お金がほしい

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2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

台湾旅行記 その3

異例の連日投稿だけど、トチ狂ったわけでも神の思し召しというわけでもない。
単純に前回終わらせる予定だった話が思ったよりも長引いてしまったので、せめて連投することでお赦しをいただきたい。

というわけでさっさとケリをつけようではないか。

 

えっと、前回までがこちら。

ex-finprethe.hateblo.jp

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もう振り返りとか前回記事についての論評とか一切ナシでいきますので悪しからず。

 


台湾(主に台北)の切符はコインの形をしていると前回書いたが、その形状だとどこかに入れたくなるでしょ?
でもね、これSUICAとかPASMOみたいにピッと翳すんです。もはやコインの形をしている意味よ!!

まぁそんなことはどうでもいい。
駅に到着した僕ら4人はその切符で中に入ると、次に来た電車に乗りこんでしばらく揺られていた。

正確に計ってはないのでどれくらい乗ったのか記憶していないが、結構な時間だったのではないかと思う。

そして僕たちが乗ってから数駅目で若いカップルが同じ車両に乗ってきたのだが、その2人はニックとホワイトの同級生らしかった。
そこで僕とK西くんはそのカップルに紹介され、また彼らも僕らに自己紹介をした。

これは本当に聞いていなかったのだが、電車で向かう先にはそのカップルも含めた6人で行くことになっていたらしい。
いくら言葉が通じないからといってもせめて事前に伝えておいてほしかったんだけど・・・その感情は「まぁいいか」と奥に押し込んだ。


でもね、やっぱり他の男友達ならまだしもカップルと行動を共にするなら心の準備が必要だと思うの。って全然押し込みきれてねぇ。

アイツら電車の中でイチャコラしやがって僕たち野郎4人がどんな心境で立っていたかお分かりか?
吊革を掴む手に妙に力が入るんだよね、いやぁいい筋トレになりましたわー。

でもそれこそドイツでも感じたけどさ。
なんで海外の人たちって電車内とかホームでめちゃくちゃキスすんの?

ベルリンの地下鉄に乗ったら超満員だったとき、隣のカップルがずっと見つめ合ってチュッチュしてさぁ。
その顔の数十センチ先で動くこともできずその光景を見つめるしかない僕の気持ちちょっとでも考えた?

ホームで電車を待っていたら隣でカップルが熱い抱擁の後にディープキスしてるし。なんなの世界。というか日本がおかしいの?


んなことはどうでもいいんだよ。ちくしょう電車だけにまた話が脱線を・・・!

あ、山田くん今のは聞かなかったことにしてください。


てなわけで数十分電車に揺られたのち下車した僕ら6人は、ホームを抜けて外に出た。
外はいつの間にか暗くなっていて、だからこそ目の前で煌々と光る屋台の提灯がすぐに目に入った。

そう、到着したのは夜市。
夜市というのは台湾をはじめ東南アジアでよく見かける光景のひとつで、日が傾いたあたりの時間から真夜中まで営業する市場のこと。
なんでも昼間がとてつもなく暑いので、夕方からオープンすることになったという。

フルーツからお土産品、食事処に洋服まで実に数百もの店舗が所狭しとひしめき合い、平日だというのにかなりの大盛況ぶりが見てとれた。

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↑こんな感じ

 

そして案の定ホワイトたちから「今からここに入るよ」と言われ、K西くんと2人で納得。

読んだことはないが、ガイドブックにはおそらく「台湾に行くなら夜市はマスト」と書かれてあるだろう。
そのくらい夜市は台湾においてメジャーで、かつ観光客にとっても打ってつけのポイントなのだ。


だが、壮観とも言えるその景色に見惚れることもなく、僕の心はあるひとつの感情に支配されていた。

そう、それは

めちゃくちゃトイレに行きたい!!

という哀しき願いであった。

もう限界なんてとっくの昔に超えていた。
だってさ、数時間前にタピオカジュースをご馳走してもらって、あげくかき氷も食べたんだよ?

いや、タピオカジュースもね。
あれは間違いなく350mlはあったし、かき氷も結構な量があった。

おまけにバイクと電車の長時間移動でトイレどころではなかったから、外に出た途端その感情が一気に押し寄せてきてしまったのだ。


だから初手として僕はK西くんに「トイレとか大丈夫?」と聞いてみることにした。

別にトイレに行きたいと言うのが恥ずかしかったわけじゃないんだけど、K西くんも僕と同じ量の水分を摂取したはずなので一緒になって言ってくれるかな、なんて思っていた。
でも返ってきた言葉は僕の予想と違った。

「K西さ、トイレとか大丈夫?」
「いや、全然大丈夫だよ!」
「・・・え、マジで? あ、我慢しているほどじゃないけど、もし今トイレがあったら行ってもいいかなってくらいのレベル?」
「ううん。今のところ本当に大丈夫」

清々しいまでの即答だった。と同時に思い出した。
そういえばK西くんはクラスの中でもトイレが遠いことで有名で、朝の8時に登校してから昼の3時に帰宅するまで一度もトイレに行かないことだって度々あったのだ。

だから彼が時折学校でトイレに行くのを目撃するのはドクターイエローを見るのと同じくらいのレア度で、見たものはこの先幸運になれるとまで言われていた。
・・・言われてないです。

でも彼の膀胱のキャパは多分国立競技場くらいあるので、ゼップくらいしかない僕は今にも外に音漏れ客が集まりそうな勢いだった。

だからこの際迷っている暇はないと、僕は勇気を振り絞って言った。
僕はトイレに今すぐ行きたいのだ、と。

するとあっさり「OK!」とトイレ探しをしてくれた台湾人4人が「あそこの店の中にあるんじゃないか」と指示してくれた場所に、僕は脱兎のごとく駆け込んだ。

 

その場所にトイレはなかった。