車と自転車両側からの不満
自転車に乗っていると、車にムカつくことがたまにある。
車を運転していると、自転車にムカつくことがたまにある。
もちろん車の運転中、前の車にムカついてオカマを掘りたくなるときもあるが今回は触れないでおく。
自転車。
ありふれた存在だが、よくよく考えればぞっとする乗り物だ。
ひとたび道路に出れば生身むき出しの1メートル隣を大型トラックが時速60キロで追い抜いてゆく。
ほんのちょっぴり掠りでもすれば即死かもしれないのに、それをあろうことか毎日継続しているのだ。
そう考えると中学生の頃から毎日そんなデンジャラスな通勤通学を続けている自分をちょっとだけ尊敬してしまう。
とはいえ僕もそれなりに安全には気をつけているのだ。
特に車を運転するようになってからは、自転車だけで生活していた頃には決して気付けなかった自転車の危険特性に留意するようになった。
車から見た自転車というのはやはり自転車から見る自転車とはまるで違う。
正直に言うと、自転車だけで生活しているとき、つまり車の免許を持っていないときは親に「車の運転手を信用するな」という助言も手伝って割と本気で車をバカにしていた。
運転手を見て「あ、コイツこっち見てないな」と思ったら(もちろん身の安全が保障される程度に)わざとぶつかる寸前まで近づいて運転手が「あっ!!」と表情を変えるのを見るのが何よりの楽しみであった。
マジで性格悪い。我ながらどうかしている。
だが実際自転車に乗っていると、何度か本当に不注意で車とぶつかりそうになった経験の1つや2つは誰にだってあるだろう。
車は大抵一時停止で止まらないし、交差点では車の流ればかりを見て自転車や歩行者にまで意識がいかない運転手もいる。
だがどんなに車が悪かろうと、体当たりして負けるのは結局自転車なのだ。
いくら賠償金を得ることができるからといって、損をするのが自分だと分かった上で自ら車に突っ込む輩もそうそう居まい。
だから自転車の運転が慎重になるのは分かる。命がかかっているのだから当然だ。
でも僕は、自転車さんに言いたい。正当性の欠片もないけどこれは言いたい。
自転車よ、車に道を譲らないでおくれ。
これは結構切実な願い。自転車が車の運転手に「先どうぞ」ってやるのホントにやめて。
たしかに見通しの悪い交差点で「あ、ここから車が出てくるかもしれない」と思って止まるのは素晴らしい。
適切な判断力。将来多分会社でも有望視されるよ。履歴書に書くといい。
車としてもマジでサンキュー。自転車が慎重になってくれれば世界は平和になる。ラブアンドピース。
でもそのあとの対応がダメね。マイナス10000ポイント。
いいかい、自転車が車を待つのはやめてくれ。
「あ、この路地から車来そうだな」
そう思って止まったら案の定車が飛び出して来た。
「フッ、この車の運転手は私が有能だったおかげで事故らずに済んだな。感謝しておけよ」
そう思ってくれていい。運転手を馬鹿にしてくれていい。もう何でもいい。
何だっていいから自転車よ、早く行ってくれ。
自転車も足付いて止まったついでに車が先に行ってくれるのを待ちたい気持ちも分かる。
分かるのだが!
車としては、歩行者や自転車なんて邪魔な存在でしかないのだ。
交差点で曲がるとき確認しなくちゃいけないし急に飛び出してくるし道路がただでさえ狭いのに左側道奪われて危険度アップするし。
だから一刻も早く自転車や歩行者とはおさらばしたい。
いちいち自転車のことを気にしなくちゃいけないのは面倒臭い。というわけで車の運転手が自転車の存在を認識した時点でグッバイ、レーニン!してほしい。
ご検討のほどよろしくお願いしますぞ。
それから今度は自転車側から車にモノ申したいのだが、これも極めて重要な案件である。
一度CGかENGINEで特集組んでほしいレベルで深刻。
いいですか。
左折で歩行者確認するとき横断歩道まで来るでない。
はい、これ犯したら罰金。
と言っても言葉だけではイメージしづらいと思うので画像を載せておきたい。のだが、探すのが面倒なのでやめておく。
というわけでイラストを載せた。だったら画像探せよ。
はい逮捕。お巡りさんコイツです。この緑の車です。
とにかくコレですよ。
自転車的に真っ直ぐ行きたいんです。分かりますかね?
でも緑の車のせいでグワンと大回りしなくちゃいけない。
文字だけで見ると「んだよその程度で」ってなるかもしれないけど結構めんどくさいのよこれが。
左に曲がるとき幅寄せするのはいいんです。教習所でもそう習うし。
でもさ、物事には限度ってモノがあるでしょう。
自転車の存在に気付いてるにもかかわらずわざわざその進路を妨害するってちょいと陰湿すぎやしませんか?
僕はねぇ、悲しいですよ。すごく悲しい。
だからやめてほしい。僕も気をつけるから。