女子高生の流行語大賞は「みたいな」だと思う
「女子高生」という言葉は近年、もはやそれだけに留まらない意味を有した単語へと変貌を遂げつつある。
どう表現すべきか、名詞の形容詞化とでも言うのだろうか。
例えばサッカー日本代表でいうところの「長谷部か!」が「真面目か!」というツッコミと同義であるように、こういった言葉は額面どおりに受け取ると後々厄介になることもしばしば。
そして現在「女子高生」という言葉にも同じような現象が起きているのではないかと、僕は思うのだ。
おそらく中年男性がこの言葉を発したら、やや犯罪のにおいがするかもしれない。
また、お笑い芸人が相方に向かって「女子高生か!」とツッコミを入れたときには、「お前はミーハーか!」とか「お前は恋愛映画好きか!」と言っているようなものである。
偏見ですごめんなさい。
しかし、このように「女子高生」という単語の含意は以前に比べて膨大になったということは日本国民ならば認めざるを得ない現状にあると思う。
だってそうでしょ色々おかしいでしょこんなの。
ただ一言「女子高生」と発しただけで気味の悪いものでも見るような目が向けられるなんてたまったもんじゃない。
というわけでそろそろ金田一秀穂さんにも「女子高生」という言葉の多義性に気付いていただき、ついでに辞書に載せてほしい。
まぁしかし。
女子高生というのは世間一般的な評価にとても幅がある年齢層だとも思うのだ。
男子高校生というのは男子中学生の延長戦みたいなものだが、女子高生は女子中学生の延長では決してない。
男子学生がゆっくりと大人になってゆく間、女子学生は大概中学生あたりで大まかな人格が形成される。
女子から女性へと変わりゆく時期。いわば大学0年生とでも表すべきか。
そんなビミョーな立ち位置にいる女子高生であるが、彼女らは独自の言語を発展させ使用していることでも有名。
まんじとかリムるとか言われてもおじさんもう付いていけないよ。
僕は流行というものが嫌いなので、謂うなればトレンドを追いかけ続ける女子高生とは対極にいる存在である。
しかしそうは言っても僕もまだ20代。
使う使わないは別として、そういった言葉の意味は最低限知っておかないと社会に出て殺される。
「え、あの人なに。まんじの意味知らないとかマジまんじ。ちょっとウケるんですけど~」とか全然ウケないことを書かれても困るので、先日テレビでやっていた「女子高生流行語大賞」という企画を観てみた。
まぁこれは後付けで、本当はテレビを付けたら偶然やっていたからそのまま観ただけなんだけどもね。
んで、その結果がこちら。
10位:オーマイゴッドファーザー
9位:○○に使っていいよ
8位:○○ンゴ
7位:(語彙力)
6位:泣いた
5位:○○な説
4位:リムる
3位:チキる
2位:LJK
1位:インスタ映え
まぁ10位は若手芸人のネタだし9位も世間一般で流行していたし、8位も7位も2ちゃんとかネットから流用しただけだろうし、意外と普通。
特に1位なんて誰もが知っている言葉。なんだったらこれが流行語大賞受賞してもおかしくないレベル。
それ以外に「なんだこれ!?」というのは2位とか4位くらいしか見当たらない。
なんだよ、ビビって損したわ。
まぁこういったランキングを見るとどうしても「どうせお前ら楽天のドミンゴ選手とか知らねぇんだろ?」とか詰問したくなるのが悪い癖。
それからLINEでは「りょうかい」って打つのもめんどくさいから「り」だけにしているとか言っているくせに「オーマイゴッドファーザー」ってめちゃくちゃ長いじゃねぇか!とツッコみたくなるのも悪い癖。
いいんです、もう。
僕は何も言いません。
ただ1つ、この番組のインタビュー映像を観て思ったのが「いや、アンタら『みたいな』のほうが使ってんじゃん」というド正論なツッコミ。
番組スタッフが「この言葉はどういったときに使うんですか?」って訊いたとき
「恥ずかしがっていたりすると『チキってる』みたいな」
「○○説、みたいな」
「とりあえず『語彙力』って打つみたいな」
ほらみろ、流行語大賞決定じゃねぇか。
揃いも揃ってみんな「みたいな」って。
こういうのを見ると、意外にも無意識的に使っている言葉こそが真の流行語なんじゃねぇかと、今日の僕はそう思いました。
みたいな