個人的に気になる『食品ロス』取り組み事例
近年、特にここ数年飲食業界を大きくざわつかせているのが、食品ロス問題なのではないかと思う。
実際にも今月(2019年10月)から「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行され、いよいよもって対策が現実味を帯びてきたようにも感じる。
僕個人としても、身内に飲食関係の仕事をしている者がいることから、この問題にはやや早いうちに興味を抱いていた。
テレビやネット等でそれらの特集がされていればチェックし、世の中が少しずつ動いている様子を随分長く眺めてきたように思う。
さて、そんな受動的な人間は今こうしてブログという発信媒体を有している。
メディアを通じて得た情報に「へぇ」と呟くだけの頭でっかちな人間だった僕が、発信する側に立つチャンスなのではないか。そう思った。
と、以上の経緯により、この記事を書くに至ったわけである。
当然ながら日本各地の食品ロス取り組みを認知しているわけでもないし、どちらかといえば僕の興味はビジネスモデルにあるので、正直なところ取り組みの内容云々に大きな興味があるわけでもないのだが。
しかしこういうのって、なんかいいじゃないですか。
顧客の購買行動を体系化するフレームワークとして、よくAIDMAやAISASやらが用いられているが、近年出現した「共感」と「共有・拡散」という行動パターン。
要するに、購買における「罪悪感の喪失」というトレンドもこの食品ロス問題解決に一役買っているのではないかと。
そう思うのです。
- VEGHEET
さて、そんな僕が初めに食品ロスの取り組みを知ったのが、この商品。
市場に出回ってから結構経つのでご存知の方も多いかもしれないけど、ベジートというもの。
ニンジンの皮やブロッコリーの根っこなど一般的に使用されない部分や規格外のものを原料としており、余すことなく野菜を使うという意味でロスがない。
よく考えればペーストしてシート状にしてしまうので、どんなに形がいびつでも味が美味しければそれで原材料としては充分なのである。
現在は拡販されているかもしれないが、ネットはもちろんリアル店舗ならばイトーヨーカドーで買えると思うので、興味のある方はぜひ。
ちなみに我が家では生春巻きにして食べました。見た目がカラフルなので写真映えもするんじゃないのかな。
- rebake
それから次に手を出したのが、rebakeというロスパンを扱うWebサイト。
rebake.me全国の(登録された)パン屋さんで余ったものをweb上で購入すると、冷凍で郵送されてくる。
とはいえ、余らなければ郵送できないので、いつ発送されるかは店側の売上しだいということになる。
こちら既にかなり人気のサービスで、店によっては注文してから数ヶ月待ちのところもある。
しかし趣向を凝らしたパンだったり、珍しいラインナップが多く、パン好きの方ならば購買意欲がそそられるはず。
なにより個人的にポイントが高いのが、低アレルゲンの商品ラインナップが多いことである。
小麦アレルギー持ちのお子さんにパンを食べさせてあげたいと思ったとき、近所に店がなくてもスマホひとつで注文できるため、色々な方にオススメしたいサービスである。
- フードパスポート
- TABETE
それから、最近話題の「フードパスポート」や「TABETE」はきっとたくさんの方がブログで触れていると思うが、取り組み事例としては一番注目したいところ。
フードパスポートは月額1000円程度のサブスクで、月10回という上限があるが、余った食材の料理を店で注文することによりレスキューできる。
TABETEは、店舗で余った食材を「持ち帰り用のお弁当」として活用し、注文後に実際の店舗まで取りに来てもらうというサービス形態が主流。
フードパスポートはもともと関西でスタートしたが近々関東にも拡大するようで、かなり伸びるのではないかと予想。
TABETEは逆に関東が主流で、だんだんと西に近づいているが関西上陸予定の情報はまだない。
ちなみに僕の住む静岡県の西部、その中でも浜松市ではTABETEを用いたフードロス対策の実証実験が2019年10月よりスタートしている。
10月1日当初は4店舗の登録しかなかったが、12日現在で10店舗にまで増えており、タイミングが合えばぜひとも買ってみたい。
- ZENB PASTE
そして最後に、「これ面白いな」と思ったのがこちら。
zenb.jp「ZENB PASTE」という名前だけに野菜の全ての部分(たとえばコーンの芯や、枝豆のさやなど)を使ったペーストで、トーストにつけたりサラダにかけたりという使用例がある。
詳しくは上のリンクにレシピが載っているので、そちらを参照されたい。
ただ、こちら税込1,620円となかなかよいお値段。
値が張る理由は想像がつくので責められたものではないが、普及には時間がかかりそうである。
とまぁ上から目線で色々と書いてきたが、店や企業側がどんなに取り組みを進めようとしても、客側と意思疎通できていなければまったくの無意味。
そのため、わたしたち消費者もきちんとした意識を持って今後も食品ロス問題の解決に努めていかなければならないと感じている。