お金がほしい

お金がほしい

2020年10月をもって更新をストップします。永らくのご愛読ありがとうございました。

急いでいるのに急がない、もはや急いでいるのか急いでいないのか分からない、いや、本当は急いでいないのに急いでいるフリをしているだけなのか、はたまた本当は急いでいるけど急ぎすぎるのもなぁと急ぎすぎないようにしているのか、どちらにせ(中略)

あの、こういう人いません?
めっちゃ急いでいる風を装っているのに、階段を着実に一段ずつ降りていく人。

あれ、正直に言って意味が分からないんですよね。

「ごめんなさい!すみません!ちょっと通してください!」みたいな声が後ろから聞こえてきたかと思うと、焦燥に駆られた男性が群衆を掻き分けて現れる。

そこまではいいんですよ、別に。

「あっ、こりゃ相当急いでるな」って思ってこっちも後ろを気にしながら歩いて、それでその人が来たときにサッと退いてあげたらその先の階段で一段ずつですよ。
本当に意味が分からない。

いや、階段が危険だっていうのはすごく分かる。階段で転んだら平坦な道で転ぶより遥かに怪我のリスクは増大するし、特に雨の日なんて滑りやすいため本当に危険。
そのうえ階段はご老人方が最も注意を払うスポットであるからして、そこに「急いでいるから」という一点のみの理由でエキセントリックな降り方を披露し他人を危険に晒すのはよろしくない。

当然その人にはその人なりの事情があるわけだが、しかし別の人にも別の事情がある。
そこを分別弁えず傲然と立ち振る舞うのはいかがなものか、というのが世間の風潮。

だから階段だろうと電車だろうと他人に迷惑をかけない程度に急ぐべきだという意見も分かる。
分かるのだがっ!


もうさ。
その人が急いでいるのって、海が青いこととかうんこが臭いことくらい明らかなことですよね?

あんな慌てた顔して「ごめんなさい!」ってビジネスバッグを頭の上に掲げてりゃ誰だって「急いでんな」って分かる。


そんな公知の事実としてね、「私は急いでいるんですよ」って。
無自覚かもしれないしそんなこと考える余裕もないかもしれないけどあなた自身が声高々に宣言しちゃっているわけですよ。


だったらさ、最後まで責任を持って急いでほしい。


周りに迷惑をかけたのは仕方ない。
そもそも人間なんて誰にも迷惑をかけずに生きていくことはまずもって不可能だし、そこはもういいんだよ。許します。

だからせめてその分、僕たちがあなたに気を遣った分、あなたには何とか間にあってほしいわけですよこっちとしては。

 


だってせっかく道を譲ってあげたのに到着時間が杖ついたおばあさんと一緒だなんて、見ているこっちが哀れでならないでしょう。

あなたも急ぎ損、私も気を遣い損。
ウィンウィンじゃなくてル-ズルーズ・・・でいいのか?


なので、なりふりかまわず抱きしめて・・・じゃなかった。
なりふりかまわず雑踏を潜り抜け、あなたには見事時間内にゴールしてほしいんです。それが国民の総意なんです。


なのに!なのにだよ?

なんで階段を一段ずつ降りてるのさ。

頑なに、それはもう亡き父と交わした約束のように階段を一段ずつ下りていくのは一体何故なのか。


あのぅ、二段飛ばしってご存知ないですかね?
階段を一段分飛び越えて次の段に足を乗せる・・・あーそうですそれですそれ。


なぜそれをご使用にならないのでしょうか。

 


いや、だって一段ずつ降りるとき、ダダダダダダダッてかなり高スピードで足動かしてるじゃないですか。
あんな足の俊敏な動き、僕は中学校の体育でクラスの半場くんが反復横とびをしているとき以来の光景ですよ。

その身体能力があるならばね、僕は絶対二段飛ばしのほうが遥かに効率的だと思うのですが。


って、実はこの前二段飛ばしして盛大に転んだ人を見たばかりでした。

皆さんも気をつけましょう。
チャオ!