2018/11/26 Bon Joviの東京ドーム公演 感想
先日、というか11月26日(月)に東京ドームでおこなわれたBon Joviのコンサートに行ってきたので、ライブレポという大層なものではないけれど、簡単な感想などをつらつら書いていこうと思う。
これは完全に個人的な備忘録なので基本的に皆さんスルーしていただいて構わないけれども、その場にいた人が「そういえばそうだったなぁ」とか行っていない人が「羨ましいなぁ」などと思ってくれたらそれはそれで嬉しい。
というかBon Joviの来日って5年ぶりなんだね。
5年のうちにすっかり声も出なくなって見た目も年相応になりつつあって、いや今でもじゅうぶん若いけどさ。
Bon Joviのライブって言ったらやっぱりこの時の映像が脳裏をよぎるわけですよ。
これと比べるとどうしても、ね。
時の流れは無常だなぁと。
では早速。
1.This House Is Not for Sale
以前から予習がてらYouTubeを漁ってはいたので、声の出ていない感じは相変わらずな印象。2017の北米ツアーよりは幾分マシなようにも思える。
サポギの人がスティーブ・ルカサーに似ててびっくりしたけど、結構前からボン・ジョヴィに関わっていたジョン・シャンクスという人物らしい。
超巨大なスクリーンがステージ脇に1つずつ。その横に数分の1スケールのスクリーン。こんな大きいスクリーン初めて見たぜ・・・という、感想。
2.Raise Your Hands
このツアーではもはや2曲目の定番となっているので、おう来たか来たか!という印象。
歌詞にある「Tokyo」で「トーキョー!」って叫ぶのかと思ってたけど全然そんなことなかった。原曲に忠実。
ここで最初のMC。
さすがに100回以上公演を重ねているだけあって、「こんばんは東京」が流暢。言いなれてるなぁと思わず笑ってしまった。
「It's been too long」という言葉に「まったくだよ!」と思ってしまう。まぁでも来てくれるだけありがたい。
3.You Give Love A Bad Name
冒頭の「Shot through the heart~」で恐怖すら覚えるような地揺れ。4万5千人が一斉に声を出すとこうなるんですね、怖い。
デヴィッド・ブライアンのキーボードが冴え渡る。これまでの人生で何百回も何千回も聴いた曲なので、生で聴けたのは非常に感慨深かった。
ラストの会場シンガロングでは、反響しすぎてもはやカオス状態。何を歌っているのかわからない状態で終了した。
4.Whole Lot of Leavin'
2007年発売のアルバム「Lost Highway」から。カントリー好きの僕にとってはこの中でも特に好きな曲のうちの1つなので、単純に嬉しかった。
たしかジョンがリッチーに向けて書いた曲だった気がするが、リッチーが脱退した今となっては別の印象すら浮かんでしまうのが辛いところ。
戻ってきてくれてもいいんだよ、マジで。
5.Lost Highway
同じく「Lost Highway」からもはや定番化した表題曲。
このアルバムは本人が好きなのか単に歌いやすいだけなのか、はたまた結構売れたからなのか分からないが、毎回2曲以上はやるらしい。あと絶対フィルXはギターソロの入りを忘れてた。
曲が終わり、謎のカウントダウン・・・というか、タイムスリップ?がスタート。
1983年でストップ。
この年はBon Joviがデビューした年。ちょうど35年前。
ラジオのFM放送でヒットした曲が、デビュー曲ならびにファーストアルバムの1曲目を飾ることとなる。
6.Runaway
この曲をやるのは結構珍しいんじゃないかと思うんだけど、まだ本国アメリカでは知名度が低い中、日本ではこの曲がいきなりドラマの主題歌に抜擢された背景もあるのかなぁなんて。
イントロのキーボードだけで会場爆発だよ。
とはいえ声があまりにCDと違いすぎたせいだろうか。隣で見ていた父がボソッと呟く。
「演奏は完璧なのになぁ...」
ラストの裏声まで再現してくれると思っていたらしく、いやいやそれはさすがにやらんでしょ、と。
曲が終了し、ジョンがしみじみした表情で35年前を振り返り、ニューアルバムから1曲やるよと一言。
ニューアルバムの中でもとりわけメロディアスなこの曲は色々な人との共作で、たしか何かでグラミー賞をとった若いミュージシャンが作った曲だったような記憶(曖昧)。
人生はメリーゴーラウンドではなく、ジェットコースターですよ、という歌詞。まだ人生折り返し地点にも到達していない僕は、色々あったんだなぁなんて他人事のように思ってしまう。
曲が終わるとリッチーと5年ぶりに競演したロックの殿堂の式について少し触れ、そこで演奏した曲を、と。
8.When We Were Us
一番新しい曲ではあるものの、今回やるとは思っていなかった。
しかしよく考えれば、最近日本限定パッケージとして発売されたCDにこの曲が入っていたので、プロモーション用としてこの曲は必須だったのだろう。
「When We Were Us」って、日本人感覚からするとマイケル・ジャクソンの「This Is It」並に意味不明なんだけど、これまでの35年の総括的な立ち位置の曲なんだろうなぁと勝手に推測。
9.Born to Be My Baby
1988年のアルバム「New Jersey」からの1曲。
実はこの曲をずっとライブでやらない時期があって、最近では毎回やるようになったのはどういうパラダイムシフトがあったのか分からないが、ともかく幼少期「New Jersey」ばかり聴いていた僕にとっては嬉しい限り。
今のジョンでも普通に歌えるということはめちゃくちゃ音域が広くない曲なんだろうけど、原曲はすげぇ高く聞こえるのが不思議。
10.It's My Life
「さらに盛り上げちゃうぜ☆」的なことを言ってからこの曲に入った気がする。
しかしヒット曲の連続はずるいぜ。こんなの反則ではないでしょうか。とはいえBon Joviにしかできない芸当なんだろうなぁと。
前曲から10年近く年数がたった2000年に発表されたこの曲。
年代を超えて代表曲がたくさんあるってめちゃくちゃすごいのではないだろうか。息の長いバンド、とりわけメンバーが50代後半になっても異国の地で何万人も集客できるバンドってのはやはり伊達じゃないと思った。
しかしあれだ。ジョンのピョンピョンが止まらない。「なんでジョンが飛び跳ねるか知っているか? 跳ねることによってブースターとなり高い声が出やすくなるんだぜ!」とYouTubeのコメ欄で外人が冗談交じりに言っていたが、あながち間違いじゃないのかもなぁと。
11.God Bless This Mess
全曲から数十秒の間が空き、次は何がくるのだろうかと会場が期待の目を向ける中、ジョンが大きなスクリーンに映し出され、ものすごく晴れやかな笑顔とともに「I got some blood~」と歌いだす。
特に今回のTHINFSツアーでは定番となっているこの曲だが、演奏の裏で流れるのはウソかホントか彼らの苦悩を報じた新聞の見出しばかり。この曲のPVでも同じような見出しの新聞がいくつか映っている。
正直、どうして毎回この曲を欠かさずやっているのか不思議に思っていたのだが、歌詞を見て納得。
おそらく、これまでとこれからのBon Joviがどうあるべきか、彼らが導き出した答えなのだと思う。だからこそライブで演奏する意味があるのだろう。
そんな歌詞と相まってあまりに茫漠たる35年間という年数にしみじみしちゃうんだけど、メンバーがものすごい笑顔で演奏しているものだから、やっぱり敵わねぇやと思ってしまう。
12.We Don't Run
2015年のアルバム「Burning Bridges」からの1曲。
2013年のアルバムが個人的に表題曲以外琴線に響かなかったので、もう彼らはロックしないのかなぁなどと思っていた矢先のこの曲。
この曲のサビで立体的に音の広がるところが好きだったんだけど、ライブではとみにそれが感じられて嬉しい。
正直なところ意外な選曲ではあった。
13.Keep the Faith
クッソかっこいいベースの重低音からスタート。会場もフォー!とかハードゲイみたいな声で応じる。
この曲あたりからだんだんジョンの声が出るようになってきた気がした。
アウトロの演奏隊も圧巻。
14.Bed of Roses
こうやって同じアルバムから連続ってズルいよね。
海外だと観客席の中に紛れて歌うのが定番だったけど、今回は花道の手前まで出てくるだけだった。翌日の大阪のほうが声出てたかな?
会場はスマホのライトで空間を演出。なかなか綺麗だった。
15.Lay Your Hands on Me
前奏で「来たーーっ!」と心の中で叫ぶ。
もう「New Jersey」からの曲なら何が来ても嬉しい。
そしておそらくだけど、今回のライブのハイライトがこの曲だった気がする。
どうやらジャック・スパロウ(のレイヤー)が会場にいたらしく、会場のシンガロングでカメラに10秒以上抜かれて巨大なスクリーンに映し出されるという。
ジョンも笑っていたではないか。
個人的にはあまりのクオリティの高さに笑いよりも驚きが先行してしまった。
16.Who Says You Can't Go Home
ジョンがアコギを持ち、アルペジオを奏で始める。この段階で曲が分かった人が「おぉ~」とどよめく。
このカントリー路線の曲の成功があって、次作の「Lost Highway」に繋がるんだよなぁと思うと、感慨深い。
「It's All Right」のフリップを持った人がスクリーンに何回か映し出されていた。頑張って作ったんだなぁ。
17.I'll Sleep When I'm Dead
これも定番曲。正直めちゃくちゃ好きな曲ではないが、ライブでノれる曲なんだと体感。この曲のタイトルも、日本人感覚からすると意味が分からない。
曲終わりのMCでは「I love Japan, we love Tokyo」とか言っていた気がする。
18.Bad Medicine
本編ラスト。
Aメロが高音すぎるため、すでに1990年代から改変して歌っているのでもうさすがに違和感はない。間奏でジョンが演奏隊と遊んでいたのが印象的。
それにしても「Your love is like bad medicine」なんてカッコイイ歌詞じゃないですか。
曲が終わり、「Good night」とだけ残して袖にはけたメンバーたち。
あまりに雑な終わり方に、これはもはやアンコールしろと言っていた気がした。
ここからアンコール。
メンバー全員お着替え完了。
19.We Weren't Born to Follow
そういえばこの曲もやっていなかった!と前奏で思い出す。定番ですね。
この曲が入ったアルバム「The Circle」のツアーから名古屋や福岡を飛ばし東京大阪の2公演だけになり、急に日本と疎遠になった印象。とはいえ今回のツアーもヨーロッパやオーストラリアより先に日本に寄ってくれたんだから、あんまり手前勝手なことを言ってはいけない気もする。
20.Blood on Blood
実はこの曲、「やってくんねぇかなぁ。でもどうせやらないだろうなぁ」などと半ば諦めていたぶん、聴きなれたイントロのギターで思わずガッツポーズしてしまった。
周囲のお客さんも意外だったのか、おじさんたちの「おぉ~」という低音ボイスが響いていた。
しかしドラムのティコは御年65だというのになんとパワフルなプレイをすることか。ちなみにこの人絵もめちゃくちゃ上手で、個展を開いたり服のデザインもしている。どうでもいいか。
21.I'll Be There for You
アルバム「New Jersey」からのナンバーがなんと連続!嬉しすぎた。これは紛うことなくBon Joviからのご厚意だろう。
僕にBon JoviのCDをくれた親戚が一番好きな曲がこれで、それを知ってから僕も好きな曲になったんだけど、やっぱり会場のみんなも大好きだったみたいで、さきほどよりもワントーン以上高い声の「おぉ~!」が響いた。
ラストの「オーオーオーオー」がたまらなく良かった。多分これがAlwaysの代わりなんだろうなと。本当はAlways聞くまで帰れねぇぞとか思っていたけど、この曲聞けて、「まぁ、いっかなぁ」と思ってしまった。
22.Wanted Dead Or Alive
アンコールめっちゃ続くなぁ!嬉しい限り。
アンコールにしてなんだかこの日一番声が出ていた気がする。この曲のAメロは会場に歌わせるのがこれまでのセオリーだったんだけど、英語が苦手な日本人を慮ってか、全編とおしてジョンが歌ってくれた。
あとこの曲もド定番になっているけど、いまいちノり方が分からない。手拍子も雰囲気と違うし、体を揺らすほどのリズムもない。
一緒に歌うのが正しいんだろうけど、日本人は歌わない。だからこそアンコールのラストにしては消化不良すぎるなぁと思った。
ら、やっぱりこれで終わりじゃなかった!
というか、この曲をやらずに終わるわけがなかろう!
23.Livin' On A Prayer
やっぱりシメにふさわしい。最高のひとときでした。
あと転調した最後の部分会場に歌わせようとするけどさ、高すぎて誰も歌えんわ。いやマジで。
というわけで23曲。大満足の内容で終了しました。
ラストはジョンがイヤモニを外し、メンバー全員並んで頭を下げる。
ってティコ小っさ!筋骨隆々とした体躯だからなんとなく巨漢のイメージがあったんだけど、全員と横並びになるとひとりだけキン肉マン消しゴムみたい。
なんて失礼な感想はこの程度に、まぁ大方の予想どおりジョンの声はかつてのそれとは程遠いものだったけど、なんかもうそんなのどうでもいいやって。
時々おじいちゃんが孫を見るときのような優しい笑顔を見せるんだよ。それ見たらさ、「ジョンが楽しそうだったからまぁいいかな」なんて思ってしまい、15000円のチケット代も安く思えた。
さて、そんなこんなで7月に発表されて以来楽しみにしていた来日公演も終わってしまい、次は何年後に日本に来てくれるのか。
その時にジョンの声がどうなっているのか。リッチーは帰ってきているのか。
まったく見当のつかない未来だけど、だからこそ楽しみにしていきたいと思う。
長くなったが、以上で終わります。お疲れ様でした、自分。
追記)「The Final Countdown」でお馴染みのEurope来日公演が決定したみたいですね。
今回のBon Joviしかり海外の大御所バンドは今後いつ来てくれるか分からないので、行けるときに行きたいなぁとは思う。とはいえまさかのライブハウス。
年代的にみんな椅子とか…欲しくね?休憩したくない?大丈夫なの?