お金がほしい

お金がほしい

2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

愛すべき我が町

いや、こんなこと言っちゃアレだけども、僕個人の見解として人間って総じてツンデレだと思うんです。

「てかウチの彼氏マジで燃え尽きるの早すぎなんだけど。ウサインボルトかよっつーの」

「俺の父ちゃんこのあいだ駅で20歳くらいの女の子ずっと見ててさぁ、アレはマジで引いたわ~」

「俺の地元?オススメスポットとか訊かれても何もねぇよ。むしろ何もないということが唯一の取り柄ってレベルで何もないわ」

ホラ。皆さんこんな感じで言うでしょ?
当人が聞いたら卒倒するレベルの不平不満を流しそうめんみたいにサラッと言っちゃう。

でもさ。

「はいはいはい、何となく分かるわ~。アンタの彼氏マジで下手くそっぽいよね。動きとか絶対ロボットだわ~、想像しただけで草生えるんですけど」

とか

「お前の父さん見た目からして臭そうだもんな」

とか言われたらどうです?


てめー今何つった?もういっぺん言ってみろやぶっ殺すぞオラァ

って言いたくなりません?

そりゃバイト先のクソ先輩とか電車ですれ違っただけの外人とか、そういう相手に対しては見境なく陰口も叩けるものだけど、でもその矛先がそれなりの親密度がある知り合いってなると話は変わってくる。

自分で言う分にはイイけど他人に馬鹿にされるのは許せない

こうじゃありません?

相手からしてみれば
「はぁ!?お前が悪口言ってたからコッチだって乗ってやったのに、そしたらいきなりキレるとかちょっと頭おかしいんじゃねぇの?」
となるわけだけども。

そしてそんなことくらい分かってんだけども、マジで許せない。
一瞬で相手のことが嫌いになる。


まぁそれはつまるところ、対象への揺るぎない「愛」があるわけで。

よそ者が口を出すと
「何も知らねぇクセに知ったような口叩いてんじゃねぇぞゴラァ」
と当然のようになる。

だから同郷の旧友が東京というコンクリートジャングルから地元に帰ってきたとき、「うわ、相変わらずこの町は何もねぇな」と言うのはイイのだが、見ず知らずの都会育ちが「これが田舎か。噂に違わずつまらないところだ」とか言い始めると眼球を抉りたくなってくる。

僕はいつも地元のサッカーチームがクズだって言っているけども、たとえ試合に勝っても「どうせマグレだろ」とか言ってるけども、連勝とかすると本当は心の中で喜んでいたりするのだ。


そう。
これこそツンデレ
でも男の僕にそんな需要はない。
女の人だってアニメやドラマの中ならいざ知らず、現実にそんな立ち振る舞いをする人がいたらマジで気持ち悪い。

だからもう今日はね、敢えてその逆をやってみようかと。
正直乗り気ではないけど、今回は僕が事あるごとにディスりまくっている我が地元を褒めちぎるだけの文章を書こうと決めました。
はい拍手。

まずはね、手始めに色々と穏やかなところを褒めてみようかと、えぇ、思います。

上述したように僕の住んでいるところはただの田舎。
まぁ一概に田舎とは言っても政令指定都市近くの住宅街なので限界集落辺りを想像されると困るのだが、それでも全てが穏やか。

時間で言うと夕方の4時みたいな町。おじゃる丸の世界観。

どうやらこの町では時間がゆっくりと流れるらしい。

僕が生まれる前から「近くに駅ができる」って言われていたのに未だにできていない。最高。
「道路工事をします」という案内からもう5年経った。どうやらまだ計画中らしい。愛してる。
「家の前に公園ができる」とのことで、15年以上も楽しみに待っていたら大人になっていた。もう離れられない。結婚してくれ。

自動車の運転もみんな安全第一でとても安心。
みんな前の車が発進して数秒待ってからブレーキを離す。

え?それだと信号がすぐに変わっちゃうって?
フフフッ、何を言っている。また青になるまで待っていればいいじゃないか。


車を走らせるとすぐに、一面に広がる田んぼが目に映る。
最高だ。風光明媚とはこういうことを言うのだろう。
さぁ、窓を開けて稲穂の揺れる音に耳を傾けようじゃないか。
おっと、得体の知れない虫が入ってきた。


109が無いじゃないかって?
安心してほしい。マックスバリュが近くにある。

カラオケ?ボーリング?
それならとても良いところが20キロ先にあるよ。案内しよう。

電車が1時間に4本も走っている。
駅前に居酒屋が10店舗もある。


今後もし「住みたい町ランキングにご参加ください」とか言われたら、間違いなく僕はこの町の名前を書くことだろう。

だって、ここしか知らないから。