お金がほしい

お金がほしい

2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

スマートに生きたい

スマートに生きてゆきたい。
いつもそう思う。

スマートフォンは持っている。
体型だってそれなりにスマートだ。

でもどうしても、自分が納得できるスマートライフを歩むことができない。

だから僕は考えた。
それは一体なぜだろうか、ってね。

そうしたら5秒で気付いた。
僕がそもそもスマートという言葉の意味をあんまり分かっていないということに。


ではスマートとは何なのだろうか。

頭の良さ、人柄の良さ、爽やかさ、スタイリッシュさ・・・

人の価値基準には様々に種類がある。

たしかに英語のsmartは「利口な」とか「洗練された」という意味合いがある。
だが何を以って利口と定義するのか、洗練されているのかなんて誰も教えてくれない。

ちなみにsmartの意味として日本でよく使われる「細身な」という解釈は英語圏では存在しない。
これだと本国日本において細身であることがスマートの必要条件と捉えられても仕方がない。

細身でなくとも博学で聡明な人はごまんといる。俊敏なぽっちゃりも当然いる。
日本人はそんなに「細身」が好きなのか。
分からん。

だとしたらどうしてスリムな僕がモテないのだろう。
・・・あ、それは別問題か。すいません。

そんな時に丁度駅構内の貼り紙が目に付く。

歩きスマホ、スマートではありませんよの文字。

分からん。まったく分からん。
僕が思うに、真のスマートを体現している人ならば歩きスマホをしながらでも華麗に人ごみを避けるなんて朝飯前のはずなのだ。

ちなみに僕が思うスマートな男性像はこう。

朝は6時起き、枕元にある黒縁の眼鏡をかけるとMacbookでメールのチェックをしながらバターをパンに塗り、朝の情報番組を聞き流しつつシーザードレッシングのかかったサラダを頬張る。
短めの髪の毛に適量のワックスをサッと風になびかせるように塗り、洗面台にはリステリンとバルクオム。
電車通勤、定時帰宅、妻帯者、エリートコース。
旧帝国大学を卒業ののち一般企業へ就職。上司からはその仕事ぶりを評価され、温厚な性格のため部下にも慕われ相談を持ちかけられることも多く、その際は相手を慮った上でのアドバイスを送る。
女性からはその端正な顔立ちとスタイルの良さ、下心を感じさせない立ち振る舞いが専ら好評で、その人気は絶大。
だがそうした自身のキャリアに一切奢るところは無く、道端で拾ったハンカチを交番に届けるような優しさも兼ね備える。

・・・なんだコイツ。はっきり申し上げるとこんな人は存在しない。
というか居てもらっては困る。絶対友達になれない。

とまぁ以上が僕の考えるスマートな男性。

そら無理ですわ。まず容姿からしてアウト。終わった。

とはいえこれは僕が考えた「スマート男性」のペルソナであるから、他の人が考える「スマート」は大きく違ってくるだろう。


つまり、つまりだ。
前提条件からもうアウト。
曖昧な目標に照準を合わせたところで、その的が機能しているのかさえも懐疑的だ。

人によって「スマート」の定義が違うならば、ある意味では何をやっても正解であり不正解である。

たとえば僕にとって卵を片手割りできる人は最高にスマートに見える。
でもそれが世間一般で言われる「スマート」の定義に一致するかは些か議論の余地があろう。

だからもう分からん。
そもそもこんなことをネチネチ考えている時点でスマートからは程遠い世界の住人なのは自明。


あぁ、スマートになりたい。