お金がほしい

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2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

個人的に好きな歌詞5選

そういえばむかし、ブログをやっている知り合いが「ブログは処方箋である」的なことをのたまっておられた。
文章を書く行為とは、脳内にある知識や見解を理路整然と書き並べることである。そういったプロセスによって、自分を殺さずにいられるのだと話していた。

ブログは生きがいであり、証であり、万覚え帳である。
であるならば、今の自分が好きなことを書いておくのがよい。数年後に見返して頬を紅潮させるくらいが程よいのかもしれない。


とここで、随分前にこんな報せを目にしたことを思い出した。

staff.hatenablog.com

要するに、「ブログに歌詞書きまくっておくれ」というはてなブログからの啓示である。

従来は、やれ著作権だ、画像の無断転用は肖像権の侵害だ、いやいやパブリシティ権の侵害だ、なんて処々方々からクレームが飛んでくる恐れがあったわけだが、少なくとも歌詞を当ブログに載せたところでお咎めはない。
そんな素敵な案内であった。

僕は基本的に音楽の歌詞になんて目をくれぬ人間であるが、そんな僕が震えた歌詞のフレーズをここに留めておくこととする。
キリがいいので(たくさん書きたくないというのが本音)5つだけ。

 

ひとつめ。

私 本当は目撃したんです 昨日電車の駅 階段で
ころがり落ちた子供と つきとばした女のうす笑い
私 驚いてしまって 助けもせず叫びもしなかった
ただ恐くて逃げました 私の敵は 私です

 

この曲は面白い。
イントロではバスドラムとスネアだけの音がひたすら続き、まるでデモテープであるかのよう。
30秒近く経過してようやく蚊の鳴くような声で入る歌声は、裁判所で己が罪を独白するかのごとく淡々としていて、しかし物憂げである。

上に記した歌詞の恐ろしいところは、きっとこの曲を聴いた100人のうち100人が同じような風景を想起するだろう点。そしてなんだか無性に泣きたくなって、なにかに懺悔したくなる。
本人はインタビューで「音楽家よりも詩人の谷川俊太郎さんや脚本家の倉本聰さんが同業者だと感じる」と語っているが、こういったワンフレーズをとってもその才能の一端が垣間見えて面白い。
こんど彼女のツアーに足を運ぶので、時間があればレビュー記事を書きます。


ふたつめ。

バスの揺れ方で人生の意味が 解かった日曜日

草野マサムネさんは、いい加減世間も気づいているだろうが生粋の変態である。
知りもしないうちから「スピッツって優しい歌が多いよね」などと仰る御仁は、兎に角アルバム「ハヤブサ」を通しで聴いてみておくれ。

さて、本題に戻るがこの曲。
サビはけっこう有名なので、曲名とメロディが一致しない人も一聴すれば「あぁ、この曲か」となるかもしれない。というか、スピッツの場合この「あぁ、この曲か」が頻発すると思う。そのくらい日本人の五臓六腑に染み付いているはずだ。

そんなメロディーメイカーの草野さんは、変態的に天才的な歌詞を書くことでも知られている。
とはいえ、上の歌詞を見てもらえれば分かるように、常人が理解するにはあと500年ほど生きねばならない。

スピッツの歌詞は、意味不明なものが非常に多い。よく思い出してくれ。カラオケで何気なく歌っている『ロビンソン』の歌詞も分からんし、そもそも曲名からして意味分からん。
人間が死に対して恐怖を抱くのは、それが未知のものであるからだ。そしてスピッツの歌詞も未知のものである。だから怖い。

ただ面白いのは、常人でもごく稀に歌詞の意味が分かることがあるという点だ。
基本的に意味不明のまま、スピッツの歌詞は無数の点として脳内の記憶に存在している。しかしふとした瞬間、そうした点と点が一本の線になることがある。

そしてまるで悟りを開いたかのように「あぁ、この歌詞はそういうことだったのか」と、気持ち悪いくらいストンと腑に落ちて昇天。
意識が戻ったときには理解したはずの歌詞の意味をきれいさっぱり忘れている。アハ体験というよりは怪奇現象である。この現象に名前をつけてやるという方募集しています。

先日、ストロング缶を3本開けたときに上の歌詞についてふと閃いたのですが、案の定忘れてしまいました。


みっつめ

座る電車の座席の前に
手すりにもたるる老婆がひとり
ああ 恐ろしき世間の前に
俺は座席を立つものよ

他人に貸せないアルバムランキングで堂々の1位にランキングしているエレファントカシマシのアルバム『生活』から1曲。
最近の「ドーンと行け」「旅に出ようぜ」「なんでもいい」あたりのゴリ推しもいいが、火鉢をあいだにひたすら書物を漁っていた20代宮本の鬱屈した自我を表出させていた初期の衝動もまた至高。

ここまで著名なミュージシャンの比較的有名な曲をセレクトしてきたのに、一気にマニア度合いが増して申し訳ない。

同曲では、しょっぱなから「うらやましきはカラス共に 我が肉食えやと言いたる詩人よ」と嘆いているが、世間と自分との間に大きく開いた溝に対するコンプレックスとフラストレーションがすさまじい。
なにせ、彼はとっても怒っているのである。


よっつめ

  • チューリップ『夕陽を追いかけて』
都会に海が見えないから
他人は僕を笑いものにする
都会の星はとても遠いから
他人は僕を夢見る馬鹿と言う

歌詞だけを変えながら、同じメロディーをなぞるように進行していくのになんとドラマチックな曲だろうか。
こういう構造の曲は、邦楽ならTHE 虎舞竜の「ロード」、洋楽ならばEaglesの「The Last Resort」のように歌詞に比重を置いている場合によく用いられる。

ここで歌われているのは、田舎から都会に出た男の、なんともちっぽけで惨めに思われるかもしれない性である。

上の箇所は、地元に帰省した男の

でも海はまだ生きていた
いつも勇気をくれた海だった
空の星は昔のまま
指先に触れるほど近くに

という部分と対比構造になっており、田舎モンにとっては永遠のテーマソングなのかもしれない。
近年の明るい曲は、「明日を迎えに行こう」が主流ですね。


いつつめ。

  • 新沢としひこ『みちくさ』
他人の服はきれいに見える
自信を持っているように見える
あせらない あせらない 君の歩く 道は
石ころだらけで すてきじゃないか

最後に童謡。どういうことだよ。
いや、色々と迷った結果こうなりました。

新沢としひこといえば「世界中のこどもたちが」「ともだちになるために」といった、誰もが知っている童謡の作詞者として有名である。
この曲をどういった経緯で知ったのかはもう忘れてしまったけれど、歌詞がスッと染み入るような感覚があってとても好き。

俗諺に十人十色という言葉がある。金子みすゞは「みんなちがってみんないい」と言った。
これらは実は、僕の苦手な言葉である。こういう言葉を教育に持ち出すと、きまってあぶれ者が出る。平等という言葉は、差別を表出化させる。

だから周囲に問うのではなく、自分に問うべきだ。
そこに自己肯定感があれば、それでいい。そういった当たり前のことを教えてくれる歌詞だと思い、セレクトした。


というわけで、以上。
実はまだまだあるので第2弾があるかもしれないが、まぁそれは追々。

こうして自分の琴線に響く歌詞を並べてみると、僕という人間がコンプレックスの塊であるということがよく分かる。
就職活動の自己分析じゃあないが、新たな自分の一面に気づくことができるかもしれないので、皆さんもぜひおためしあれ。

L'Arc-en-Ciel 2020年1月19日(日) セトリと感想(※ネタバレあり)

※ARENA TOUR MMXXのセットリストを含むネタバレあり。

 


なお、テキトーなことばかり言っていますが備忘録メインなのでお気になさらず。

 

 

 

 

1.Honey

大阪公演同様、会場の中央に円形のステージ。360度どこからでも見渡せる設計。
hydeは最も高さのある円の中心に立ち、ギターを弾きながらの歌唱。
前日の公演ではかなり声が辛そうだったとのことだったので心配していたが、サビはやはりキツそう。とはいえ裏声はさすがの綺麗さ。

前の席のおばちゃんたちが「可哀想だよねぇ」と会話している。

 

2.Round and Round

ステージが回る設計だからこの曲なのか?
まさかの22年ぶりらしい。
声にザラつきがあるので、高い声が自然とデスボイス化していて、これはこれでアリだなぁとか思い始める(重症)。
とはいえ本当に声がキツそう。けれども無理やり絞り出しているという感じではないので、喉に負担がかかっている印象はあまり無い。さすがプロ。

 

3.Lies and Truth

このくらいの音域であればさすがの美声。
声のトーンを落として丁寧に確実に歌っている印象。
楽器隊は安定感抜群で、なにより嬉しいのはyukihiroのドラミングを背後から観察できること。これまでなんとなく「すげぇな」としか思っていなかったが、手数の多さに圧倒される。

 

MC

hyde「これはなかなか見られませんよ。七福神みたいな感じですからね」「センターステージだからみんな近い!顔が分かる!気をつけろよ全員見えてるからな!」

 

4.Pretty Girl

ラルカジノでは全員頭のネジが外れてブチ上がっていた曲だが、この日は会場がhydeを心配しているのがひしひしと伝わってきた。
ペンライトで盛り上げつつ、しかし全員が固唾を呑んでステージに注目している。
こういうのを会場全体でライブを作るとでも言うのでしょうか。

サビは歌ったり歌わなかったり。歌うときは力技だが高いキーまで出ている。

 

5.Vivid Colors

2番あたりから歌い方を掴んだのか、1番のサビはボロボロだったのにその後はほぼ完璧。

今回の会場の良いところはメンバーとファンの物理的距離が近いことなので、たとえhydeの声が万全でなくても十二分に楽しめる。

 

6.LOVE FLIES

まさかこの曲が聴けるとは。
たぶんイントロで「え?」って3回くらい言ってた。周りの方すみません。
「この曲聴けたらチケ代の元取れるリスト」の個人的上位曲なので、我は満足です。

とはいえ、サビは口パクでしたね。
CD音源だと思うが、ほぼ20年前と今とどちらも遜色なく聴けるのは努力の賜物なので、別段この措置について責めるつもりはない。


7.瞳の住人

イントロで会場拍手と喝采とどよめき。
誰もが「歌ってくれるの!? てか歌えるの!? 無理しなくていいよ!」と感じていたのではないでしょうか(適当)。

サビの高音部分を少し変えたり裏声を使ったりしながら歌いきってくれた。
1番と2番の間奏でお客さんに見えないようにしゃがんで水を飲んでいたhydeさん、生歌かつ原キーで頑張ってくれてありがとう。

 

8.XXX

いつもどおりの、ながーいイントロ。

この曲は不思議なことに何回聴いても飽きない。
サビは口パクだったが、雰囲気を楽しむ曲なので個人的には何の問題もないです。

この曲あたりでhydeがドレッドヘアーじゃないことに気づく。遅えよ。

 

9.DRINK IT DOWN

シンセの音で会場「おぉ~!」まぁそうだよね。
たぶん「この曲やってくれるのか!」という気持ちが50%と「この曲歌えるのか!?」という気持ちがもう半分だったのでは。

この曲のサビも前曲と同様の措置。
かっこいいので全然いいんですけどね、はい。

 

10.Shout at the Devil

間奏で「愛知ー!」とシャウト。「名古屋ー!」じゃないんだな、としみじみ。
よく外タレは埼玉とか神奈川でもおかまいなしに「トーキョー!」と叫ぶので、地名を言うことに対して敏感になっているだけなのかな。

そしてユッキーのドラムソロ。
シンバル何枚あるんじゃ。あとツーバスでした。じゃなかったら多分足が4本ある。

 

11.REVELATION

センターステージが閉じ、「デンデンッ」の最中4つの花道にメンバーが現れる。
yukihiroでさえもギターを持って花道に現れる貴重なシーン。彼の花道近くにいた人はおそらくそのレア度に全員卒倒していることでしょう。
hydeはマジでずっとデスボイスだった気がする。

 

12.SEVENTH HEAVEN

文字起こししづらいイントロ選手権で優勝できる同曲の、その如何にも筆舌に尽くしがたい音と同時にMCが開始。
「俺たちね、さっきからこうやってぐるぐる回っているわけだけど、今度は君たちに回ってもらおうかな」「愛知の実力見せてくれよ!」ということで、観客が一丸となりジャンプしてウェーブをつくる。

そして2回目。
「もう1周できたら、次の曲いきます。もしできなかったら、帰ります」
hydeの「難しかった?難しかったでちゅか?大丈夫でちゅか?」に多分会場の女性は萌え死んだと思う。いったいどれだけ死人を出せば気が済むんだ!

無事に成功したのでやってくれましたよ。
これまでに何回も聴いたこの曲だけど、やっぱりかっこいい。

英語の歌詞がスクリーンに映し出された。
ラストの部分は裏声。

 

MC
今度はKenによるMCが開始。
会場の小学生に向かって「靴擦れできた?ダメよ、俺は靴擦れできるヤツが一番嫌いなんだよ」
そこから靴トーク。登山靴を買うときは店頭に小さな坂があって、試し履きと同時に歩き心地も試すことができるらしいが「何も分からないですね」
「靴擦れくらい我慢せえや!姉が靴擦れできて、バンドエイド貼るだ貼らないだ、買うだなんだ、そしたらトイレ行きたいだなんだ、で靴擦れできるやつなんか大嫌いと思ってたんですけど、僕がなりました」

「かかとが靴擦れになるのは分かるんですけど、くるぶしがなって」

ということでカメラが映してくれたがけっこうひどい。靴擦れというよりは純粋に擦りむいた感じ。我々は何を聞かされ見させられているのか。。。

「(ken)まだ喋っていいの?」「(hyde)あと30分くらい」

続いて会場にいる小学生の話題。
大分(!)やら岐阜から来た小学生に「どうやって来たの?」「何の電車が好き?」等のほんわかトーク

「新幹線より速い車を走らせたいと思います、今から」

 

13.Driver's High

この曲はかなりhydeも声が出ていた。
再三になるが、「ギターってこんなことやってたのか」「ユッキー相変わらずすげぇな」とか、そういう発見が多いのが今回のライブの良いところ。

 

14.STAY AWAY

TETSUYAのベースソロからスタート。
ベースってこんな音出るのレベルで歪んでいた。超絶かっこいい。
ベースうまくて歌うまくて曲も作れて顔も良いのにフロントマンじゃないラルクってバンドやばいな。
ってあれ、曲の感想書いてねぇや。

 

Are you fuckin' ready!?←完璧

15.READY STEADY GO

銀テ噴射!! 取れない!! ちくしょう!!
hydeはほとんど不調と分からないくらいちゃんと歌ってくれた。
定番だが、やっぱり良い曲は良い。

 

アンコール

(B・Cブロックの人しかちゃんとアンコールしてなかった気が。。。)

 

16.ガラス玉

kenのギターソロからスタート。ステージはライトを使って幻想的な空間を演出していた。
静謐な始まりと対をなすような、一気に突き抜けるサビがかっこいい。
これぞラルクの真骨頂!をこれでもかと見せつけられたかのような感覚。

 

MC
公序良俗に反するのでここのMCを取り上げるのはやめておこうかしら・・・と思うくらい終始卑猥なマシンガントーク。やめてあなた!子供が見てるわ!
会場が常滑ということで「常になめる→床をなめる→とこなめ上手」コンボが繋がった!

kenはこのトーク以降常滑市を「なめし」と呼ぶように。
会場の愛知県国際会議展示場は昨年できたばかりで、人工島にある。

 

「(hyde)ここは埋立地ですよ」
「(ken)そうなの?なめし大きなったの最近?」
「(hyde)おっきくなっちゃった」
「(ken)とこなめししたら大きくなっちゃった」

 

(当ブログはガイドライン規約を遵守した極めて健全で有益なサイトです。)

 

kenはトータル6年近く愛知に住んでいたらしい(大学は10年)。
ラルク中に仕事を休んで大学の卒業式に行ったそうで、スタッフがお面を被ってkenの代理を務めていたそう。
(その他にもkenが大学に通っていたとき、スタッフがお面を被ってバラエティ番組に出演していたそう(本当かよ))。

 

「(tetsuya)お面被ってたよね、kenちゃんの」
「(ken)全然話題にならんかったよね。スタッフがいきなりお面被って出ても問題ないという」
「(hyde)それはどういう・・・」
「(tetsuya)ラジコンをみんなでしに行くっていう」
「(ken)それ仕事なの?」

 

「(ken)最初住んだところが大学から(歩いて)20分くらいのところで、遠いから行かなくなって」
なぜか自転車でも20分かかるらしい。どゆこと。
「(ken)それから大学にちゃんと通うため、徒歩15分のところに引っ越した。それでも行かなかった」
「(hyde)根本的な問題やろな」
「(ken)大学の敷地にめり込んでいるところがあったんですよ、そこ住んだら通いましたね。チャイム鳴ってから行っても間に合うんですよ」

 

「(tetsuyaは)小さいときから(kenが特殊だと)見抜いていたみたいで、真面目に就職しようとしたら無理そうな目で俺を見るんですよ」

 

「(ken)ステージでうんこができるくらいの気分でやらなきゃなと思ってやってますよ」
「(hyde)そんな気分でやってたの!?」

 

「(hyde)(ユッキーに向かって)久しぶりの名古屋どうですか?・・・今日は何食べたんですか?」
「(yukihiro)(5秒ほど考えて)・・・果物」
「(hyde)お言葉いただきました!紙に書いてお守りに入れておくように」

 

17.TIME SLIP

聴きたい曲だったので発狂。
hydeはこの日の歌い方を覚えたようで、ある程度で抑えながらも高音がしっかり出ている。
一緒に来た友達とも語らったのだが、SMILEはボツ曲を集めたアルバムらしいのに名曲が本当に多い。

 

18.風にきえないで

ギターリフで会場に「おぉ~!」が響く。
こんな名曲が22年ぶりだと言うから驚き。アンコールはファン投票からセレクトしたそうだが、さすがだぜ。
客席には巨大なバルーンが登場し、それが弾けると中から小さな風船が大量に現れるからくり付き。

 

19.I'm so happy

聴きなれすぎたドラムからスタート。
TETSUYAのベースがよく聞こえる。
「I love you」の連呼でhyde絶唱。たまらん。
CDどおり無音になる曲の終盤、誰一人として声を出さず手を叩かず、固唾を呑んでステージを見つめる客席の一体感たるや。すげぇな。

「たった今君たちに映る俺はとても苦しそうに見えるかもしれない」←けだしそのとおり。

 

最後のMC
「(hyde)皆さんに助けられております」
「名古屋は一途な人が多い気がしています。ずっと好きでいてくれる」

決して喉の調子が悪いとか、この会場が乾燥しているとか、そういったことは口にしなかった。

「(ラルクの)28歳最後のライブでしたね」
「ALL YEAR AROUND FALLING IN LOVEを愛を込めて歌います。よろしくお願いします」

 

20.ALL YEAR AROUND FALLING IN LOVE

アルバム「REAL」から4曲目。
ライブが始まる前、友達と「無人島にラルクのCDを1枚持っていくとしたらどれにする?」という益体のない会話をしていたのだが、お互い一番に「REAL」が挙がったのは、こういうことなんでしょうね。「最高のフィナーレを」を体現しているようだった。

 

 

終わったあと、hydeが客席に向かって「ありがとう」「ごめんね」と言っていたそうですね。

マイク越しに「次はもっとかっこいいもん見せてやるからよ!」とhydeさん。惚れてしまいそうだ。

 


◎総括
良かった点
・素晴らしいセトリ
・演出過多でない、自然体のラルクが見られた
・演者と客の距離が近かった
・MCが相変わらずだった
・ステージを様々な角度から見られた

悪かった点
・会場が乾燥しすぎて、常に小麦粉を吸っている感覚だった(そりゃhydeの喉も調子悪くなるわ)
・スクリーンの映像が若干遅れていた
・席がかなり狭くて窮屈だった

魔法の音源抽出ツール「spleeter」を使ってみた感想

※感想はわりと下のほうに書いてありますので、能書きは要らぬという方は華麗にぶっ飛ばしてあげてください。

 

人というのは面白い生き物で、テスト前になると数ヶ月ぶりに部屋の掃除を始めたり、極度に緊張すると笑いのツボが浅くなったりと、容易に理屈では語れない側面が多々ある。
僕という人間も多聞に漏れず、忙しいと分かっていながらも趣味に生きることをやめられない。むしろ忙しいときだからこそ趣味に没頭してしまう。そんな病気。

まぁ、現実逃避というひとことで片付いてしまうけど。


ちなみに最近の趣味はアーティスト音源の編集で、これまではAudacityなんかをちまちまイジって楽しむ程度だったのだが、ふとしたきっかけから「歌声りっぷ」なる最強のツールを見つけてしまったため、今はボーカル抽出に絶賛どハマり中。


「歌声りっぷ」という無料のツールは、簡単に言うとCDの歌の部分だけを抽出するためのもの。

(↓これはマルチトラックなので厳密には違うのだが、)うまくいくとこんな感じの音源を聴くことが可能。

www.youtube.com

もし手元に通常のCD音源(歌+演奏)とカラオケ音源(演奏のみ)があるならば、ぜひこのツールをダウンロードしてみてほしい。
小一時間は楽しめること間違いなし。

しかもやることは超絶シンプル。
通常音源とカラオケ音源をwav形式に変換し、それらを歌声りっぷにぶち込んであげるだけでよいのだ。


専門的な知識がないためヘタなことは言えないが、歌声りっぷは2つの音源を解析し、カラオケ側の曲の位相を反転させる。
ちょっとだけ分かりやすく言うと、もともと5だったものを反転させ-5にする、みたいなイメージ。

すると双方の楽器の音だけが打ち消しあう(5+(-5)=0)ため、歌のみ綺麗に残るというわけだ。


とはいえこれはあくまで理論上の話であって、現実はそううまくいかない。
普通に考えれば、シングルのCDにはシングル曲とそのインスト曲が入っていることが多いため「この2曲があれば完璧!」と思うはずだ。

しかし歌アリと歌ナシでビミョーにミックスが異なっていり開始時間がずれていたりするため、歌だけを綺麗に抜き出すことができるかはやってみないとわからない。

それでも歌声りっぷはデフォルト設定でさえかなり高い精度で抽出可能なので、その上でさらに設定をいじれば満足のいく結果が得られることと思う。Audacityで試行錯誤していたときとは雲泥の差。
もちろんどうしてもうまくいかない場合もあるので、それはそれでしゃーない。他の音源で試しましょう。

www.vector.co.jp

 

 ここから本題です。長えよ。

さて。ようやく「spleeter」のお話。

まぁ上の件を読んでいただければ分かるとおり、歌声抽出にはまっている僕が、「歌やギター、ドラムなどの楽器を分離可能な無料ツールが登場」という文言に食いつかないわけがなかった。


というわけで早速トライ。

インストール手順や使い方に関しては、基本的にこのwebページが大変細やかに説明してくれているので従っていけばよいのだが。

gigazine.net

一点だけ。このツールはGitHubで公開されているため、PC上で「git」というコマンドが使えることが前提となって話が進んでいる。

僕のPCがポンコツだっただけかもしれないが、spleeterを使用するためには「Conda」ってやつのほかに「Git」をインストールする必要があるらしい。
インストール完了後にうきうきしてコマンド入力してもエラーしか吐き出さないため「困ったなぁ」と思い調べてみるとどうやら「git」というコマンドが非対応だったらしく。

Macはどうやら最初から付属しているらしいので、spleeterを使いたいと考えているWindowsOSの方はこちらからどうぞ。

gitforwindows.org

これをインストールした後は、上のサイトどおりに進んでうまくいきました。

 

  • 個別抽出の感想

いや。なんというか、現代の技術の限界を見たかなと。
たしかに定位のセンターをごっそり抜くみたいな安直さじゃなく、歌とドラムが分離できていたりベースラインが聞き取れたりという面白さはあった。

が、いかんせんノイズがひどい。
特に歌だけを抽出したものは雑音が多く、予想はしていたがヘッドホンで聞いても「うわぁ、耳元で歌ってるみたい!」という感動はなかった。

楽器をやっているひとが譜面に起こしたり研究したり、という使い方が現実的だと思う。

個人的にはPhonicMindという有料のサービスのほうがまだまともに機能するかな?と感じる。

phonicmind.comまぁこういうのは手軽かつ無料でできるから趣味として価値があって、お金を出すほどじゃないという方が大半だとは思うが。


とはいえ、曲によっては歌がくっきり浮かび上がるものもあった。
それは、楽器数が少ないものor昔の曲である。

(アルゴリズムを知らないのでテキトーなことは言えないが、)楽器数が少なければ混ざっている音も少ないし、昔の曲であれば歌声にオートチューンがかかっていることもないので、そのぶんうまく抽出できるのではないだろうか。

というわけで、まだ試してはないがビートルズとかツェッペリンとかの曲だとうまくいきそう。上の仮定が合っているとするならば、リマスター音源は使わないほうが良いのかな?

実際、デモ用に付属していた音数少なめの音源を最初にマルチトラック化したときは、それなりの感動も覚えたものである。

 

だが上にあげたような大御所バンドはマスターテープのマルチトラックが単体で入手できちゃったりするので、そもそもやる意味があるのかという問題はある。QueenなんてYouTubeで検索したらマルチトラックだらけ。ジョンディーコンすげぇんだなってよく分かる。

 

が、数打てば綺麗に抽出できるものもあると思うので、皆さんも時間があればぜひ挑戦してみてください。もしよければ感動的な分離がおこなえた音源があったら教えてくれると嬉しいです。