お金がほしい

お金がほしい

2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

これが世界標準クオリティー。なんてね

しばらくブログの更新を怠っていたのは、まぁ通例どおりネタ切れというのもあるんだけども、様々な事情や用事で立て込んでいたからに他ならない。

その用事のひとつに中国への海外旅行というイベントがあったのだが、別にこれ。遊びに行ったわけではない。

現金の価値や信用の低い国、中国。人間の信用が低いためクレカの審査が厳しい国、中国。
そんな現状において、今中国ではAlipayやWeChat Payなどのキャッシュレス決済が隆盛を極めている。

キャッシュレス決済などと字面に起こされては仰々しい感じも否めないが、日本で言うところのLINE PayとかORIGAMI Payみたいなもの。
クレジットカードもSuicaもいちおうはキャッシュレスだしね。


そういった中国の動向や生活様式を身をもって体験すべく、僕の通う大学のゼミ仲間と共に空へと飛び立ったわけである。
まぁ2時間遅延したけど。

 

そんなこんなでやってきました中国。
空港を抜けて一番初めに驚いたのが、全然英語が通じないということ。

英語のできない日本人が何を言うか、という感じだけど、現地民に中国語で話しかけられたとき「ソーリー、ウィーキャントスピークチャイニーズ」と言っても皆が示し合わせたように「??」という反応ばかり。
もちろん僕の拙い発音のせいということもあるだろうが、しかしワンフレーズ、たったひとつの単語でさえも通じない。


おまけに中国人は僕らが中国語を理解できないのを分かっているだろうに続けざまに中国語でふたたび話しかけてくる。
「いやいや、だから分からないって」とこちらも日本語で応戦。ダメだこりゃ。

こうなればもうボディーランゲージに頼るしかない。
大衆食堂での注文は、人差し指で「これ!」と示したり、向こうの店員が持ってきたスマホで音声翻訳をしながらどうにかコミュニケーションをとるような感じだった。


そういうわけで初日はとても疲れた。
初日は空港までの移動と飛行機での移動、現地についてからもホテルまでの移動があるから体力的に結構キツいのだが、中国の場合精神的にもすごく疲れた。

アドレナリンが出ているはずの一日目は比較的夜更かしできるタイプの僕も、その日は夕方くらいから眠気が襲ってきていた。


だから宿舎に着いたときはほっと一息。
「ようやくこれで落ち着けるな」と安堵のため息を漏らし、ベッドにパタンと倒れこんだ。

 


・・・しかしこの宿。
まるで欠陥だらけのクソ宿であったのである。

はじめに異変に気がついたのは、同じ場所にゴミ箱が2つあるのを発見した時だった。

「どうして同じゴミ箱が横並びにおいてあるんだ?」と不思議に思った僕は、そこから離れた位置に移動させるべく1つだけゴミ箱を持ちあげた。


するとその瞬間。
僕の目にとびこんできたのはゴミ箱の中身。

漆黒の塊がゴミ箱のそこを覆い、そのかたまりの表面には雪化粧でもしたかのように白カビが生えている。


「な、なんだこれは...!?」と思い顔を近づけて凝視すると、この匂い。
なんとコーヒー豆であった。


コーヒーマシーンで煎ったあとの粉状になったコーヒー豆が、しれっとカビの生えた状態で部屋に置いてあったのである。


しかし、まぁ。
これも中国の醍醐味かと。地面に散乱していないだけマシだろうと思い、そのゴミ箱を部屋の隅に追いやり何も見なかったことにした。

 


それから夕食に向かい、再度ホテルに戻る。
旅の疲れを癒すべくひとまずシャワーを浴びようと浴室に入ると、サササッと何やら怪しい動きをする影が。

まさかヤツか!?なんて思ってよくよく見ると、なんとそこにいたのはハサミムシ。
捕まえるまでもなく巣に戻っていってしまったので退治はできなかったが、これも結構驚いたポイントのひとつである。

・・・巣があるのかよ。

 

とはいえシャワーはお湯も比較的安定していて、水圧は低めだったもののとても快適なひとときだった。

サッパリとした気持ちでついでに口内も綺麗にしようと思い、歯ブラシを鞄から取り出す。
ここで、そういえば洗面台に歯ブラシの箱が置いてあったなぁと。さきほどシャワーを浴びたときに歯ブラシの箱が目に入ったことを思い出した。

マイ歯ブラシを使うのもいいけど、なんだかこのためだけに新品をおろすのは勿体ない気もするし、せっかく用意してくれてあるからなぁと考えて洗面台に移動した。


僕の部屋はツインルームなので2人で寝泊まることになるわけだが、そこにはToothbrushと書いてある箱が4つ置いてあった。

なるほど、2泊3日だから明日の分も置いてあるんだな、などと勝手に解釈してその箱を持つ。


・・・軽い。

開けてみる。空だった。
他の三つも同様、すべて空だった。

 

いや、ね。
安いホテルだからはじめからアメニティの用意なんて期待してなかったし、むしろシャンプーの用意があるだけでありがたいなと思っていたんだけど、これは違くない?

歯ブラシがはじめから置いていないんだったら、あぁきっとここはそういう用意がない宿なんだなって思えるじゃない。
でも歯ブラシの箱があったらさ、「おっ、なんだよ安いのに気が利くじゃないか!」って感激していたのに。

空って何だよ空って。
ここはモデルルームですかね。

 

まぁその他にも朝7時から屋根の工事が始まって寝れなくなったことや、ネズミが壁を伝う音が聞こえてきたりということはあったものの、それらまるまる書いていたらキリがないのでこの辺りにしておこう。

 

けれども思ったのが、これが世界標準かもな、と。
日本のサービスがあまりに完璧すぎていて、それに慣れてしまうと欠点ばかりが目に付いてしまうが、しかし僕が訪れたのは中国。

標準、とまでは言い過ぎかもしれないが、しかしグローバルな問題を考えたとき日本を基準に物事を捉えるのは些か無理が生じるのだろうと思った、そんな研修旅行であった。