべきことに1年半も講師をやっていた。

これはマジで自分でもびっくり。


そう。
このブログを1記事でも読んだことのある人は、まず間違いなく「このブログの運営者はきっと生ゴミみたいな人間なんだろうな」と。
「この人だけは絶対自分の子供に会わせてはいけない人だわ」という危機感知センサーがビンビン働いているに違いないと、そんな僕がだよ?

かつて塾の講師をしていた経験があるというのだ。

どうだい、震え上がるだろ?


というわけでね、今回はそのあたりの採用基準についても少しばかり触れつつ進めていこうと思うのでよろしくお願いいたします。

もしこのブログの読者様の中に「ウチの息子が・・・」なんて方がいたら、ぜひとも御参考にどうぞ。

ま、どうせいねぇか。


では早速。

  • 塾のシステムについて

僕は個別学習塾に勤務していたため正直他の事業形態にはあまり詳しくないのだが、しかし内部だからこそ分かることもあるということでここは1つ大目に見ていただきたい。
それからもしこのブログの訪問者に塾の関係者がいても、マジでそっとしておいてくださいお願いします。

まず、塾には大きく分けて代ゼミ河合塾のような「集団塾」と明光義塾やITTOのような「個別学習塾」タイプがある。

他にもeラーニング形式とか映像授業とか色々あるが、だいたいは上の2つ。
集団授業か、あるいは個別授業か。


この2つ。
何が違うのかというと、まぁお金です。

集団塾は、たとえば講師1人が60分授業をおこなったとしてもその時間だけで生徒数30人近くがまかなえる。
しかし個別指導塾は、講師1人に対して生徒は1人ないし2人が限界。


つまり簡単に言うと、例えばこの両パターンにおいて講師が同じ給料を貰ったとき、集団塾ではいち家庭頭1/30の負担で済むけども、個別指導塾では1/2もの料金を負担しなければならない。

実際はもう少し、というかかなり複雑なシステムなのでもう少し値段の差は抑えられるが、しかしどうしても個別指導塾のほうが高くなるのが実情。


本当は他にも言いたいことがあるけど、ここは一旦終了。

 

  • 塾の質について

これは講師の採用条件・事情にも関わってくる話だが、やはりせっかく高いお金を払うならば実績のある塾に入れたいというのが当然。
月に5万円近く費やして成績が全く変わらないというのでは本当にシャレにならない。

でも正直、そんなのザラにあるんだけどね。


個別指導塾というのは少人数制なので、集団塾が1つの授業をする間に10個くらい追加で授業をしなくてはならない。
だから時間と労力がかかり、多くの個別指導塾は現在塾講師を募集している。(と思う)

ということでつまり、学生バイトが多いのが個別指導塾。

集団塾はたしかに効率的だが、だからこそ授業により密度の濃さが求められる。
集団塾の講師には、全ての範囲をカバーしつつも丁寧で分かりやすく、どんなレベルの生徒でも理解できる説明で授業することを心がけなければならない。

だから集団塾の講師のほうが給料は明らかにいい。
なので当然その分だけ講師の採用条件もかなり厳しいと聞く。本当かどうかは知らないけど。


しかし、だからといって個別指導塾の質が低いと言っているわけではない。

個別指導塾にだって優秀な講師は大勢いるし、有名大学の近くにある個別指導塾ならば、能力のある現役生がほぼマンツーマンで指導してくれるのだ。

家庭教師を雇って1日1万円とか払うより、能力的にも経済的にもこちらのほうが断然良いに決まっている。

 

  • 両者のいい点・悪い点

結局はここに帰結するのだろうが、やはりお互いに良い面と悪い面があるのは否めない。

何だかんだここが知りたいと思うので、箇条書きでまとめます。

 

集団塾
良い点

  1. 質の高い授業が受講可能
  2. 仲の良い友達と一緒に授業が受けられる
  3. 比較的安い
  4. 予備校のような大手だと特に進学に関してのカバーが厚い

やはり質がいいので、自発的に学習できる生徒が通ったら確実に知識量が増えて成長するでしょう。

悪い点

  1. なかなか質問できない
  2. 生徒の自主性に委ねられるため、事実上のサボタージュが可能
  3. 授業内容が決まっているため、本人のためにならない場合も
  4. 一度休むと致命的

日本人はなかなか大勢の前で質問できない民族なので、一度置いていかれると後が大変になります。
そこが自力または友達の手を借りてもカバーできない方には、あまりオススメはしません。

 

個別指導塾
良い点

  1. 講師が近くにいるためすぐに質問が可能
  2. 個別なので授業についていけなくなる心配が無い
  3. それぞれの生徒に合ったペースで授業の進行が可能
  4. 監視体制がしっかりされているのでサボり・居眠りは基本不可能

それぞれに合ったペースでできるので、深く着実に理解度が高まります。
また恥ずかしがり屋の方も、悩んでいたら近くの先生が察して声を掛けてくれることも多いです。

悪い点

  1. 講師との相性が合わない場合がある(合いすぎても緊張感が無くなりダメ)
  2. 比較的高い
  3. 講師レベルが低い場合がある
  4. 進度によっては学校の成績に反映されないケースも多い

先生との相性が合わなければどんなに説明を聞いてもダメですし、たとえ相性が合っても友達感覚に陥ってしまうと集中力もなくなります。
また生徒によっては学校の授業とは別の単元を扱うこともあるため、授業の遅れや成績の不振は避けられません。(当然テスト前には該当範囲をおさらいしますが)

 

  • で、結局どこにすればいいの?

これですよね、要するに。

でも、ここまで書いておいて敢えて言います。

 

ぜひ一度、体験授業を受けてみてください。


最近の学習塾はほぼ100%、無料で数回の体験授業をおこなってくれています。

その間に塾の雰囲気や先生の質、お子さんが帰ってきたときの感想だったりでその塾を見極めてください。


実際、塾の評判なんて当てになりません。
ある生徒にとっては本当に役立たずな塾だったけど、別の生徒にとっては神の救いのような塾というケースもあります。

だから実際に当人が受けてみないと分からないんです。

個別指導でも映像授業でも集団塾でも一度行ってみて、そこで自分に合った塾を見つけるという流れはとても大事。

もし体験授業後にしつこく入校の勧誘が続くようなら「別の塾に入れました」とかテキトーに嘘を言っておけば消えてくれますので、ぜひ一度体験授業を・・・ってなに宣伝してんだよ、おい。

 

それからもう1つ。

「友達が行ってるから」というのは意外と重要だったりします。
友達が行っているならば子供は勝手に闘争心を燃やして勉強してくれますし、分からないところを教え合える人がいるというのはとても重要なことです。

それから親御さん。
「塾行ってきまーす」と言って近くのゲーセンに駆け込む学生も多いんですよ。息子さん娘さん、大丈夫ですか?GPS付けますか?

時間になっても生徒が来ないから塾が家に電話すると、「ウチの○○ならさっき家を出ましたけど・・・」というパターンがほぼ毎日。

しかし同じ塾に友達がいれば「アイツさっき△△にいたよー」という目撃情報が入るため、お互いが監視役となって塾をサボりにくくなるんです。それに、話し相手がいる塾なら「行きたくなーい」という気持ちもある程度軽減されます。


なので個人的には「友達が行っているから」も塾選びの基準に入れてもいいのではないかと。
もちろんその塾が個人に合う・合わないは気にすべきですが。

 

 

それから最後。これだけ言わせてもらいますが、

塾に入っても70%の生徒は成績が伸びません。

親御さんの中には「塾に入れたんだから成績が上がって当然」とお考えの方も多いと思います。
そりゃお金払って成績が下がるというのはいただけないでしょうが、しかしこれが実情。


例えば、僕の勤務していた塾には中学3年生になって4-10=-6という引き算ができない生徒がいました。

その生徒には特別カリキュラムを組み、中学1年生から、そして場合によっては小学生の単元からやり直しです。
なぜなら、そんな生徒が文字式も平方根も2次関数も比例・反比例も分かるはずがないのだから。

それに、たとえ能力のある生徒でも授業中に居眠りをしていたり、次回までの宿題をやってこなければ「塾に行っていない」ことと同義です。
それはもちろん指導する立場の講師にも責任がありますが、しかしこればっかりはどうしようもできない部分も多いんです。


なので「塾に通わせようかな」とお思いの親御さん、まずは自分のお子さんが総合的に「塾に行く必要があるか」「塾に行かせる意味があるか」を今一度見極めることもまず大事です。

 


というわけで以上になります。
もし質問があればコメント欄にどうぞ。