お金がほしい

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2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

人生初の胃カメラ体験記

今日は初めて内視鏡検査をおこなったのでそのことについて書いてみようかと思う。

と、その前にそもそもどうしてこの僕が胃カメラをすることになったのかという経緯についてだが、単純に胃腸の調子が悪かったためである。

僕は小学校高学年あたりから今に至るまでずっと腹痛と下痢を繰り返してきた。
学校では授業中に恥を忍んでトイレに立ったり、駅では乗り継ぎの兼ね合いもある中最優先でトイレを探したり。

そんな生活にはさすがにもううんざりだった。

そもそも腹痛なんて別に好きでもなんでもないし。

なのに3日に1回は必ず訪れる腹痛の波。
お前は律儀な通い妻かよ!と思わず言いたくなる。

いや待てよ?
もしかしたら僕の腹の中には傾国の美女が住み着いていて、僕にかまってほしいがため嫌がらせをしているのかもしれない。

それなら色々と合点がいく。
試験の途中で腹痛を起こしたのも「試験に受かったら忙しくなって私にかまう時間が減っちゃう」ということを危惧しての行動かもしれないし、祭りの途中で強烈な便意に襲われたのももしかしたらお腹の中の美女が踊っていただけなのかもしれない。

えっ、うそ何この感情。
こんなの全部許しちゃうよね。

 


という妄想は脳内で留めておくとして、とにかく日常生活に支障をきたす恐れのある腹痛を何とかして治すべく、治療の手始めにと胃カメラを入れることにしたのだ。

ついでに言うと以前に僕は胃炎を1回、胃腸炎を3回経験しているため体質として胃が弱いのかもしれないという危惧もあった。


とまぁそんなこんなで迎えた今朝。
病院に着くと早速看護師が「胃の中の泡を消すお薬を飲んでくださいねー」と言って僕に小さな紙コップを手渡した。

中に入っていたのは謎の白濁液
小麦粉を水で溶かしただけのような、匂いも味もしない液体だった。

味は無いので不味いことはなかったが、決して美味しいわけでもない。
だがこればかりは飲まないと仕方ない。

そう思って僕は一気にその液体を飲み干した。


それから間もなく、今度は看護師がなにやら注射器のようなものを持ってやって来た。

それを見た瞬間「え、なにそれどこかにブッ射すのか?」と心配になったが、単なる噴射式の液体だった模様。
どうやら鼻の粘膜を広げる薬だったらしい。・・・粘膜を広げる。ちょっとエロい。

 


そして数分後、今度は治療室の隣の部屋に呼ばれた。

荷物を置いて椅子に腰掛けると、看護師がまたもや注射器のようなものを片手に持ってやって来た。再び戦慄が走る。

「じゃあ鼻の中を麻酔しますからねー。ちょ~っとしみるけど垂れてきたらゴックンしてくださいねー」

いつも気になるのだが、看護師はどうして患者に赤ちゃん言葉を使うのだろうか。
いや、冷たくあしらわれたいとかそういう特殊性癖の話じゃなくて、僕は別に病人でも子供でも老人でもないのにこの言葉遣いはおかしい。

ばかやろう興奮しちゃうだろ。


そうして麻酔を流した後、今度は胃カメラの管と同じ太さがある棒状の何かを鼻の中に突っ込まれた。
胃カメラを通すにあたって予め鼻腔を広げておく効果があるらしいのだが、なんとその棒を突っ込まれたまま5分くらいまさかの放置プレー。

その上「失敗を無くすため唾を飲み込まないように」という注意書きを遵守して、手渡されたティッシュペーパーで唾液腺から分泌される唾液をふき取った。


1人椅子に座って片鼻からプラスチックの棒を突っ込まれ、ただひたすらに唾液をティッシュに移す男性の姿がそこにはあった。


そして数分後、ようやく治療室に呼ばれた僕はその棒をブッ刺したままベッドに横たわる。
横向けに寝た僕の下半身には、姿は見えないが看護師さんがシーツのようなものを掛けてくれた。


ここでようやっと本番。
年上のお姉さん数名に見守られながら、宮川大輔に似たお医者さんが鼻の棒をスパーンと抜いて胃カメラを挿入。

正直に言うとちょっとだけ痛かった。
麻酔が効いているとはいえ、普段鼻毛と鼻くそくらいしか存在しない空間に突如としてカメラという文明の利器が入れられたのだ。そりゃ多少の抵抗感はある。

ただ痛みというよりは違和感と言ったほうが正しいくらいの感覚で、僕は胃カメラが僕の体内を進んでいく様子を目の前に用意されたテレビ画面で見ていた。


その間お医者さんはこちらの気を紛らわせるためか「お腹の調子はどうですか?」とか「お薬は効いていますか?」とか質問してきたが、こっちからすれば「なぜ今それを訊くんだよ!」という思いでいっぱい。
痛くはないが布団に接地した目から涙が止まらない。

おまけに鼻から胃にかけてそれなりの強度を誇る管が入っているのだ。

「も、もうちょっと待ってもらっていいですか?」

本当はそう言いたかったが、どうせ言葉を発するなら一緒だと思い直しちゃんと質問に答えた。

だがその質問に答えている間だけはちょっとだけ意識を逸らすことができたので感謝もしている。


そしてなんとか胃カメラは胃に到着。
お医者さんは胃カメラを自在に動かしインスタ好きの女子校生並みに胃の中を写真に収めると、数分後には「はーいじゃあ終わりでーす」の声が。

入れるときはめちゃくちゃ時間をかけたのに、抜くときは3秒もかからなかった。


そして看護師さんに支えられて起き上がった僕は誘導されるままに口を濯ぎうがいをし、再び治療室に戻った。

僕も映像で見ていたが、お医者さんが言うに胃の中はめちゃくちゃ綺麗だった。
あの、よく小学校のとき貰っていたクリアファイルの「健康な人の肺」ってやつと同じ色。

血液検査も特に問題はなかったらしく、胃に異常はなかったらしい。

ということで僕は過敏性腸症候群だという可能性が90%を超えたような気がするが、とにかく胃に異常がないと知れてよかった。


そして胃カメラを入れている間、誰かは分からなかったが甲斐甲斐しく僕の背中をさすってくれた看護師の方々も超ポイント高い。

というわけで、
もし胃腸の具合が悪いと感じているならば、身体的にも金銭的にもそこまで負担の大きくない内視鏡検査を一度やってみてはどうだろうか。

お姉さんが背中をさすってくれる特典つきだよ。