お金がほしい

お金がほしい

2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

給食の牛乳とは一体なんだったのか

ねぇ。
突然だけど、どうして給食って毎日牛乳が出てたの?
ねぇ、なんかおかしくない?

 

昨晩眠りにつこうと思ったら、突如そんな世迷言が頭に降って湧いてきてしばらく眠りにつけなかった。
だから今眠いのもやること為すこと身が入らなかったのも今日がクソみたいに暑いのも全部牛乳のせい。

これは許してはおけないぞと思って早速調べてみたんだけど、引っ掛かるサイトの内容が予想どおり過ぎて逆に怒りが沸々と込み上げてきた。
カルシウムがどうだ、身長の伸びがどうだ、骨密度がどうだ。

おいおいおい、知ってんだよそんなことは。
カルシウム不足で怒りっぽくなるなんて小学生でも知ってるわ。

ん?今日の僕は牛乳飲んでないですよ。よく分かったね。


僕が知りたいのはね、なぜ彼らは毎日登壇していたのかという事実なのですよ。

小学校のときの思い出なんて修学旅行と給食のことしかないけど、さらにその中でも大半を占めているのが全部、もうぜーんぶ牛乳関係。
しかも牛乳についての良い思い出なんてひとつもない。

だいたい彼らって余りものじゃんけんで圧倒的弱者だったじゃない。

いや、たまにいたよ?
よく分からないけど牛乳大好きマンみたいな奴は必ずいて、そいつが基本的に休んだ人の分の牛乳を貰ってくれて一件落着が基本。

でもインフル大流行時に5人くらい一気に休んだときね。もうただの地獄。

牛乳大好きマンは大抵健康体なのでインフルに屈する輩は比較的少ない。
だから最初の2つくらいはすぐに捌けるんだけど、あと3つどーすんのこれ。

我関せずで黙々と飯を口に運ぶ女子、戸惑う日直当番、なんならもう1つ貰ってもいいぜ?みたいな顔で日直を見つめる牛乳大好きマン。いやお前いい加減引っ込んでろ。

担任の先生も頑張って「身長伸びるぞ~」とか「成長期に必要だぞ~」とか言うんだけど、そのやり口がカルト的でしかも倫理的にギリギリのライン。
目線が身長の小さい男子にいっている気がするけど、そういう男子は大体の場合牛乳が苦手。


そして数十秒の沈黙の後、見かねた担任がひとこと。

「しょうがないから日直の2人が飲みなさい」

ふざけんなってマジで。しょうがなくねぇよ。日直が何をしたって言うのさ。


仕方なく自分の机に持っていくときには容器に多量の水滴がついて中身はすでに温い。

だいたい白米に牛乳というコンビネーションがうまくいくわけないだろ。
白かける白とかもうただの装束衣装。

口の中で白米の甘みと牛乳の甘みが絶妙なハーモニーを奏でて双方の味を台無しにする。


それから小学校1年生あたりが給食のあと、口の周りに白い液体をつけたままウロウロしているのも気に食わない。
汚いから牛乳飲んだ直後にゲップするんじゃねぇよ。液体まだ残っててコポコポッっていってんじゃねぇかよ。


それからまだあるんだよ、言いたいことは。

僕は決して忘れない。
放送委員会のために給食を放送室に持っていってやったのに、牛乳を乗せ忘れただけで階段を駆け上がったあの憎しみの日々のことを。

なんで牛乳だけ教卓に置いてあるんだよ。
教室の後ろで配給するなら牛乳も仲間に入れてやれよ、って思う。

おまけに牛乳さんったら給食に皆勤賞のクセして一向に地位が向上しない。

放送委員会は12時になるとおもむろに放送を開始する。
「こんにちは。お昼の時間です。7月11日水曜日、本日の献立を発表します。ご飯、牛乳、・・・」

いっっっつも二番手。
お前は永久にご飯と麦ご飯とコッペパンソフト麺に勝てないよう強いられているんだよ。

屈辱だろうさ。
なにせ月に1回出てくればマシな焼きそばにすら敗北するんだからな。

 

とはいえ、あまり牛乳をいじめると牛乳に仕返しされる日もやってくるものである。

そう、あれはよく晴れた日。
昼休みは運動場で遊ぼうと鼻唄交じりに牛乳パックを畳んでいたときのこと。


ぶしゅわぁぁっっ!

 

空のはずのパックから、突如として白い液体がお気に入りのTシャツにダイブ。
現代アートのようなシミを作って僕のテンションはダダ下がり。

空だと思ってたらまだ中にちょっとだけ残ってたんですね。そんなん予想できひんやん普通。なるなら言うといてや。


そして牛乳には不思議な力が込められていて、それを口に含んだ者のツボを一時的に浅くすることが可能となる。

いつもなら絶対に笑わないようなしょーもないギャグでも、牛乳を飲んでいるときなら百発百中噴き出してしまうし、すると教室中が大パニックからの阿鼻叫喚。

ごめんなさいと言うべきところなのに、ツボに入ってしまったらもうお終い。
もう全ての事柄が笑いに変換されてしまって、次第には「殺菌130℃ 2秒」という文言にまで笑ってしまうという特殊機能まで付与される始末。


てんやわんやの学校給食。
悪い思い出ばかりしかない気がするけど、まあもう1回くらいなら食べてもいいとは思うけどね。