お金がほしい

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2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

台湾旅行記 その4

ま、さすがに今回で終わるでしょ。いやホント、終わらなかったらおかしいって。

 

そして、前回までのあらすじが気になるという珍しいタイプの方々はこちらからどうぞ。

ex-finprethe.hateblo.jp

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前回の続き。
まぁ結論から申し上げると、トイレはどうにか間にあった。

しかし異郷の地なのですんなりトイレにありつけたわけでもなく、ひと悶着は当然ありまして。。。


駆け込んだ店の奥に実はトイレがあったのだが、店のおっちゃんは「それは従業員用だ」と言い張って貸してくれなかった。
その後ニックやホワイトが交渉しても店主が首を縦に振ることはなかった。

だから僕は思った。
この店主、絶対トイレに変なもの隠してるだろ、と。
バレたらマズいものをトイレに隠し置いちゃっているだろ、と。


でもそんなこと当時の僕にはどうでもよかった。それより早く、迫り来るスプラッシュを爆発させることのほうが圧倒的に優先された。

どう頼んでもトイレを貸してくれないのなら、いつまでもそこに時間を費やす必要はない。
そう思ってしぶしぶその店を出ると、直線距離にして約100m、その先にとある店舗を発見した。

「あ、あれは・・・!」

その店舗とは、ガラス張りの窓から電球色のライトが眩しく漏れる2階建ての建物。
外では黄色い「M」のマークが、これぞ大企業とばかりに雄大にグルリと回っているのが真っ先に目に入る。

そう、その場所こそ世界のチェーン店ことマクドナルドだ。


「間違いない、あそこならトイレがあるはずだ」
僕は確信した。
ニックもホワイトも「あそこになら間違いなくあるだろう」と太鼓判を押した。


・・・と言っておきながら実際に行ってみるとトイレはなかった!みたいな展開のほうが前振りを回収できるし話としても面白いんだろうけど、行ったらフツーにありました。

そこでようやく用を足してひと安心。
まぁ、K西くん以外の男子がここぞとばかりに僕の後についてトイレに駆け込んだことは、この際触れないでおくことにする。


さて。
晴れてようやく夜市を楽しもうという余裕が出た僕は、前を歩くニックとホワイトの後ろに付いて独特な雰囲気を楽しんでいた。

台湾料理、というとピンと来ないが、置いてあるものや売っているものは中国とさほど変わらないように見える。

小籠包に肉まんのようなものから果物も売っていた。被服はチャイナドレスからやたら色鮮やかなハンカチに、法の目を掻い潜りきれていないような人形までやっぱり存在した。


だが時折、鼻を劈くようなえもいわれぬ異臭が周囲を覆うこともしばしあった。
そしてその状況下では、必ず周囲のどこかにこの文字の看板またはのぼりが確認できた。

 

臭豆腐

 

臭豆腐とは、その名の通り強烈な臭いを発する豆腐のこと。
なんかね、吐瀉物みたいな発酵した臭いがするんだよね。

腐っているうえに臭いとかもうどうしようもないんだけど、不運なことにどうやらこれが台湾名物らしい。
おまけに勇気を出して食べてみるとこれがまた旨いのだとかネットに書いてあった。


そんなの食うしかないじゃん!とのことでトライしたところ、まぁたしかに悪くはない。
台湾の人たちが僕らに配慮して、あまり臭いのキツくない臭豆腐の店をセレクトしてくれたおかげでもあるが。

味はね、そうだな。
豆腐です。

他にも、ナンのような生地に野菜やら肉やらを挟んだ「なんちゃってケバブ」を、1個でかなりの量があったのだがK西くんと合わせてご馳走になった。
そのなんちゃってケバブは食べ歩きには打ってつけで、全ての店は到底回りきることはできなかったもののかぶりつきながらゆったりと夜市を散策した。


そしてそんなこんなで1時間ほどが過ぎ。


言語は通じなくても「あ、そろそろ帰宅ムードだな」というのは雰囲気で掴める。

案の定「ここらでぼちぼち戻りますか」的なホワイトの発言もあり、僕らは先の駅へと引き返すことになった。

しかしその帰路にて、先頭を歩いていたホワイトが突如として立ち止まった。

何事かと思って彼を見やると、その目は真横の屋台に釘付けだった。


そこで売っていたのは、エリンギのバター炒め。

字だけだと結構地味だけど、鉄板を跳ねる香ばしいバターの香りと黄金色に焼きあがったエリンギは、たしかに食欲をそそるそれであった。

僕とK西くんはなんちゃってケバブのおかげで割と腹は満たされていたものの、ホワイトはニックたちとそれらをシェアして食べていたためその分だけ小腹が空いていたのだろう。

おまけに価格は日本円でおよそ100円程度だったので、ホワイトは「これは買い!」とばかりにエリンギを購入した。

正直なところ「なぜ数多ある屋台の中からエリンギを・・・」とか「おっちゃんよ、どうしてエリンギを屋台で売ろうと思った?」とか心の中で思っていたけど、まぁ僕も椎茸のバター醤油炒めとか居酒屋であったら頼んじゃうクチなので彼の嗜好も分からないでもない。


そしてホスピタリティ精神豊富なホワイトは、「You can try」とか学習塾のCMに出てきそうな怪しげな英語で僕らにエリンギを分けてくれた。
表情から察するに「やべっ、ノリで買っちゃったけどそんなに要らんかったわ」って感じだったけど。

そして僕らも先ほどの食事でずっしりお腹に来ていたので今さら脂っこいものはノーサンキューだったのだが、「まぁ1個くらいなら」とありがたく頂戴した。
K西くんは僕よりも食が細いので心配していたが、意外にも何の気なしにそれを受け取って口に運んでいた。