お金がほしい

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2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

アニメにおける「死」について

※この記事は以下アニメのネタバレを大なり小なり含みます。
かぐや姫の物語
千と千尋の神隠し
魔法少女まどか マギカ
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?


結婚してあげることくらいでしか責任取れませんので、以降は閲覧注意の上、自己判断でお願いします。

 

 

 


僕がタイトルにあげたこのテーマを初めて意識したのは、故・高畑勲監督の「かぐや姫の物語」を観賞したとき。


ラストシーンでかぐや姫は、月から来た使者的な存在に半ば無理やりに羽衣を着させられ、無表情のまま月に帰還してゆく。

正直、このシーンがとても印象的だった。
凡人の考えとしては、強大な力に親子の愛が勝つみたいな、デイアフタートゥモローよろしくの超展開が待っていると思ったらあれですよ。

「え? これで終わり?」と思わず頓狂な声をあげてしまったことを思い出す。


だから正直なところ初見時の感想はいまいちだったんだけど、しかし改めて考えるとあれはまさしく「死」である。


加えて僕の父は、この映画を見た感想としてこう語っていた。

「親としては子供の幸せを思って色々してあげたくなるけど、それが結局子供を殺してしまうこともあるんだよなぁ」

僕はまだ子の親ではないので、これを聞いたときはまさしく親目線の感想だと思った。
つまり独身の僕には到底考えの及ばぬものであった。


よくよく考えれば「月に還る」という言葉、いや概念自体が死のメタファーだったわけで、それを表現した高畑勲監督マジすげぇというのが今の感想です。


それを踏まえて様々なアニメを振り返ると、

http://tn.smilevideo.jp/smile?i=30219404.L

こういうマミるシーン以外にも結構「死」というのは隠されていたんだな、なんて思う。


たとえば「千と千尋の神隠し」の冒頭、萩野家の車中で千尋はこんな体勢でいるが、

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花束を胸に抱えて寝るという動作はまさしく「死」そのものだと感じざるを得ない。


ほかにもジブリアニメは「風の谷のナウシカ」を筆頭に「崖の上のポニョ」に至るまで死生観とでも言うのかしら。そういうのが散りばめられている印象が強い。

宮崎駿監督がそういうの好きなのかな。「アルプスの少女ハイジ」にも似たような匂いがあるし。

 

それから最近アニメ映画の「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を観賞したのだが、やっぱり主題として「死」が通底していた。

話はそれるが、あの映画は評価、興行収入ともに思わしくなかった。
だから世間的に見れば失敗なんだろうけど、個人的には公開時期が悪かったというただその一点に尽きると思う。


若者に人気の米津玄師が主題歌を担当したということで、おそらく「君の名は。」的な脳みそ溶解恋愛ドラマを期待した人々がこの映画に足を運び、その結末に「ファッ!?」となっただけだと思うのだ。いや多分。


ここまで散々書いてきてこんなことを言うのも気が引けるが、僕はあまりアニメに詳しくない。


どうやら同映画には監督や制作会社など、そうそうたるメンツが大集結していたらしい。
あ、劇伴音楽を担当した神前暁さんは知っている。関ジャムにも出てたし。

おまけに主人公2人の声優が広瀬すず菅田将暉ときたもんだ。


そりゃ「君の名は。」フィーバーが冷めない時期にそんな映画公開しちゃったらさ、期待に胸をEカップくらいにした人々が押し寄せるに決まっていますわ。

そして「思ってたのと違ーう!」ということで辛口評価。まぁその実こんなところでしょう。(適当)

 


話を戻します。
この映画にはそりゃあもう膨大な死のイメージがあって、そういう観点でもう一度見返したいと思える作品だった。

例をあげると、「白霞む電車」「お花畑」「夜の海」とか。その他にも(見落としている点を含めて)たくさんのメタファーがあって、思わず映像作家を目指しそうになるレベル。

総監督は新房昭之さんと言うらしい。憶えておこう。


ラストシーンには色々な解釈があって然るべきで、僕自身よく分かっていないながら「次はどの世界で会えるかな?」というなずなのセリフが重要であるように思う。
どうやら1995年のドラマ版(映画版?)では「次はいつ会えるかな?」だったようなので、このアニメに関してはここが肝だろうと。

そう考えると、この方の意見がとても面白いと思った。

www.club-typhoon.com

これが正解かどうか分からないし、もちろん受け手の解釈はそれぞれ違って良いと思っているので、皆さんももし余裕があればこの映画を観ていただいて、そして大いに頭を悩ませてください!

 

 

 

ちなみにアフィブログではないので、ここで購入してくれても僕にお金は一切入りません。
だから買わなくていいです。