せっかくだからと言われても
僕はこの「せっかくだから」という言葉が好きではない。
正確に言うと、この言葉を軽々しく使う人や状況にうんざりしている。
同じような意味合いの言葉に「どうせやるなら」というものがあるが、まだこちらのほうには愛着が持てる。
個人的に「せっかくだから」というのは何となく眩しいくらいに明るいイメージで、「どうせやるなら」はマイナスから入っているだけあって慰めや鼓舞に近い印象を受ける。
なんて書くと最近話題のポジティブアレルギーではないかと言われそうだが、僕はドリカムもゆずも嫌いではないので心の底から拒絶しているなんてことはないのだ。
そうではなくて、この発言をかます彼らの詐欺まがいな押し売り商法が気に食わない。
例えば旅行にて。
「せっかく遠出したんだから美味しいものを食べたい」
その意見には同意する。大いに賛成だ。
まぁ高い金出して来てるわけだし、めぼしい店は事前リサーチ済みで既に人数分の予約でもしてくれてあるのかな?
え?してないの?ウソでしょ?
それっておかしくないですかね。
店を決めるのに30分、そして選んだ店が超人気店で待つこと1時間なんてマジで勘弁。
そりゃ旅行の計画に参加しなかった僕が全面的に悪いけどさ、「あちこち混んでるしもうファミレスでいいじゃん」って言うとマジ切れしてくるのだけは本当にやめてほしい。
渋滞のストレスをこっちにぶつけないでくれ。
もうね、こんな感じで「せっかくだから」という言葉を発する状況って概して計画性もクソもない、行き当たりばったりが非常に多い。
「せっかくここまで来たんだし、もう少し奥まで進んでみようよ」
「俺たちも行ってみない?せっかくの機会なんだしさ」
「せっかくだからもうちょっとだけ待ってみようよ」
お分かりいただけただろうか。
例外なく死亡フラグ
これ絶対あとで後悔するやつ。または不慮の事故が起きて二度と帰って来れないやつ。
「やらずに後悔するよりやって後悔」なんて言うけどさ、もうどっちにしても既に後悔する気満々じゃないですか。後悔が先に立ちまくってるんですよねぇ。
それからポジティブなフリをして近づいてくるのもやめてほしい。
「一度きりの人生。せっかくだから楽しんじゃおうよ!」
オーケー分かった。じゃあおうちに帰ります。さようなら。
もうね。こんなセリフをサラッと言えちゃう人とね、10分も一緒に居られるわけがないのですよ僕は。
あなたと一緒に居るだけで不幸になる。
細木数子に言われたから間違いない。総務省の調査でも明らか。
ポジティブが強すぎて僕の運気全部持っていかれる。ズバリ持っていかれるわよ。
あなた方のような人と絡まざるを得なくなったあとに我々がどんな顔で帰路につくか知っていますか?
もうホントに死神ですよ。朝ジョギングしている70歳くらいのおじいさんにそっくり。
死相が出てる。
でもそんな時にふと鏡を見ると「あ、頑張ってるんだな自分」って感じがしてちょっと褒めたくなる。
だからありがとう。でももう二度と来んな。
正直なところあなたたちと脳の構造がもう全然違うのですよ。
嬉しいときも誰かとハイタッチなんてしたくならないし、心の底から笑うなんてとうの昔に諦めてるんです。
僕らネガティブ世界の住人はね、否定することに喜びを見出してるんですよ。
リストカットして自らの体躯から血潮が噴き出るところを見て生きてる実感を得るとか、さすがにそこまで病んではいないけども、休日はどこへ出るでもなく無為に時間を浪費したりテレビ見て「クソつまんねぇな」とか言ってるほうがよっぽど楽しいんです。
僕はあなたがたのような生態系がまるで理解できないから、そちらにも理解してくれとは言いません。
というか理解なんてされてたまるか。
ただこっちが無干渉を貫いてるのに何食わぬ顔でノコノコと領土侵犯しないでほしい。
ここは法治国家なのだから放置しておいてほしい。
せっかくこのページを開いたのだからとしぶしぶ最後まで読んでいただきありがとうございました。
以上で終わります。さようなら。